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Game*Sparkレビュー:『Vampire Survivors』―早期アクセスから製品版まで、魅力を損なわず走り抜いた完成度は「見事」の一言

ついに製品版となった高評価アクション!リリース以来、その面白さは失われていない。

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Game*Sparkレビュー:『Vampire Survivors』―早期アクセスから製品版まで、魅力を損なわず走り抜いた完成度は「見事」の一言
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poncleは、PC向け2Dローグライトアクション『Vampire Survivors』の正式版アップデート「1.0」を2022年10月21日にリリースしました。新たなステージや武器、新モードの追加など、これまでのコンテンツをさらにパワーアップさせるアップデートです。

本作は、画面中に溢れるようなモンスターと戦いながら生き残ることを目指すアクションゲーム。2021年12月17日にSteam早期アクセスが配信され、その中毒性の高さなどを多くのプレイヤーが評価し、Steamユーザーレビューでは「圧倒的に好評」を獲得している作品です。

本稿では、ついに製品版リリースを迎えた『Vampire Survivors』のレビューをお届け。最新アップデート情報についても少し紹介しています。なお、なるべく重大な要素のネタバレにならないようなスクリーンショットを使用しています。

あと少し前に全データロストしました。悲しい。

そもそも『Vampire Survivors』はどんなゲーム?

本作のルールは単純明快で「自動的に攻撃するキャラクターを操作する」「敵を倒して得た経験値でレベルアップしたらアップグレードを選ぶ」「迫りくる敵を倒しながら30分生き残る」というものです。敵は時間とともに強くなり、強力なボスキャラクターなども登場します。

レベルアップ時にはランダムに表示される「武器」「アイテム」から装備したいものを選んでいきます。武器/アイテムはそれぞれ6種類(初期設定)しか持つことができないため、どの装備を選ぶのか、どの装備が表示されるのかが勝敗の鍵に繋がります。また、特定の装備の組み合わせによって武器が“進化(EVO)”して強力な効果を発揮します。

マップ内で獲得したお金を使用することで、基礎能力の恒久的なアップグレードが可能。また、条件を満たすことで新たな使用キャラクターや武器、ステージやシステムなどが解放されていきます。本作は(一応)最大30分の1プレイを繰り返しながら、毎回異なるプレイを楽しんでいくのです。

早期アクセス開始時点から、シンプルながら非常に高い中毒性で高評価を集めていた『Vampire Survivors』ですが、この作品の進化は止まりません。精力的なアップデートが続けられ、今では膨大なキャラクター数と武器はもちろんのこと、さまざまなタイプのゲームを楽しめるシステムも豊富に用意されています。

なお、開発のルカ・ガランテ氏は本作をリリース後、期待していた「1,000倍以上」の成功を収め、ゲームに注力するために就職したばかりの会社を退社しています。

遊ぶほどに考え、学び、再挑戦できるリプレイ性の高さ

本作を初めて触ってみると、ルール同様にとてもシンプルなプレイ感に思えるかもしれません。なにしろこちらがアクティブに攻撃できるわけでもないどころか、選択したキャラによっては攻撃も思い通りにままならないのです。訳も分からないうちに敵が増え、囲まれてゲームオーバーになっていくのが多くの人の初回プレイの結末ではないでしょうか。

しかし、本作は倒されるときも含めて、そのテンポの良さがリプレイ性を高めています。何度も何度もプレイして倒されながら「前回は火力が足りなかったから武器の強化を優先しよう」「これを使えば囲まれても安心できる!」といったビルドを考え、ランダム性の高いゲームの中で正解を見つけ出すのが楽しいのです。

もちろん自分なりの判断だけでなく、ゲーム内では武器の“進化”という一つの回答も用意されているのが嬉しいところ。“進化”のための装備の組み合わせを探したり、キャラクターの特性を把握したり、苦手な敵の動きを覚えたりと、プレイするごとに学べることが満載です。

また、ステージ内に用意されているギミックを確かめるため、ときには「捨て回」を用意することもあるかもしれません。しかし、そういうときに限って装備品の選出で当たりを引いたりするんですよね。世の中はままならない、そして、これもまた楽しい。

拡張される要素でゲームはより深く!

慣れないうちはとても難しい本作ですが、プレイを重ねていくうちに多くの要素が解放され、プレイの幅はどんどん拡がっていきます。代表的なものはお金で能力を向上する「アンロック」で、攻撃力強化や自動回復などの項目から、アップグレード選択のリロール、一度死んでも復活できるなど、特殊な効果も用意されています。

特に強力な解放要素として、ゲームをある程度進めると使用可能になる「アルカナ」があります。これはゲーム開始時に特性を持ち込めるシステムで、最初は「HP回復2倍&回復分の攻撃」といった能力が使用可能になり、ゲーム内チャレンジを達成していくことでバラエティ豊かな能力が扱えるようになります。アルカナは、ゲーム内の宝箱から入手済みのものを追加で獲得することもあります。

また、プレイヤー側の強化だけでなく、ステージそのものを変化させることもできます。敵が強化される代わりにボーナスを得られる「ハイパー」や、通常の2倍の速度でゲームが進む「お急ぎ」などのモードが任意で選択できます。また、強化項目に「呪い」といったものもあるため、これらの選択を自分でON/OFFすることで簡単に縛りプレイを楽しむことだってできるのです。

多くの要素の解放条件はゲーム内の「チャレンジ」から確認可能。ゲームとして難しいだけでなく、目標を立ててプレイすることができるのも嬉しいところです。

シンプルだからこそ光る「判断力」を問われる面白さ

本作の魅力として、遊ぶほどに学びがあること、ゲーム内要素が増え楽しみ方がどんどん広がっていくことを紹介しました。これらの魅力はゲームとしてのダイレクトな面白さにつながるもので、リリース開始から2022年9月まで、価格が2.99ドルだったとは思えないボリュームを持っています(現在は4.99ドル、それでも安すぎる!)。

『Vampire Survivors』の面白さは、プレイ中に「判断力」が問われていくことにあると思っています。それはステージやキャラクターの選択、ゲーム中のアップグレード選択などの“時間が動かない判断”だけでなく、増え続ける敵に対してどう対処するかを考える、リアルタイムで答えを求める“動いている時間での判断”でもあります。

成長が足りない状況で耐久力の高い敵の群れが迫り、絶体絶命の状況。なんとか最小限の被害で経験値を拾い、レベルアップで現状打破できることに賭けるしかない。こういった状況下で、いかに敵の流れを操作するか、ダメージ計算をしながら移動するか、その判断は本作の最高の醍醐味なのです。

この隙間を逃さない手はない!
十字架(画面上の敵が全滅)で一網打尽!
ときには火を吹くよ。

シビアなゲームなので、多くの場合は非情な最期を迎えてしまいます。しかし、まれに武器の強化がギリギリ間に合ったり、回復アイテムを拾ったり、敵を全滅させるアイテムを拾ったりする「奇跡」が起こることもあります。それは快感であり、喜びであり、『Vampire Survivors』を遊んでいてよかった!と思う瞬間です。

もちろん強化項目を精査して堅実なプレイをするのも重要ですし、開発側もそれが可能なアップデートを配信しています。ある程度極めてしまえばあまり事故も起こらなくなりますが、やはり本作の魅力は、ひたすらに正解を求めていく「判断」にあるのではないかと考えています。

苦難の果てに勝利を確信したときが最高。

1.0アップデートの新要素を少しだけ紹介(軽度ネタバレあり)

※最低限ですがネタバレになる画像もあるためご注意ください!

本項では、2022年10月21日にリリースされた製品版1.0アップデートの内容を少し紹介していきます。

◆ゲームモードを2種類追加!

1.0アップデートで追加された新マップでは、新たに「反転」「エンドレス」の2種類のゲームモードが解放されます。

「反転」モードは文字通りステージの表示が逆さまになります。また、このモードでは入手できる金貨が200%、運ボーナスが20%増加する代わりに敵の体力が200%になる高難度モードです。周囲に壁のないステージはあまり気になりませんが、屋内マップだと配置で少し混乱することもあるので注意しましょう。

「エンドレス」モードは、通常ゲーム内時間30分で登場する敵キャラクター“死神”が登場しなくなります。(基本的に)プレイヤーを即死させるギミックである30分の“死神”が出なくなることで、プレイヤーは30分の垣根を超えて遊ぶことができます。

稼ぎに使用するにも便利ですし、一部のチャレンジを達成するのにも便利なモードです。

◆新武器「極大聖年」

1.0アップデートでは、新たな武器「Greatest Jubilee(極大聖年)」が追加されます。この武器は公式映像でも紹介されていますが、花火のようなエフェクトを持っています。

◆新ステージ

この場所は果たして……?

もちろん、新ステージや武器を含む解放条件は「チャレンジ」にあるので、迷うことはないでしょう(達成できるかは別の話ですが)。

そのほか、1.0アップデートではキャラクタースキンやBGM、Twitchのプレイ連動機能なども追加されたほか、多言語に対応しています。

翻訳してくれた方々に感謝を。

総評

ついに製品版になった『Vampire Survivors』。1.0アップデートはこれまで同様にコンテンツを増やすアップデートが中心で、本作の魅力はまったく損なわれていません。とてもポジティブな意味で、安心できる「変わらない良さ」をお届けしてくれています。

早期アクセス初期から「大量に現れる敵を倒して生き延びる」という、シンプルかつやりごたえのあるゲーム性を完成させ、そこにプレイスタイルの幅を広げる装備やキャラ、システムの追加を繰り返してきた本作。気軽であり、考えて、学びながら遊べるタイトルとしてやはりひとつの完成形なのではないかと思います。縛りプレイも簡単にできるのでやりこみプレイヤーも嬉しいところ。

なお、製品版をリリースした本作ですが、サポートは継続し、今後も新たな機能を追加する予定があるようです。また、poncleで新たなプロジェクトに取り掛かる可能性にも言及しています。今後も目を離せません。コミュニティが盛んな本作だけあり、これからも『Vampire Survivors』の世界は広がっていくのでしょう。

今回の総評としては★3です。悪い点の項目は、まったく悪い点ではなく「お願い」です。 『Vampire Survivors』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに配信中。サブスクリプションサービス「PC Game Pass」にも含まれています。なお、11月2日までSteam版が20%オフのセールを実施中です。

総評:★★★

良い点
・シンプルで圧倒的なやりごたえ!
・遊べば遊ぶほど学び、考え、判断を楽しめるビルドとシステム
・低価格でコストパフォーマンスが高すぎる

悪い点

・お願いだからもう少し価格を高くしてください(払いたい)


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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