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『Child of Light』連載型レビュー(3) 「日本人ゲーマーの心をくすぐる、お姫様の冒険譚」

キャラクター同士の会話やシンボルエンカウント、リアルタイムで行われる戦闘システム。こうも馴染み深いギミックが揃っていると、プレイすればするほど遥か昔にクリアした名作JRPGの思い出が続々と蘇ってくる。

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『Child of Light』連載型レビュー(3) 「日本人ゲーマーの心をくすぐる、お姫様の冒険譚」
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Child of Light』連載型レビュー企画(3)
日本人の心をくすぐる、お姫様の冒険譚
Text by ハヤカワ(Game*Sparkライター)


バストアップのイラストで紡がれるキャラクター同士の会話やシンボルエンカウント、リアルタイムで行われる戦闘システム。こうも馴染み深いギミックが揃っていると、プレイすればするほど遥か昔にクリアした名作JRPGの思い出が続々と蘇ってくる。色鉛筆のようなタッチで描かれるグラフィックには温かみと懐かしさが同居しており、まるで自分が体験してきたJRPGの世界観をノートに描いてくれたかのようだった。

フルートやピアノ、ストリングスなどで演奏されるBGMも郷愁的で、いくつかのマップでは雰囲気に合わせて疾走感や悲壮感を演出する別アレンジバージョンなども聞くことが出来た。洞窟の中を裸足でぴたぴたと歩く音響効果と主人公のモデルは心細くも可愛らしく、ふわふわと揺れる髪のモデリングも美麗で何度も歩いてはターンを繰り返してしまった。戦闘の際の演出も秀逸で、重たそうに剣を振り下ろしたり、落としてしまった王冠を大事そうに拾ってかぶり直すモーションは、それだけでストーリーテリング性を伴っている。


また、巨大な樹木の合間を飛びながらマップ上に散らばる“光”(回復アイテムのようなもの)を集め、宙に浮かぶファンタジックな民家に「ひたっ」と音を立てて着地したときなどは、シナリオ的にはどうでもいい場面にも関わらず感動を覚えてしまった。JRPGにはない「国産ファンタジーらしさ」まで強烈に描かれてしまったかのように思えたからだ。楽しくも忙しい戦闘はもちろんのこと、マップ上にもインタラクティブな要素が多く詰め込まれており、そこかしこでJRPG的世界観を堪能することが出来る。

究極の装備を求めて世界を放浪したり、数え切れない程のお姫様と世界を救ってきたJRPGプレイヤーに対して、本作は強く訴えかけるものを持っている。現代的なセンスで彩りながらも、海外ゲーム開発者が日本人ゲーマーをこうもノスタルジックな気持ちにさせてしまうのは、とてつもないことなのではないだろうか。
《subimago》
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