Game*Sparkのライターが話題作を語る新企画「良いところ・悪いところ」がスタートしました。この企画は、世間で話題になっているゲームの良いところと悪いところを複数のライターの視点で語るため、単独ライターによるレビューとは異なる多角的な感想が見られます。
今回は、7月2日に基本プレイ無料でリリースされた対戦型メカアクションシューティング『Mecha BREAK』をお届けします。
ライター・kurokamiが感じた良いところ
やはりメカデザインとグラフィックが素晴らしく、「高機動」「重装甲・重火力」などさまざまな“漢の浪漫”を叶える機体が存在しているのが嬉しいポイント。操作性も軽快かつシンプルで、「実際にメカを操縦して戦っている!」というような感覚を味わえます。
また、それぞれの武装や能力も独特で、近距離~遠距離、軽量~重量など機体の幅が広く、自身のプレイスタイルに合わせた戦い方をすることができます。ロボゲーでありながらもチームとしての動きや能力の使うタイミングなど、戦略面が重要視される戦い方も面白いと感じています。

ライター・kurokamiが感じた悪いところ
出撃前に自身のピックしたい機体を選択できるのはいいものの、マッチの途中で機体を変更することができないため、機体同士の相性やチームの構成、ゲームルールによっては苦戦を強いられ続けてしまう、という現状が問題点として挙げられます。
そのため、現在のメタとされている特定の機体がほぼ必須となっており、それ以外をピックしにくくなってしまうなど、構成やゲームプレイの幅を狭めてしまっています。

また、マップ名と作戦目標(ルール)が別々に表示されるため、「このマップってどのルールだっけ……」と思い出すのに一手間かかってしまうのも細かなストレスといえます。
ライター・高村 響が感じた良いところ
『Mecha BREAK』はベータの時からやっていました。正式リリースにあたって改めて感じたのは「メカ愛、理解しすぎているな……!」という感想です。たとえばぱっと見で塗装などは少なそうに見えますが、これはやり込み要素として存在しています。ソロでも出撃できる「マシュマーク」などで塗装をコレクション、ちょうどいい色合いの物を探していくというのは病みつきになります。


もちろんPvPも面白い。エイム力は重要ですが、ロボットなので一番重要なのは立ち回りと機体への理解度なのです。たとえば「アクイラ」は壁や「赤霄」のバリアを貫通して撃つ射撃が可能なので、実は地上でもかなり強かったりとか。筆者はまだまだですが、実はプレイテクもかなり勝敗に関わります。なんせリリース前のベータで行われたグローバル大会では“プロじゃない”日本チームが優勝してますからね! しかも“1ラウンドも負けなし”という強さで……この熱い展開は多くの人に届いてほしいものです。
ライター・高村 響が感じた悪いところ
ソロモードをもっと増やしてほしい……!日本のロボオタは友人6人集められないのです(ド偏見)。これは『Mecha BREAK』だけの問題じゃないとは思いますが、ある程度の強さまではわりと寄せ集めチームでも対抗できますが戦術単位になってくるとなかなか勝てない。機体変更のタイミングなどがあれば嬉しいですね。

これはPvPゲームの宿命みたいな所ですが、ロボゲーだからこそPvPの文化に慣れていないユーザーも多いはず。……とはいってもライブサービス型のゲームなので他の細々した点も含めて、今後のアップデートに期待しつつのんびり遊んでいます。「不満点が無いわけではないが、まぁ待てるよ!」と思えるタイトルであることは、間違いありません。
ライター・小川が感じた良いところ
“問答無用”でオンライン対戦させる導線が◎。このゲームが「PvPロボゲー」であることを主張してくれる。ゲームルールが選べない点もモードを選ばせると過疎化につながるので良い仕様。サクサクと遷移する画面と「カチャカチャ」という音が心地よく、ずっと遊びたくなる。「面白いから遊ぶ」というよりも「ダラダラと過ごすのが心地よい」という気にさせる。

本作自体の評価からは外れるが、『アーマード・コア』ライクなゲームが対戦ゲーム(e-Sports)として、流行り始めているだけでも、本作の功績であり、東京ゲームショウ2024に出展したり、媒体やインフルエンサーを絡めた、リリース前のマーケティングも評価できる。本作を起点に、FPSのように、ロボゲーTPSという「ジャンル」がeスポーツとして確立されることを期待したくなる。同じような操作感のゲームが次から次へと出てくる世界線が待ち遠しい。オンラインeスポーツロボゲーの第一号としては、お手本のような作品。
ライター・小川が感じた悪いところ
ランク戦の機体選択画面で対戦マップとルールの確認ができないのはストレス。今回のマップは開放的なのか、閉鎖的なのか、ルールは移動する系なのか、タンクが必要なのか、分からない。対戦中に機体を変えられないので、出撃前の情報開示には、もっと親切さが欲しい。

「良いところ」で導線の良さを挙げたが、一度、脇道に逸れると、迷子になる不親切UI。オープンベータから不評だった「マシュマーク」モードもやはり存在意義がわからない。何のために何をやっているか分からず「やらされている」感がすごい。デザインやSEの良さで中和されているが、普通に遷移の導線や画面UIは悪いので、今後のeスポーツ意識のロボゲーTPSでは、改善されてほしいところ。
ライター・フリーダム山中が感じた良いところ
『Mecha Break』の魅力は、何と言ってもリアルで迫力あるロボットバトルが楽しめる点です。各ロボットにしっかりと個性があり、ミサイルや銃を撃ちまくる爽快感、近接戦での緊張感、高速で変形しながらの戦闘など、多彩なバトルスタイルが楽しめます。

また、随所に制作陣のこだわりが感じられるのも大きな魅力です。たとえば、基地内を自由に巡回できる機能では、ロボットの格納庫や作戦会議室、自室など、戦闘以外の部分まで非常に丁寧に作り込まれています。中でも、自室のシャワールームに入ると専用ムービーが流れる仕様には、思わず「ここまでやるのか」と感心しました。
ライター・フリーダム山中が感じた悪いところ
一方で、気になる点もいくつかあります。まず、連続でマッチキューを入れられない点。試合が終わるたびにリザルトを挟んでロビーに戻される仕様のため、テンポ良く連戦したいプレイヤーにはややストレスを感じる部分です。

また、マッチング後にマップは表示されるものの、ルールが表示されないことがあります。プレイヤーがマップとルールをある程度把握しておく必要があるとはいえ、できればゲーム側でルールも明示してくれると、選ぶ機体や立ち回りの準備がしやすくなると感じました。
編集者・松田和真が感じた良いところ
オンラインゲーム『鉄鬼』で育ってきた身として、なんといってもまずメカの対人戦ができるだけで嬉しいです。ブーストをふかして飛び回っているだけでも楽しい! ゲーム性に関しても、機体ごとに明確な差別化がされているのがいいと感じました。それぞれの機体にシナジーやカウンターの要素がしっかりあるので、競技ゲームとしての将来性を感じられます。
チームメンバーがそれぞれの役割をきちんと理解していれば、連携したチームプレイができるようになって、さらにゲームが楽しくなりますね。 また、少し話題になった機体の「チャレンジ」ですが、高い難易度がむしろいい!「正解ムーブ」を見つけるために試行錯誤する過程が楽しく、そこを乗り越えてクリアしたときの達成感もひとしおです。
気軽にプレイできるのも本作の大きなポイントだと感じました。いまはまだマッチングも早く、1ゲームの時間もそれほど長くないので、ちょっとした時間にサクッと楽しめます。
編集者・松田和真が感じた悪いところ
「暗号鍵アップロードルール」で発生する砂嵐が一番の不満点かもしれません。せっかく楽しくメカゲームをしている最中に、敵味方の区別がつかなくなったり、ロックオンや一部の武装も使えなくなったりするのは、正直ストレスのほうが大きいです。
あとは、独特な固有名詞と世界観を重視したUIのせいで、最初のうちはどこに何があるのか非常にわかりづらいと感じました。 細かい点ですが、マッチング後の機体選択画面でゲームルールがわからないのは、初心者に対して不親切な仕様だなと。ルールがわからないと最適な機体を選ぶこともできません。
さらに、チームゲームをもっと楽しむためにコミュニケーションの部分が改善されるいいと感じました。味方との連携を深めるために、ピンやラジオチャットをもっとわかりやすくしてほしい!本作は画面が常に「わちゃわちゃ」しているので、味方がピンを出しているかどうかも見落としがちです。(言語の壁などで)VCはハードルが高いとしても、チームゲームである以上、味方同士でやりたいことをもっと共有できるようになると、さらにおもしろくなりそうです。
『Mecha BREAK』はPC(Steam)/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中です。













