アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、日本時間2025年9月3日にPS5/Xbox Series X|S/PC向けにリリースされた『METAL EDEN』です。
◆人間の意識をデジタル化した世界
『METAL EDEN』は、ポーランドのインディーゲーム開発スタジオReikon Gamesが手がける3Dアクションゲーム。同社は2014年に設立、高評価トップダウンアクション『RUINER』の開発元としても知られています。公式サイトでは「霊魂」などの漢字を演出として使っているのも印象的です。
本作は2021年の「Summer Game Fest」にて発表され、当初は『FINAL FORM』というプロジェクトタイトルが付けられていました。その後、2025年2月には『METAL EDEN』として正式発表。4月に配信した体験版のフィードバックを踏まえ、ゲームのブラッシュアップを目的にリリース延期を行い、9月に配信されています。
舞台となるのは、人類の規模が大きくなりすぎて地球に限界が近づくSF世界。宇宙に可能性を見出した人類は意識をデジタル化する技術「コア」を開発し、時間や距離を克服することに成功します。地球から離れた惑星上に巨大コロニー・メビウスを建設し、コア技術によってライフサイクルを超越する「プロジェクト・エデン」を発足させたのです。
しかし、その後プロジェクトは凍結。多くの人間のコアがメビウスに捕らわれ、プロジェクトの秘密を守る機械化部隊が徘徊する死地となってしまいます。
主人公・アスカは、最新鋭の戦闘用アンドロイド「ハイパーユニット」として、管理役のネクサスと共に、人々のコアを救出するためにメビウスへの潜入任務へと挑みます。
本作はステージクリア型のアクションゲームで、各チャプターごとに機械化兵士やボスと戦っていきます。道中ではさまざまな武器や機能をアンロックしていくほか、入手したリソースで武器のアップグレードも可能。激しい戦いの先に、プロジェクトの真実が待ち受けています。
◆パルクールアクションを使いこなせ！
最新鋭アンドロイドの主人公・アスカは、高い身体能力と強力な銃器を駆使して絶望的な数の敵へと挑んでいきます。最初のミッションではチュートリアルとして、メビウスを探索しながら移動や戦闘などのアクション、本作で重要な「コア」を用いたシステムなどを学びます。
移動はジャンプやジェットパックのほか、ジップラインやウォールラン、グラップリングフックなど。地形や環境を使用して、快適なパルクールを楽しんでいきましょう。
基本的には目的地までは1本道なので、周囲を観察して、目的地に辿り着くための道を探し出すのも重要です。なお、回避やジェットパックなどは燃料が切れると一時的に使えなくなるので要注意。
アスカは銃による攻撃だけでなく、敵のコアを抜き取ることも可能です。抜き取ったコアは敵にぶつけるほか、吸収することで強力な近接攻撃「スーパーパンチ」も発動できます。コアの抜き取りはクールダウンが必要ですが、対象を破壊することが出来るので積極的に狙っていきましょう。
ゲームを進めていくと、さまざまな種類の機械化兵士が登場。多くの兵士はアーマーがあり、通常の銃器ではなかなかダメージが通りません。入手できるエネルギー武器やスーパーパンチなどを駆使して、アーマー破壊を狙うことがポイントです。アーマーを破壊すれば実弾武器で簡単に倒したり、コアを抜き取ったりすることもできます。
重要な戦闘エリアは、フックやウォールランなどを駆使することで、回復アイテムや弾薬を入手できるデザインになっています。敵の攻撃は激しいので、しっかりと距離を取りながら戦うことも生き残るためのコツですね。
◆戦いを有利に進める探索要素も
『METAL EDEN』では、ステージの各所に武器をアップグレードするためのショップが用意されています。武器はマシンガンやピストル、グレネードランチャー、ショットガン、エネルギー銃などがあり、アップグレードすることでセカンダリ射撃などの新たな能力を得ることができます。
ショップの利用には、敵を倒したりステージ内で拾ったりで入手できる「ダスト」と呼ばれるリソースが必要に。そして、新しく入手した武器をアップグレードするには、一定数の敵を倒さなければなりません。
アップグレードは高価で、すべての武器を強化することは難しいので、自分の扱いやすい武器を強化していきましょう。
また、重要な戦闘をクリアすることでアスカはスキルを修得できます。バレットタイムやホバリングなどの新たな能力を確保したり、攻撃能力を向上させたり、アクションに応じて敵が回復や弾薬を落とすようになったりと、スキルにはさまざまな種類のものが用意されています。
各チャプターでは、探索要素も登場。隠しエリアには大量のダストや追加ライフ（HPが尽きてもその場で復活する）、スキル獲得などのアイテムがあるため、探索すればするほど戦闘は有利になっていきます。隠しエリアはジャンプアクションやスイッチなども要求されるので、怪しいところはどんどん探していきましょう。
ただし、パルクールやギミックを利用する本作では“行けると思ったらただの背景だった”などの状況が発生することも。落下ペナルティは少しHPが減るくらいであまり大きくないものの、少し分かりづらいところがあるかもしれません。
◆馴染むほどスタイリッシュに戦える
多彩な武器やアクションが用意されている『METAL EDEN』は、序盤から強敵が出現するため慣れない内はかなり苦労します。難易度は4段階用意されていますが、ノーマルでも敵の攻撃を捌けなければ簡単に倒されてしまうことも。もしアスカが倒されても、チェックポイントから再開可能です。
特に序盤はアーマーのある敵への対策に一苦労すると思います。ゲームが進めばアーマー対策用の武器も入手できますが、その選択肢が増えるまでは、スーパーパンチを当てるためにクールダウンを管理したり、時間をかけてでも確実に射撃＆回避で立ち回ったりしなければなりません。
しかしゲーム内では至るところに回復や弾薬が配置されており、それらの多くが一定時間で復活する仕様です。焦らなければ簡単にやられることはありません。ライフさえあれば、多少のゴリ押しもできます。まずは操作になれることを目的としながら、いろいろな武器やアクションを試していくことが大切です。
特に本作は後半に登場する武器が使いやすく、アスカのスキルも強力なものが揃っています。武器が揃って操作に慣れてきた頃には、素早い武器切り替えで的確に敵を倒すこともできるようになりますし、チャプターが進むと基礎HPなども増加していくため、はっきりとゲーム終盤に近づくほど比較的戦闘が楽になる印象を受けました。
ただし、それはアスカという「ハイパーユニット」の設定にも関わってくるもの。ストーリーでは、アスカやネクサス、そしてメビウスを支配している「エンジニア」と呼ばれる存在たちの物語が描かれていきます。
物語はある種の“お約束”もたっぷりなので、こちらもぜひとも楽しんで欲しいところですね！
『METAL EDEN』は、さまざまな環境を使ったパルクールアクションと豊富な武器を使った戦闘を楽しめる作品です。
適度なスピード感や強敵のアーマーを破壊するためのタスクなど、単純に戦うだけではないアクション性と、マップ内に落ちている回復や弾薬を拾えるオーソドックスなシューター要素もあり、実に遊びやすい印象でした。
ただし、操作性は決して悪くないのですが一部オブジェクトに引っかかったり、親切な“よじ登りモーション”が暴発してアスカがワープしたりと、少し移動面で気になる点も。アップグレードである程度は改善されるのですが、武器性能の差もかなり大きく、特に敵のアーマー対策のために選択肢が狭まるのはもったいないなと思う部分です。
ゲーム自体はそこまで長くなく、難易度が複数用意されているため、腕前に応じたプレイスタイルを選べるのも嬉しいポイントです。最高難度も試したところ、筆者の実力ではかなり苦戦する戦闘が味わえました。
なによりもリトライが手軽なので、少しずつ戦い方を考えながら強敵に挑みながら腕前を磨くことも、新たなスキルや武器構成を楽しむこともできますよ！
