3gooおよびNaconは、『How to Survive』シリーズで知られるEko Softwareの手がけるPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けゾンビサバイバルアクション『Welcome to ParadiZe (ウェルカム トゥ パラダイズ)』を2024年2月29日にリリースしました。
本作の舞台となるのはゾンビアポカリプスにより壊滅した世界。絶望的な世界の中で「パラダイズ(ParadiZe)」と呼ばれる場所では、ゾンビを操り使役する「ゾンボット」という技術を確立し、危険なゾンビを労働力や護衛として活用して平和な土地として人々に知られています。ここはまさしく“人類の楽園”です(?)。
プレイヤーはパラダイズを求めて旅をしてきた主人公となり、ゾンビだらけの土地で戦闘や拠点構築、サバイバルなどの冒険を行っていきます。ゾンボットはプレイヤーの指示によって多彩な行動が可能で、プレイヤーによってさまざまな「相棒」として活躍してくれます。また、オンライン/オフライン協力プレイにも対応しています。
本稿では、期待の新作ゾンビサバイバル『Welcome to ParadiZe (ウェルカム トゥ パラダイズ)』のプレイレポートをお届け。プレイおよびスクリーンショットは、メーカーから提供されたPS5版にて行っています。
ようこそ“人類の楽園”へ!
ゲーム開始時に、まずプレイヤーの分身となるキャラクターを選択します。キャラクターは12種類から好きな見た目を選ぶ方式で、能力などに違いはない模様。ゲームは主人公が安息を求めてパラダイズへ到着するシーンから始まります。ゾンビとの戦いから10年、ついにたどり着いた“人類の楽園”ですが、そこは何やら様子がおかしいようです……。
荒れ果てた入口前の下には、落とし穴にかかったゾンビが群れています。そして、パラダイズの中から1体のゾンビが走って主人公に襲いかかります。わけも分からずゾンビを倒して入場した主人公ですが、眼前には労働に勤しむゾンボットと、それを見守る管理人の姿が。管理人に移住の申し出を行うと、まず自分用のゾンボットを入手するために技術者のボブに話を聞いてほしいと言われます。
ここからは、チュートリアルとして基本的な戦闘やマップの見方などを学んでいきます。どうやらゾンボット以外にも普通のゾンビや暴走したゾンボットたちもいるようで、ボブの住処までは戦闘が避けられません。無事にボブの元へとたどり着き、主人公は彼が復活させたというハッキングヘルメットを受け取り、近くのゾンビを倒してゾンボットを誕生させます。
頼りになる相棒を得てパラダイズへの移住に成功した主人公ですが、周囲を見回してみてもやはりOPムービーで流れていたような“人類の楽園”とは程遠い様子。管理人からは生き残るために拠点を築くことをアドバイスされ、探検に必要な武器を得るためのスペシャリストも紹介されます。どうやらここにも安全な場所などないようですね。
こうして新たな世界を舞台に、ゾンボットと共に主人公のサバイバル生活が始まります。
簡単・便利な頼れるゾンボットと冒険!
本作の象徴とも言えるゾンボットはゲーム序盤から入手可能で、戦闘や探索などサポートとしてさまざまな点で活躍してくれます。メニュー画面のゾンボットタブからは、ゾンボットの装備品や「どういった行動を取るか」というプログラミングができるのが大きな特徴です。
プログラミングは、ゾンボットが【戦闘時】【非戦闘時】に「道具を使う」「逃げる」「アイテムを集める」などの行動をあらかじめ設定しておきます。命令を受けたゾンボットはその状況に対応したアクションを行ってくれるのです。また、主人公や自身のHP状況や、攻撃ターゲットなどを細かく指定できる「モジュール」も用意されています。
これらと近接・射撃武器などを組み合わせることで、ゾンボットは戦闘で独自の活躍を見せます。例えば「HPが多いときは敵に突撃して、HPが少なくなったら逃げて回復に専念する」「どんな状況でも、主人公がダメージを受けていたら回復する」といった自分だけのサポートを作り出せるのです。
パラダイズには自分だけでなく、持ち主を失った「野良のゾンボット」もいるので注意が必要。なかには“拠点を守る命令”を守り続けている群れもいるのです。彼らを倒すことで新たなゾンボット用のギアを入手できることもありますが、射撃や近接に耐性があるなど通常ゾンビよりも強力な装備を持っている個体もいるので、適切な戦い方が必要になります。
なお、冒険でお供するゾンボットは初期状態では1体のみですが、ストーリーが進むと2体まで同時に連れ回せます。ちなみに、ゾンボットは倒されても簡単に他のゾンビから作り出せます。設定していた装備や仕事はそのまま引き継がれるので、気軽に使い回せる頼れる相棒ですね!
サバイバル拠点はゾンボットで自動化!
プレイヤーの拠点となるキャンプは、ストーリー序盤で素材集めクエストと共に開放されます。キャンプはある程度好きな場所に設置可能で、中心部となる「避難所」や発電機、クラフト施設などを設置して自分だけの拠点を作り上げることができます。拠点ではインベントリ整理やクラフトなどが行えます。
拠点の運営もゾンボットの出番です。拠点用のゾンボットは専用の施設を設置し、電力を消費することで初期状態から複数配置可能です。命令メニューも【戦闘時】【非戦闘時】向けの専用の内容が用意されていて、周囲の資源を集めたり、ゾンビの襲来に備えさせたりと、こちらも多彩な組み合わせが可能です。
拠点の運営で重要になるのが電力の安定供給です。電力は施設の稼働はもちろんゾンボットの作業にも使用するので、最優先で安定させなくてはなりません。水力発電所に必要な水を確保するため、川の付近にゾンビを配置すればバケツで水を汲ませることも可能です。収集したアイテムは自動的にキャンプのインベントリに送られるため、簡単に自動化できるのも嬉しいところです。
ただしキャンプ運営は決して安全ではなく、時に大量のゾンビが押し寄せてきます。拠点の防衛は防壁や罠の設置、装備の充実などが大切で、特に罠はゾンビの群れに大きな効果を与えてくれます。罠を使うためには「罠用のレバーを起動するゾンボット」を専用に配置しておく必要があるので、タスクを上手く割り振っておきましょう。
上手く拠点を構築できれば、ゾンボットたちは自動で防衛を行ってくれます。施設の配置は自由な反面少し難しい印象です。修理や再配置も簡単なので、色々な配置や地形を試して強固なキャンプを作り上げましょう。
多彩な気候の“人類の楽園”を冒険しよう!
本作は管理人やボブとの出会いから始まり、パラダイズに住む人々からのさまざまな依頼を達成してストーリーやサイドクエストを進めていきます。パラダイズの住人たちは一癖も二癖もあるメンバー揃いですが、彼らを助けることもサバイバルのための大きな助けになります。
冒険の舞台となるパラダイズには、その過去の出来事も含めて多彩な気候の土地が待ち受けています。例えば砂漠地帯は非常に暑く、体温を低めに保つために水を飲むなどの対策が必要です。当然ゾンビや野良ゾンボットもエリアによって強力になっていくので、入念な準備は欠かせません。
ゲーム内ではストーリーの進行とともに多くのエリアが登場します。そのエリアでしか入手できないアイテムもあり、強力な武器を作るために必要になる物も多いため、ストーリー進行とレベルアップのバランスを考えていきましょう。装備には必要なレベルもあるので、敵が強いと思ったらレベル上げするのもひとつの手です。
戦闘難度はそれなりに高いですが、死亡しても一部経験値を失うだけでアイテムは落ちません。ちなみに、死んだ場合はその地点に「死んだ自分のゾンビ」が登場し、倒すことで経験値も回収できます。また、各地にファストトラベル施設も用意されているので、かなりカジュアルに復帰できます。
また、レベルアップで獲得したポイントを消費して新たなスキルも取得できます。スキルは【ゾンボット】【戦闘】【サバイバル】の3つのツリーが用意されています。ステータスアップや新たなスキル、レシピなどもアンロック可能で、デメリット無しでスキルリセットもできるので色々試しましょう。
各地には宝箱やゾンボット指南なども隠されています。また、地域ごとの野生生物を狩って素材を集めたりといった遊び方も。各地をくまなく探索することで、パラダイズのさまざまな秘密を発見できるのです。
『Welcome to ParadiZe』は冒険や戦闘、拠点の自動化などサバイバル要素の多くに「ゾンボット」を組み込むことで独自のスタイルを完成させています。『How to Survive』の実績があるEko Softwareらしいアクションやゲームの雰囲気もあり、全体的に遊びやすいゲームに仕上がっている印象です。
反面、自由なゾンボットの命令や拠点構築は、ある程度チュートリアルやヘルプが用意されているものの、少し難しいと感じる方もいるかも知れません。また「お供のゾンボットやNPCが地形に引っかかって動けなくなる」といった状況が発生することもあります(お供ゾンボットは少し距離を離れるとワープしてくれます)。
癖のあるキャラクターはいずれも魅力的。荒廃している“人類の楽園”の謎や、驚くべき展開になっていく主人公の目的など、サバイバルとストーリーをバランスよく楽しめるゲームデザインです。ソロプレイはもちろんマルチプレイも楽しめるので、自由で過酷な楽園生活を満喫しましょう!
大切な相棒にしても自爆させてもOK!ゾンボットの存在が何より面白いスパ!