
中国、珠海にて3月13日から16日にかけて、メカアクションシューティングゲーム『Mecha BREAK』オフライン交流戦「グローバル先駆者開拓戦」が行われました。
いまはまだ正式リリースを控える状況ですが、OBT段階から高い注目を集めている『Mecha BREAK』。そんな日本、中国、北米からプロ・アマ問わず多くのプレイヤーが招集され、“第0回公式大会”とも呼ぶべき熱気に包まれました。本稿では現地となる中国・珠海からのレポをお届けします。
◆『Mecha BREAK』リリース前の交流戦は和やかに。今回の注目ポイントを参加者に聞いた!
さて、「グローバル先駆者開拓戦」が開催されたのは中国、珠海にあるAmazing Seasun Games本社にて! とはいっても社内でひっそりと……という建付けではなく、Amazing Seasun Gamesの巨大な敷地を使用しての大々的な催しです。

中国においてAmazing Seasun Gamesは武侠を題材にしたオンラインゲームで有名な会社とあって、本社社屋も「生活できる!」と感じてしまうほどに巨大な規模です。今回の大会は、そんなAmazing Seasun Gamesが持つリソースが惜しみなくつぎ込まれたものでした!
4日間に渡り行われた本大会では、日中米から計16ものチームが終結。日本からは好成績を収めたプレイヤーの他、「REJECT」「TIE」などのプロ選手や長田ザクさんなどを始めとした有名配信者チームも参戦しました。とはいってもリリース前の段階とあって、(まだ)『Mecha BREAK』をやり尽くした状況ではないことには留意する必要があるでしょう。実際に本大会は交流戦とあって別チームの選手に快くサインをしている様子や、なんと現地の子どもたちとバスケをしたとの話まで!

本大会は無観客かつ生放送の形式で行われ、各国の実況解説もそれぞれ現地から行われました。ちなみに、Amazing Seasun GamesのCEO、Kris Kwokさんは大のメカ好きで『Mecha BREAK』は何年も前からチャレンジしてきたタイトルとのこと。それもあってか社長室の目の前にも観戦エリアが設けられていました。

あらためて、『Mecha BREAK』は大会最終日となる3月17日にOBTが終わり、リリースを控えるタイトルです。筆者も実際にOBTをやり込み、その完成度から「かなり完成に近づいている」とは感じましたが、それでもまだリリース前です。

たとえば陣地占拠の要となる防衛機「トライセラ」や、前衛の盾として強さを見せる「赤霄」、重狙撃の「アクイラ」、飛行フォームに可変して制空権を確保する「ファルコン」など……各機体の役割はそれぞれ違ったものであり、その中で「A機体はB機体に対して相性が良い」などがぼんやり判明しています。この状況で、大会参加者には“この編成が強い”という定石が見えているのかどうかも気になります。

「REJECT」のshomaru7さんは質疑の中で「上手くなるプレイング」に聞かれたさいには、すでに上手いプレイヤーと交流したらある程度は上手くなるものの、機体の性能や動きなどが様々ということもありプレイ開始2日目まではわからなかったと吐露。同時にチームの総意として、キャリーなどが難しいためチームの練度が重要になると述べ、すでに先行してプレイし、ランキングトップとして招集されたチームとも交流して研鑽しあっていました。

大会にはバンピック制度が採用されましたが、そもそも定石の定まっていない状況でどんな機体をBANするかというのも『Mecha BREAK』リリース時のプレイの参考になりそうで、見どころのひとつです。

同時に、選手たちがどの機体に強さを感じているかも知りたいところ。これに関してはプレイヤーの上手さも重要となるようで、日本はファルコンの扱いが上手い選手がいるとの印象を「TIE」の選手たちは抱いていて、同時に中国チームの赤霄、アクイラを警戒している様子。さらには赤霄メタとして「龍淵」が(ハイレベルな戦いにおいて)機能するということも述べましたが、赤霄を止められなかったシーンもあったと言います。
今回お話を聞いていて感じたところは、なにより交流が上達への近道だということ。プロアマ、国境を問わず技術を伝え合うことでお互いに研鑽していく姿が印象に残りました!

さて、そんな交流戦では日本の実況・観戦者には「あれる」さん、「CR Wokka」さん、「トンピ?」さん、「yunocy」さんが登壇し、試合を盛り上げてくれました。そして今回はあれるさん、CR Wokkaさんにインタビューを実施。大会途中のタイミングで本イベントをどう見たか、お話を伺いました。
――まずは本イベントに参加されたきっかけ、理由をお教えください。
CR Wokka:参加した理由には今までに僕が触れたことがない、全く触れたことがないようなスタイルのゲームっていうのがありまして。メカ系というのは“男のロマン”というか、皆凄く好きなジャンルだと思うんですけど、ゲームとしてはあまり触れてこなかったので、どういうゲームなのかなって関心からスタートして、実際に触れて面白さを感じました。
あれる:僕は仕事をしている中でメカが好きになったということもあり、別タイトルのロボゲーとかで1番上のランクに行ったりしていました。そして今、この『Mecha BREAK』とタイトルが生まれて、どういうゲームなのかと関心を持った。新しい分野への挑戦の意味もありつつ、自分が好きなメカと中国に行けるという点で仕事をお受けしましたね。
――大会の途中ではありますが、今回のイベントで感じられたことをお聞かせください。
CR Wokka:やっぱり、ベータテスト中とは思えないぐらいの規模感に驚きました。普通にもうリリースされて何年も経って、結構盛り上がってオフラインイベントを行うぐらいの規模感で開催されているので、ただただびっくりしましたね。この規模は相当ですよ。
――今回バンピック制度は定石がないまま行われています。BANする機体がどのように選ばれていると感じられましたか?
あれる:たとえば、日本チームでは「ファルコン」という飛行特化型機体のコントロールが上手いプレイヤーがいる。現在日本チームでは「アヌビス」と「ルナブレイク」というチームが特に強いのですけど、もう会場では「日本トップどころか世界でもトップレベルのファルコン使いがいる」とわかっています。だけど、その逆に中国では「アクイラ」という狙撃メインの機体がかなり強いと言われていて、日本チームはそのメタを取るためにファルコンでひっついていく流れで、それをBANしたりとか。そういった流れが今回の流れなのかなと。
――決まった定石ではなくて、各々のチームにおけるエース機体をバンする流れなのですね。
CR Wokka:そうですね。中国チームはやっぱりアクイラが強いので、お互い中国チームでアクイラBANがされてたりみたいな。
あれる:あとはやっぱこの練習スペースが交流も兼ねているため、後ろから他チームのプレイを観られるじゃないですか。ちょっと遠征して、「この人たちはこのキャラクター使ってるね」と情報取って、この人はこの機体が美味いから、これを消そうみたいな感じで手探りで行ったりもするんですよ。
――2日目現在、実況・解説において目立った機体などはありましたか。
CR Wokka:2日目ではアクイラですね。中国チームのアクイラがすごいと感じました。
僕たちは1日目の後半に実況を開始し、後半に出番があった中国チームを多くみたのですが、中国チームのアクイラが強いという換装になりました。アクイラの使い方が上手い選手がいて、とんでもない展開を生み出した試合が何個かありましたね。
あれる:この大会でかなり強いと目されている、中国の「EVA」というチームの赤霄もやばいと話題になりました。赤霄かアクイラ、どっちかが強いみたいな感じです。前半の日本だとファルコンがだいぶ目立ってるみたいな感じでは聞いてました。
――各国、各チームで強い機体にバラつきあるということですね
あれる:そうですね!
――リリースを待つ国内ユーザーに向けて『Mecha BREAK』について感じた“他にない要素”をお教えください。
あれる:『Mecha BREAK』は、オートエイムなので、エイムの優劣はつかない分、初心者でも入りやすいかなと感じます。極める要素としては、「チームの連携力」や「機体コントロール」。コントロールに関しては個人で鍛えられますので、エイムがないからこそ他のFPSタイトルなどにない別のベクトルのテクニックを極める楽しさがあるでしょうね。
CR Wokka:自分も同じことを思っています。そして、それに加えて“圧倒的スピード感”ですよね。オートエイムだからこそ実現できる、あのスピード感は他にないですよ。そこが魅力的かなと思います。
◆強すぎるぞ、日本の「アヌビス」!立ちふさがる中国の猛者「CB」「EVA」との熱戦の模様をお届け
そして来る最終日。前日までの和気藹々とした雰囲気からは打って変わってひりついた雰囲気が流れます。今までの戦いが『Mecha BREAK』リリースに向けた“トップ層の交流”であるならば、最終日は「正式リリース時の王者」を決める戦いになるわけです。
前日に行われた、日本において強いと目されていた「ルナブレイク」「アヌビス」の戦いは「アヌビス」に軍配が上がり、勝者戦の決勝に進出。一方中国チームで強さを見せた「CB」「EVA」も前日に激突し、「EVA」が軍配を上げています。勝者戦決勝の勝利チームと、敗者戦決勝を勝ち残ったチームにて総決勝が行われ、本大会の優勝チームが決定されます。勝者戦決勝は「アヌビス」vs「EVA」!
実はこの段階で「アヌビス」「EVA」の強さは参加チーム全員が知る所となっていました。両チーム、なんと負けるどころか1ラウンドの敗北も無いのです。 勝者戦決勝で不敗チーム同士がぶつかることになりました。ちなみに「アヌビス」はOBT以前に行われたCBTにおいても無敗ということで、驚かされます。
1ラウンド目はクラオブ陥没坑での戦い。「アヌビス」はパンサーをBAN機体に指名、「EVA」はBANにファルコンを選択しました。「アヌビス」のKishinma選手のファルコンが脅威と感じたようで、二度同じ機体はBANできないものの初戦でエース機体とも呼べるファルコンを抑えてきました。

しかし衝撃的な展開が待ち構えます。クラオブ陥没坑はA、B、Cの拠点を獲得、防衛しポイントを蓄積していくモード。2拠点を確保し守ることで勝利に近づくのが定石ですが、なんと「アヌビス」が試合途中で3拠点すべてを確保するというまさかの強さを見せました!。「EVA」も意地を見せ1拠点をとり返したものの、差は開いたまま……「アヌビス」の勝利へ。
続いてはブラウン岬天文台での勝負。ここでは降ってくる地層破壊マシーンを破壊することでポイントを獲得していくことになります。なんとここでも「アヌビス」は「EVA」を圧倒。7-1のポイントで勝利を収めてしまいます。続いてはパームベイ港です。こちらは輸送車を護衛し、先にゴールまでたどり着かせたチームが勝つルール。ABC各地点を奪取することで輸送車が早く進みます。C地点で両チームの進捗が並んだものの、「アヌビス」がCを獲得。その流れでまたもや勝利を飾りました!

この流れには会場や実況席も驚愕。勝者戦決勝であり、「EVA」も無敗のチームです。しかし彼らを相手に1ラウンドも譲らず圧倒の勝利です! これで「アヌビス」が“無敗”の座を守りました。


裏で行われていた敗者戦では、「CB」が「ルナブレイク」を破り敗者決勝戦に進出。「CB」と「EVA」が再び戦うことになりました。ここで勝ったのは「CB」。前日に敗れた「EVA」を倒し、「アヌビス」とぶつかることになりました。そして行われた「アヌビス」vs「CB」。「EVA」を下した「アヌビス」を切り崩すかに注目が集まります。

しかし「アヌビス」は強かった。 初戦のパームベイ港では輸送車を一度も止まらせることなく進行させ、圧勝を飾ります。本当に総決勝なのかと思うほどにスムーズでしたが、なんと両チームともキル数は抑えめ。どちらも多く落されることなく、ギリギリの勝負となりました。

2ラウンド目はミスラ・アイでの勝負です。こちらは発射コードを集めてロケット発射エリアに運び、ポイントを蓄積するという戦いです。ミスラ・アイは「CB」が多く戦ってきたマップです。なんとここでは試合開始から3分もの間、両チーム発射コードを獲得できないという状況に展開します。

初めに解放されたポイントAを両陣営で撮り合い、時間経過で解放されたポイントB、Cはなんと二か所で1vs1が行われるという、まさかの両チームの作戦が嚙み合った熱い展開になりました。飛行を主体とするファルコンとスカイレイダーの真っ向勝負など、見どころたっぷりです。

そしてポイントAを「アヌビス」が奪取。拮抗が乱れた隙にさらに発射コードを確保し、大幅なリードを獲得します。そしてずっとKishinma選手のファルコンが単騎で張りつき、1vs1、時には2体と対峙するような状況が続いていたポイントCに決着。なんとこの戦場をファルコンが制圧し、最後の発射コードを運ぶというまさかの展開を見せました。それにしてもKishinma選手のファルコン操作テクは異次元で、会場を湧かせてくれます。

そして分水嶺となる第3ラウンド……「アヌビス」が勝てば優勝。「CB」が勝てば望みをつなげ、さらには「アヌビス」の不敗を崩す事ができます。

日本の「アヌビス」が勝つか、中国の「CB」が勝つか。そして不敗を許すかどうか。両チームとも『Mecha BREAK』リリース後に名前が残るでしょうが、“サービス開始時点での王者はどちらか”……それが決まりかねないラウンドです!
第3ラウンドはクラオブ陥没坑。「CB」はファルコンをBANに選ぶという、実況席曰く“名誉BAN”を行い勝負に挑みます。しかしここで「アヌビス」が更なる強さを発揮するという驚きの展開!開幕早々4機撃墜し、圧倒的な数的優位を確保。そしてまたもや「EVA」戦で魅せた“3拠点同時占拠”という離れ業を披露します。

これはOBTを遊んでいたプレイヤーならわかる、絶望的な展開で、だからこそ滅多に発生しない状況でもあります。Kishinma選手が目立ちますが、これは全員がエースでなければできない作戦でしょう。それが総決勝でも披露されました。

しかし「CB」もさるもの。ポイントCの奪取に成功します。ただ、「アヌビス」は強かった……! もはや会場でも「アヌビスは他を寄せ付けぬほど、群を抜いて強いのではないか」と言われていましたが、まさにその通りで「CB」が確保したポイントCすらも奪い返し、3拠点占拠再び。圧倒的な強さで「アヌビス」が勝者となりました。
かくして、(「アヌビス」が異次元の強さだったのが強いのですが)『Mecha BREAK』「グローバル先駆者開拓戦」の優勝は日本チーム、「アヌビス」。
『Mecha BREAK』は3月17日にOBTが終了し正式サービスを待つ段階ですが、リリース後には“不敗の王者”としてチーム「アヌビス」が立ちはだかるでしょう。当然、中国やアメリカの猛者たちも黙っているとは思えませんが、日本プレイヤーにとっては後に続け、という感情になったのではないでしょうか。リリース後の展開が楽しみになる、良い交流戦が行われました。

そして大会を通じての最優秀選手はKishinma選手に。「アヌビス」は全員が強かったですが、ファルコンで活躍したKishinma選手が選ばれるのは納得でしょう。
そしてなんと、今回は優勝チーム「アヌビス」にインタビューを実施。「何を食ったらそんなに強くなる」とメディア陣に囁かれていた彼らにお話を伺いました。

――本日は優勝おめでとうございます。まず、アヌビスがどういう集まりで出来たチームかという経緯からお聞かせください。
Kishinma:8月のベータテストの時に、ランクマッチなどで上位にいる対戦相手としてお互いを意識しあっていたという所から始まりました。それで、後半でカスタムマッチをする機会があって、そこで意気投合してチームを結成しました。
――おそらく会場の全員が思っていたことですが、「どうしてそんなに強いのか」を伺っても良いでしょうか。
アヌビス一同:味方が全員、強いので!
SUPADOPA:“勝ち方”はもう全員がわかっていて、「それに対して無意識に動けていること」が強みだと思います。
――実力はもちろん、エンタメ性なども目立ちます。「アヌビス」の皆様は今後配信の予定などはおありでしょうか。
Kishinma:今後は考えています! 今回、全員が顔出ししたので、怖いものはないですね。
REHIZE:自分は一応、YouTubeチャンネルを持っていますので、よろしくお願いします。
――正式リリースに向けて、これから始める人にコメントもらえると嬉しいです。
Kishinma:長く続ければ、自分の機体だけだとしても細かい仕様とかが理解できるようになります。まずはそれを知ってから他の機体に行けば、「この機体がこう動ける」ということは、理解しやすいのじゃないかなと思うので、まずは1つの機体を深掘りしてみることが大事ですね。
――皆さんは全機体を操れるのでしょうか?
Kishinma:そんなことはないですね!
REHIZE:航空機に乗れるやつはやばいと思ってます(笑)。
Kishinma:胸を張って使えると言えるのは3機体ですね。
――今回のイベントで記憶に残った選手・機体などはありましたか?
SUPADOPA:「EVA」のKen選手が使うアクイラですね。スクリムで戦った時に、凄く強かった!
Minima:僕、落とされまくって泣きました(笑)。
――「アヌビス」からみた『Mecha BREAK』の注目ポイントを教えてください。
Reset224:何よりメカがカッコいい。
REHIZE:ちゃんとロボ好きが作っていると感じますね。
Kishinma:「圧倒的なスピード感」もあると思います。ビュンビュン動き回っているのに、お互い弾を当てられている。皆がエースになれる感覚がありますね! 人間の限界が試されてますね(笑)。
――今回王者になられましたが、リリース後もアルビスとして活動される予定でしょうか。
Kishinma:今のメンバー全員が思っていることですが、このメンバーが1番しっくりきてるので解散する理由がないですね!
――ということは、リリース後も“不敗の王者”として立ちはだかると!
Kishinma:そうなるかもしれません(笑)!
――正式リリース後、立ちはだかってくるであろうチームに対して、どういう心持ちなのでしょう。
「アヌビス」一同:ぜひ来てほしいです!
Kishinma:負けも全て糧にして俺たちは勝っていくつもりなので、ぜひ来てほしいです!
――最後に、正式リリースを待っているユーザーに向けて一言お願いします!
Minima:当たったら、全力で戦いましょう!
メカアクションシューティングゲーム『Mecha BREAK』は、PC/Xbox Series X|Sにて2025年リリース予定です。












