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SCE吉田修平氏主催のパネル「インディーゲームの躍進が業界に与えている影響について」

gamescom期間中、SCEワールドワイド・スタジオプレジデント吉田修平氏主催により毎年恒例で取り行われているトークイベントを視聴してきました。

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SCE吉田修平氏主催のパネル「インディーゲームの躍進が業界に与えている影響について」
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gamescom期間中、SCEワールドワイド・スタジオプレジデント吉田修平氏主催により毎年恒例で取り行われているトークイベントを視聴してきました。

今年は例年にも増して豪華なパネラーが集まり、インディーゲームが躍進を続けるビデオゲーム業界の現状について積極的に意見が交わされていました。


参加されたパネラーの皆さんの情報はこちら(向かって左から2番目より)。


  • 吉田修平氏 SCEワールドワイド・スタジオ代表取締役会長

  • Dylan Cuthbert氏 有限会社キュー・ゲームス代表取締役
  • 代表作『Star Fox』『PixelJunk』シリーズ他

  • Michel Ancel氏 Wild Sheep創立者
  • 代表作『Rayman』シリーズ『Beyond Good & Evil』他

  • Rex Crowle氏 Game Designer, Media Molecule
  • 代表作『LittleBigPlanet』シリーズ、『Tearaway』

  • Paul Rustchynsky氏 Design Director, Sony Computer Entertainment Europe
  • 代表作『MotorStorm』シリーズ、『DriveClub』

『Rayman』シリーズや『LittleBigPlanet』のようなマルチミリオン売るタイトルの開発者らをインディーズと呼ぶにはいささか豪華過ぎる印象ですが、立場としては立派なインディーズ。それぞれ独自の視点でインディーズゲームが現在のゲームを取り巻く状況について語りました。

トピックの中で多くの賛同があり印象に残った意見は下記の通りです。
    インディーズゲームが躍進し一般的になったことで:

  • 開発者がプレイヤーが何を欲しているのか耳を傾けるようになった
  • 開発者の作品の質に対しての責任がより大きくなっている
  • 開発者とプレイヤーの距離がより近くなっている
  • SNSなどを介して作品の情報伝達が広範囲で迅速になった
  • 開発者が想定した遊び方以上にプレイヤーが自由な発想を持って遊んでる
  • プレイヤーが自身の作ったコンテンツでゲーム世界を拡張することが盛んになった

また、ひとしきり熱い議論が取り交わされた後で、まとめとして全員に投げられた、「現在、文化の側面としてのビデオゲームの、どんなところにワクワクしますか?」という質問に対して、各人は以下のように答えています。

吉田修平氏:
私はインディーゲームファンとして知られています。ゲームファンの中にはトリプルAの大作しか遊ばない人がいます。私自身、勿論トリプルAの大作は好きですが、インディーゲームの方があらゆる角度からゲーム製作に望んでおり、ゲームと言うものの枠を広げている状況にとてもワクワクしています。

Dylan Cuthbert氏:
私はプログラマー出身ですが、ユニークなテクノロジーを確立出来るようになった事にワクワクしています。PS4のような高性能なコンソールが現れたことで、従来では難しくて実現出来なかった、さらに高性能なテクノロジーを実現出来るようになったことは大きな進歩だと考えてます。

Michel Ancel氏:
トリプルAみたいな大きな船に乗らなくても成り立つようになったことでしょうか。私は1人でゲーム開発者としてのキャリアをスタートしました。グラフィックもプログラミングも全ての作業を1人でこなしてきました。チームを指揮する立場になった今も1プラットフォーム、1ゲームにフォーカスし続け作品をより良いものに仕上げられることが実現出来るのは素晴らしいです。

Paul Rustchynsky氏:
SNS等が発展したことにより、プレイヤーと開発者の距離が近くなったことが良いことだと考えています。開発者はプレイヤーの意見に耳を傾け、彼らが何を欲しているのかを理解する出来る事。そんな状況に私はとてもワクワクしています。

Rex Crowle氏:
ゲームが再びカラフルになってることです。今回SCEの発表で見たゲームもとてもカラフルでした。青空の下や美しい夕日、美しい世界を探検出来ること、さらなる美しい世界を目にすることがとても楽しみです。



また、一般参加者からのQ&Aセッションでは、「現在のインディーゲームとは何でしょう?」という質問に対し、Ubisoftから独立したMichel Ancel氏は「私は現在十数人のチームで動いてますが、この先100人以上になってもインディーでしょう。それは視点と立脚点の問題です」と説明。これを補足するように他のパネラーからも、「トリプルAという言葉は規模を表すものでしかありません。開発者の考えが独立していればそれはインディーゲームです」、「インディーゲームでも莫大な予算を投じてトリプルA以上のグラフィックを実現してるゲームも多くあります」と続けました。これらの意見を総括する言葉はPaul Rustchynsky氏の、「大事なことは、開発者に対してあれこれ言う人がいないことでしょうか。開発者が創造に対し自由な環境で取り組めることがインディーであるかどうかだと考えます」と締めくくられました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

1時間にも及ぶ長いトークイベントの中で語られたのは、インディーゲームの躍進に対する手放しの賛辞ではなく、インディーのあり方や開発者のスタンス、そしてプレイヤーとの関わり方に関する冷静な分析といったところでしょうか。Q&Aセッションでも語られた、インディーとは「作品の規模や投じる予算の大小ではなく、パブリッシャーやプラットフォーム、投資家の意見に縛られない、独立した自由な創造のもとに作られた作品」という意見は強く印象に残りました。インディーを尊重し、誘致にも力を入れているPS4プラットフォームから第二第三の『Minecraft』が登場するのはそう遠いお話ではないのかもしれません。
《パムジー》
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