「なぜクラウドやセフィロスが20年以上も愛されるキャラクターであるのか」―オリジナル版にも携わった野村哲也氏が『FF7 リバース』で表現した“『FF7』らしさ”【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「なぜクラウドやセフィロスが20年以上も愛されるキャラクターであるのか」―オリジナル版にも携わった野村哲也氏が『FF7 リバース』で表現した“『FF7』らしさ”【インタビュー】

クリエイティブ・ディレクターの野村哲也氏が語る、『FF7 リバース』から始まる「本当の旅」とは。

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「なぜクラウドやセフィロスが20年以上も愛されるキャラクターであるのか」―オリジナル版にも携わった野村哲也氏が『FF7 リバース』で表現した“『FF7』らしさ”【インタビュー】
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いよいよ発売が近付いてきた、『FF7』リメイクプロジェクトの二作目となる『FINAL FANTASY VII REBIRTH(以下、『FF7 リバース』)』。メディア向けのプレビューイベントだけでなく、今回は本作のクリエイティブ・ディレクターを務める野村哲也氏へのインタビューを実施しました。

オリジナルの『FF7』にも携わった野村氏が抱く『FF7 リバース』への思い、「『FF7』らしさ」とはどういったものか、などを語ったインタビューの内容をお届けします。

Game*Sparkでは野村氏へのインタビューのほか、メディアプレビューイベントでの試遊レポートや、プロデューサーの北瀬佳範氏とディレクターの浜口直樹氏へのインタビューも掲載しています。こちらもぜひ、あわせてご確認ください。

クリエイティブ・ディレクターの野村哲也氏にインタビュー!

――本日はよろしくお願いいたします。まず最初に自己紹介と、本作にはどういったポジションで携わっているのかをお願いします。

野村哲也氏(以下、野村氏):クリエイティブ・ディレクターとして携わっています、野村哲也です。よろしくお願いします。

――野村さんは『FF7 リメイク』ではディレクターを務めていましたが、今作でクリエイティブ・ディレクターとなって、お仕事の内容などに変化はありましたか?

野村氏:自分の作業としてはさほど変化は無いですが、チームへの関わり方としては、『FF7 リメイク』である程度、方向性やバトルの基礎などができたと思うので、新規のシステム周りは浜口(浜口直樹氏。本作のディレクター)たちに任せてるといった感じです。

本作は当然ながら、『FF7 エバークライシス』やその他の事業など、『FF7 リメイク』プロジェクトが拡大していますので、それらを統括して見る立場です。

――『FF7 リメイク』が発売されてから、およそ4年が経過しようとしています。『FF7 リバース』のプロジェクトはいつ頃から着手されていたのでしょうか。

野村氏:シナリオなどは地続きで、『FF7 リメイク』のマスターアップ前から始まっていたので、『FF7 リメイク』が終わり次第収録を開始できるような準備はずっとやっていました。何年前かはちょっと覚えていないですが、切れ目なく続いているイメージです。「一旦、ここで休み」ということは無かったですね。すでに次回作も収録が始まるところです。

――この『FF7』のリメイクプロジェクトは初期の段階から三部作構成と決められていたのでしょうか。

野村氏:「三部作だろう」という話はしていましたが、途中で北瀬(北瀬佳範氏。本作のプロデューサー)のほうが「やっぱり二部作でやりたい」と言い出してきて。「二部作はキツいんじゃないですかね?」というやり取りがずっと続きました。(笑)

しばらく二部作か三部作か決まらない状況が続いていたので、なかなか「何部作」という発表ができなかったんですが、最終的に「三部作」で行くことになりました。

――『FF7 リメイク』の開発中や、もしくは発売後にユーザーの声を受け取ってから、課題に感じた部分や難しく感じた部分があるかと思います。そういった部分は今回、『FF7 リバース』の開発にうまく落とし込んで解消できたと思いますか。

野村氏:様々なご意見を目にして参考にさせていただいている部分はありますが、シナリオに関しては、どういう風に終着へ向かうのかは企画立案当初から決まっていたので、そこはブレることなくずっと進んでいる状況です。

ゲームプレイも『FF7 リメイク』の自由度に関しては、もともとオリジナルもワールドマップに出てから自由度が増す作りでした。『FF7 リバース』からはワールドマップに出て世界が広がり、そこから自由度という意味での「遊び」が広がるという点も最初から決まっていて、やらなければいけないことではありました。解消というわけではありませんが、「2作目では満足していただけるであろう」という部分ではありました。

――本作の開発にあたって、特に意識したようなポイントはありますか。

野村氏:今作では世界が広がり、各地がオリジナル版よりも深いディテールで描かれるなかで、そこに出てくる登場人物たちもより深く描いていかないと整合性が取れなくなります。人物描写や人物造形、また見た目だけでなく中身も「よりリアルに描いていく」という点はかなり意識して描いています。

――『FF7 リメイク』のストーリーは、ラストも含めてオリジナルの『FF7』とは異なった、衝撃的なものでした。そんななかで本作はプレイヤーにとって、どのような立ち位置、どのような印象を与える役割を持っていると思いますか?

野村氏:『FF7 リメイク』は比較的プロローグに近い立ち位置でした。まぁプロローグにしては長いんですけど(笑)。リメイクにあたって世界構造や、「神羅とは何なのか」「魔晄とは何なのか」、登場人物の関係性の紹介、バトルがどういう表現でどういう手触りになっているか、など“ベース”の部分をお見せするような内容になったと思っています。

『FF7 リバース』からはある意味「本当の旅」が始まります。これまでミッドガルの中だけでしたが、世界に旅立って色々な街を巡る本当の「冒険」が始まっていくというところが、本作の大きな役割です。様々な場所を巡ることに様々なドラマがあり、多種多様な人物との出会いがあって、『FF7 リメイク』よりも一層、感情を揺さぶられる物語になっていると思います。

『FF7』のリメイクとして、本作は「また新たな旅立ち、始まり」という役割だと思うので、本作から入ってくるプレイヤーがいることを想定し、『FF7 リメイク』を飛ばして今回から触れる人も遊べるような作りにしています。それに『FF7』は長く語り継がれている作品ですが、「『FF7』ってこんな作品ですよ」と紹介するという意味では、『FF7 リバース』は「FF7らしさ」が詰まっていると思っています。

――既に公開されている本作のキービジュアルやトレイラーでは、ザックスの姿が見られます。現状話せる範囲で構わないのですが…本作ではザックスの存在が物語で大きなカギを握ることになるのでしょうか!?

野村氏:前作『FF7 リメイク』では、オリジナル版になかった「フィーラー」という存在がかなり謎めいた役割をしていました。『FF7』をプレイした方なら分かると思いますが、本作では「なんでザックスが出てくるんだ?」というところが謎のポイントになっています。

これらの「フィーラー」や「ザックス」という新たな謎がストーリーに入ってくることで、オリジナルをプレイした方でも展開が読めないという状況が生み出されています。ザックスという存在によってオリジナルを知っている方も先が読めない展開になっているので、本作からプレイする方もオリジナル経験者も、先の展開は双方どちらの立場でも分からない、ネタバレに関して同じ土俵でプレイできると思います。

――野村さんといえば、オリジナルの『FF7』でも開発に深く携わっています。開発経験者として『FF7』を再構築していくにあたって、「ここは変えよう」「ここを残そう」といった取捨選択はどのように行っているのでしょうか。

野村氏:なかなか難しいところですが、僕自身はなるべくオリジナルの要素は拾いたいと思っています。でも、プロデューサーの北瀬は「どんどん切っちゃっていいよ、無くしていいよ」という立場なんです。

本作のオリジナル版に関わっていないスタッフたちは比較的拾いたい側ではありますが、オリジナルを経験した自分たちとの間で、「そこには本来こういう意図があった」とか「そこは本当はこんな風に描きたかった」とか、「それを失くすとここの意図が伝わらなくなる」などのコンセンサスも取れますから。それぞれの立場でも色々な話ができるのは重要だと考えています。

僕個人の判断基準としては、「あったものが無くなる」のは寂しいんですよね。だから極力残したい。「変えてもいいけど、残したい」というスタンスなんですね。そういった意味ではなるべく拾っているつもりです。

最終的なジャッジを北瀬が僕に委ねてくれているので、僕の意見を優先させてもらっている、という感じです。

――オリジナルの『FF7』や『FF7 リメイク』と比べてみて、特に「ここが進化した!」と感じるところや、本作における野村さんの「イチオシポイント」などがあれば、ぜひお聞かせください。

野村氏:昨今の規模で考えてみても、ここまで自由度の高いスタンドアローンの『FF』ってなかなか出てこなかったと思います。やはり「『FF』はストーリー重視のゲームである」という意識にあって、そこを優先してきていたので、グラフィックなどが向上するにあたってどうしても「自由度」の部分が削ぎ落とされていった結果かと思うのですが。

ただ、『FF』はもともと「世界を自由に冒険するゲーム」であり、僕としてそこは軽視できないと考えていました。ですが、それを一作で実現するには「どうしてもストーリーを優先せざるを得ない」という問題がありました。このリメイクプロジェクトは三作に分けたことで、全てに比重を置いて自由度のある、スタンドアローンの『FF』に仕上げられたと感じています。

それはオリジナルの『FF7』があるからこそ「ここは担保しないと『FF7』にならない」という部分があるからだと思います。これが新作の『FF』だったら自由度の度合いは一から線引き出来るのですが、“『FF7』である”という意味では、今回の広いワールドマップの探索は非常に重要なポイントだと思っています。

とは言え、オリジナルの『FF7』でもここまでのワールドマップを探索はできませんでした。オリジナルのシンボルマップとは違い、等身大になったことでオリジナルよりも広い世界を描かなければいけない。さらに「広い世界を描く」というのは、ただ広いマップを置いておけば良いのではなく、その中で探索しがいのあるモチベーションをいくつも配置しなければいけないのです。そこも実現できていると思います。

これだけ「自由度」を謳っておきながらなんですが…個人的なおすすめポイントは「コレルプリズン」のダインのイベントです。久しぶりにゲームで感情を動かされたというか、声優さんの迫真の演技もありますし、カットシーンの演出やフェイシャルも含め、かなり胸に迫るクオリティになっています。

――いよいよ発売が近づく本作ですが、最後にプレイヤーに向けた一言をお願いします。

野村氏:『FF7 リメイク』プレイ済みで長らく待ってくれていた方や、オリジナルからずっと追ってくれていたファンの方もたくさんいると思います。『FF7 リバース』から始める方に対しても十分遊びやすく作られているので、「なんとなくクラウドやセフィロスを知ってる」というような若い方たちにも、本作に触れて欲しいです。

なぜクラウドやセフィロスといったキャラクターがユーザーたちに20年以上も愛されるのかという理由は、『FF7』をプレイすれば感じていただけるでしょうし、自由度が高くなった本作は、より「好きな遊び方」を見つけて楽しめる内容になっています。是非、色々な方に体験していただきたいなと思います。

――改めまして、本日はありがとうございました!


『FINAL FANTASY VII REBIRTH』は、PS5向けで2024年2月29日に発売予定です。


ファイナルファンタジーVII リバース(FINAL FANTASY VII REBIRTH)-PS5
¥8,082
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《kurokami》

チャーシュー麺しか勝たん kurokami

1999年生まれ。小さい頃からゲームに触れ、初めてガチ泣きした作品はN64の『ピカチュウげんきでちゅう』です。紅蓮の頃から『FF14』にどハマりしており、Game*Spark上ではのFF14関連の記事を主に執筆しています。

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