日本語対応を迎えた『POSTAL 4: No Regerts』はゲームとしても良くなったのか?あまりの出来に憤慨したシリーズファンが再訪【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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日本語対応を迎えた『POSTAL 4: No Regerts』はゲームとしても良くなったのか?あまりの出来に憤慨したシリーズファンが再訪【特集】

あれからおおよそ1年。パフォーマンス問題は治ったのか、そもそもゲームとしてはどうなのか?

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お下劣でブラックなゲームとして歴史に名を刻む『POSTAL』シリーズ。その最新作である『POSTAL 4: No Regerts』は、2022年4月21日に早期アクセスが終了、正式にリリースされました。


しかし、正式リリース時に掲載したプレイレポではバグや処理落ち、クラッシュが頻発しまともに遊べないという状態であったため、不本意ながら弊誌でも酷評を下すという結果になってしまいました。

あれからおよそ1年。幾度かのアップデートを重ね、ついには日本語対応も迎えました。そこで本稿では、どのように同作が改善したか、純粋なゲームとして見るとどうなのかといった点に注目した内容をお届けします。

パフォーマンスに改善は見られたか

正式リリース当初は、グラフィックの質に対してFPSの低下や画面のカクつきが頻発するという残念な状態でした。高品質なグラフィックを求めているわけではないのでチープであること自体は許容できたのですが、それに伴わない異常な重さにはとてもイライラとさせられました。

本作はオープンワールドではないため、エリア間でローディングが発生します。しかしそのローディングに30秒ほどの時間がかかるため、非常にテンポが悪くなっていました。

しかし現在のバージョンではそれらは概ね解消されました。少なくともまともに遊べないほどカクついていた状態はなくなり、パフォーマンスという面では快適に遊ぶことができるようになりました。ローディングもかなり早くなり、ほとんど気になりません。

この点は、非常に安心しました。筆者の環境上での動作状況であることは念押ししておかなければなりませんが、まともに遊べないレベルのパフォーマンスが大幅に改善しており、少なくとも「遊べる」というスタートラインには立ったと言えるでしょう。

もう1つの問題として、様々なバグの存在が挙げられます。この点については、多少は改善が見られましたが、依然としてゲームプレイに異常をきたすようなものが存在します。

序盤ミッションにエサやキャットニップを使ってネコとイヌを三匹ずつ連れてくるというミッションがあるのですが、動物の挙動が非常に怪しく、突然エサに反応しなくなるという前回の記事で指摘したバグが残っていました。幸い、連れてくるのは死体でもOKという内容だったため事なきを得ましたが、ミッションの進行に異常をきたしかねないと言えるでしょう。

また、進行上の支障はないものの、通行人の挙動や字幕の表示がおかしい不具合も見られました。以前よりは不具合らしいものは減っていますが、それでもまだ不安定に感じます。

そもそもゲームとしてはどう?

バグは残っているとはいえ、ゲームとして「遊べる」と感じられるようになったことがわかりました。ですので、ゲームとしてみるとどうなのか?という点に焦点を当てて見ていきましょう。

結論から言うと、ゲームとしては面白さより退屈さが勝つ、というような完成度です。『POSTAL 2』に比べ街の探索からは楽しさが抜け落ち、ミッションも退屈に感じるものばかりなのです。

筆者がシリーズで最も好きな『POSTAL 2』は、街を比較的自由に歩くことが1つの大きな魅力であると考えます。ミッションそっちのけで街行く人にちょっかいを掛けたり、隠しアイテムを探しに行ったりできます。

また、街には人々が歩いています。まるでゲームの中で生活しているようだ……というと誇張しすぎですが、時には銃撃戦が起こっていたり、酒に酔ってセクシーダンスを踊っていたりと様々な顔を見せます。

本作でもそれ自体は存在するのですが、なぜか退屈に感じます。筆者はその理由を、街が広くなったからであると考えます。

街が広いこと自体は良いのですが、それと引き換えに密度が下がってしまいました。そうすると必然的に目的地や建物間の移動時間が長くなり、ミッションの途中に民家や店に入って暴れる、というようなプレイをする気が掻き立てられません。2の街は建物間が狭く、「移動の面倒臭さ」は少ないです。

ただし4には、街が広いことの対策として車両が用意されています。2にはなかった要素であり「ミッションエリアまでいくのが面倒くさい」という点にはある程度対処できていますが、逆に寄り道という行為自体をさせづらくしています。

かといってミッションだけに注力しようにも、正直ミッション自体の質もあまり良くありません。少なくとも1日目に遊べるミッションは無駄に時間を食わせるものが多く退屈です。

例えば下水道に詰まったし尿を除去するミッションはマップが妙に複雑で迷わされますし、頻繁に現れる凶暴なネズミや壁から吹き出る蒸気によるダメージが非常に鬱陶しいです。し尿除去に加え水位の変更やLEDの交換もせねばならないのですが、ただ迷わされるだけで無駄に時間がかかります。

別の、囚人を開放してしまった刑務所での銃撃戦ミッションは敵の反応が早すぎますし、3エリア分のパスコードを入手して入力しなければいけないため時間がかかります。

このように、作業的もしくは理不尽と感じるような瞬間が多く、ウンチの塊を掘るのも囚人を殺すのもユーモアとして面白いとは言えません。無駄に時間がかけさせるような作りになっているのもただストレスが溜まります。

日本語に対応した点はとてもありがたいです。やはりジョークやユーモアが大切なゲームシリーズですから、日本語があるだけで体験は大きく異なります。翻訳の質はやや微妙で、翻訳されていないところもあるという雑さがどうしても気になりますが、それでも以前よりグッと楽しみやすくなりました。


本作はパフォーマンス工場や日本語対応によって「遊べる」出来にはなりましたが、残念ながら「楽しい」といえる体験には至っていません。

依然として、一番オススメしやすいシリーズ作は『POSTAL 2』という結論に至ったことは少し残念に思いますが、最近もSteam Deck対応に伴う大型アプデが配信されましたし、これからも『2』がコミュニティの中心として扱われていくでしょう。


《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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