「ROG Xbox Ally X」と「ROG Xbox Ally」の違いはスペック面とカラー。黒いハイエンドモデルが「ROG Xbox Ally X」で、白いモデルが「ROG Xbox Ally」と覚えれば早いでしょう。重量も違いますが、外観は同じ。そしてこのふたつが従来の「ROG Ally」シリーズと決定的に違うのはそのフィット感です。見た目からもわかる通り、Xboxのコントローラーを想起させる握り手が備えられています。
ハンドヘルドゲーミングPCの重要な要素として“持ちやすさ”を重視する人も多いでしょう。今回「ROG Xbox Ally X」を使っていて気付かされたのは、ホールド感が与えてくれる体感の軽さ。Xboxコントローラーのようなグリップ部分が“握りやすさ”を生み出しており、携帯性のあるゲーム機としては群を抜いて持ちやすい。ボタン配置も握り手から容易に押せる範疇で、届きにくいのはボリューム調整部位くらいです。
ハンドヘルドゲーミングPCは「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」に至って、かなり成熟してきた印象を受けます。Xboxのノウハウが加わった衝撃もかなりありますが、全体としての感覚としては、「シリーズがブラッシュアップされてここまで遊びやすくなったか!」という“洗練されたデバイス”としての驚きがあります。
「ROG Xbox Ally X」
今回プレイしてみたタイトルは9月12日にリリースされた『ボーダーランズ4』。もちろん実際のプレイ感はデスクトップ PC 水準には劣るものの、グラフィック設定を一部下げれば「ROG Xbox Ally X」 でも快適に遊べました。FPSタイトルでキーボード&マウス操作などを選択したい際には「ROG Xbox Ally X」をテレビやモニターに繋いで据え置き利用すればいいでしょう。
Xboxとの融合でソフトウェアも進化!?
「ROG Xbox Ally」として「Xbox」要素が加わったのはデバイスのスペックのみではありません。Xboxボタンの追加によりライブラリなどへのアクセス性が向上し、ストア上でも“このPCで快適に動作する”といった環境表示ができるようになりました。
このパフォーマンスチェックはまだすべてのゲームに対応しているわけではありませんが、徐々に増加していくでしょう。「ROG Xbox Ally」であるかぎりこれも増えていくはず。『ペルソナ3 リロード』などは快適にプレイできました。
「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」はスペックが違うため、ひとつひとつのタイトルがどれほど遊べるかがいささか不安になるもの。公式が動作確認をして、それを掲載してくれるのはかなりありがたいですね。Xbox Game Passはもちろん、徐々に頭角をあらわすクラウドゲーミングサービス、Xbox Cloud Gaming(ベータ)などにも対応していますし、“遊びやすさ”はXboxとの融合でかなり加速したでしょう。
結果、「ROG Xbox Ally X」および「ROG Xbox Ally」はXboxとの融合でソフト面でのサポートがかなり充実したと感じられます。プラットフォームをSteamとしている方も多いでしょうが、本デバイスを手に入れたならXbox系列に移行することも考えてみるとよいのではないでしょうか。少なくとも、Xboxの名を冠しているだけある力の入り具合です。