新たなる悪魔絵師の挑戦、ここに始まる。基本プレイ無料デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』【げむすぱローグライク/ローグライト部】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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新たなる悪魔絵師の挑戦、ここに始まる。基本プレイ無料デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』【げむすぱローグライク/ローグライト部】

珠玉のローグライク/ローグライトを紹介する特集。第24回は基本プレイ無料デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』をご紹介します。

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新たなる悪魔絵師の挑戦、ここに始まる。基本プレイ無料デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』【げむすぱローグライク/ローグライト部】
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自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今回の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第24回では、コロプラが開発・販売を手がける基本プレイ無料デッキ構築型ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』をご紹介します。


『神魔狩りのツクヨミ』とは

本作『神魔狩りのツクヨミ』は、『真・女神転生』シリーズなどの悪魔デザインで知られ、「悪魔絵師」の異名を持つ金子一馬氏がコロプラに入社後初めて手掛けるゲームとなります。

舞台は現代の日本。ある日聖宝「ソロモンの指輪」が何者かに盗まれ、その力を使って破壊神アラハバキを召喚して日本を滅ぼそうとするテロリスト「登美のりこ」を阻止すべく、「神魔札」を使って悪魔を呼び出すことができる能力者「ツクヨミ」たちに「THE HASHIRA」と呼ばれるタワーマンションに立てこもった「登美のりこ」の討伐命令が下された……というのが本作の背景設定となります。

本作の舞台となるタワーマンション「THE HASHIRA」は低階層・中階層・高階層と分かれており、内部はすっかり悪魔の巣窟となっています。その中でツクヨミのサポーターである金鵄(きんし)の面々やタワーマンションの住人、時には悪魔との会話を繰り返しつつ、登美のりこの待つ上層を目指します。

本作は「デッキ構築型ローグライク」ですが、戦闘システムは他の「デッキ構築型ローグライク」とは一線を画しています。本作においては、手札は常に3枚しか持つことができません。手札にコストがあり、1ターンに使用できるコストの限界が設定されていることこそ他のデッキ構築型ローグライクと共通しますが、プレイ感覚には大きな差があります。

手札の「神魔札」を上にスワイプすることでカードの左上に書かれたコストを消費して悪魔を召喚、各カードの左下に表示された攻撃力で敵悪魔にダメージを与えます。消費した手札は墓地へと送られ、デッキから1枚を使用したスロットに新たにドローします。

また、敵からは手札の3スロットのいずれか(あるいは複数)に攻撃の予兆が表示されます。この敵の攻撃の対象となっているスロットに防御力を持つ「神魔札」を配置しておくことで、相手ターンの敵の攻撃を「神魔札」が防いでくれます(攻撃を受けた神魔札は墓地に送られます)。手札にはそれぞれ防御力があり、敵からの攻撃をそのまま防御力の値だけ減算します(神魔札の防御力が敵の攻撃力以上なら完全防御となり、追加効果なども防ぐことができる。なお、防御力が設定されていない神魔札が攻撃を受けると相手の攻撃力がそのままダメージとなってしまう)。なお、敵からの攻撃の防御にはカードのコストは関係しないので、「カードのコストが重いが、防御力はかなり高い」というカードも本作では充分採用に値します。

ときには、戦闘中に悪魔から会話を持ちかけられることもあります。会話の結果によっては戦闘を回避することもあるので、さまざまな選択肢を試してみるとよいでしょう。

そして、本作最大の要素が「創成神魔札」の作成です。ダンジョン探索で達成したイベントが一定回数に達すると、特定のアイテムか有料通貨を使用してまったく新たな「神魔札」を作ることができるというシステムです。カードのイラストは金子一馬氏のイラストを学習させて生まれた「AIカネコ」によって自動的に作成され、カードの効果や能力もある程度決まった内容からランダムに選出されて、プレイヤーごとに全く異なるカードが生まれるというシステムです。作成された「創成神魔札」はもちろんその周回で使用することができるほか、以降のゲーム周回でも出現するようになります。

メニュー画面からは他のユーザーが作成したカードが2択で表示され、「どちらが見た目の良いカードか」という投票を行う機能もあります。1週間に1回この投票によってさまざまなアイテムと交換できるポイントが手に入るほか、この投票はさらなる「カネコAI」の精度向上に役立てられるようです。



インサイドでは本作について金子一馬氏と開発プロデューサーへインタビューを行った記事も公開しておりますので、こちらも参考にしてください。

AIによる「ちょっと変なカード」も愛おしい!?難易度はちょっと高いが「オリカ生成」を充分に楽しめるデッキ構築型ローグライク

さて、ここまで『神魔狩りのツクヨミ』を紹介してきましたが、デッキ構築型ローグライクとしての本作の難易度は「やや高め」です。本作のデッキの強さはいかに強力な「創成神魔札」を作れているかが大きく、このカード生成の機会も結構限られているためです(とは言え序盤にはレベルアップボーナスや階層踏破ボーナスでカード生成の機会を貰えることが多いので、1日に1回潜る程度なら課金を考えなくてもやっていけるでしょう)。

「デッキ構築型ローグライク」をあまり知らない人がつまづきがちな点なのが、「本作は初期デッキがかなり弱い」ということです。『Slay the Spire』系のデッキ構築型ローグライクをやり込んでいる方ならご存じだと思いますが、この系統のゲームは初期デッキのカードが弱いことが多く、最終的にこれらのカードをいかに抜いていくか……という技術を問われることが少なくありません。本作もそういったデッキ構築型ローグライクの例にもれず、初期デッキはかなり弱いです。

2025年5月18日時点では本作で選べるキャラクターに「十六夜のツクヨミ」と「新月のツクヨミ」がおり、それぞれ異なる初期デッキが用意されていますが、「十六夜のツクヨミ」初期デッキの「青龍」×3、「フィン・マックール」×3、「モルモー」の7枚のうち、「青龍」と「フィン・マックール」の弱いこと弱いこと!このうち「青龍」は他に上位互換のカードが多数あるため、早めに抜いていきたいところです。

本作にはゲームを有利に進めるための有料ガチャ要素「ツクヨミ神授」がありますが、そのSSR景品に「初期デッキ青龍強化」が3枠もあるのはどうかと思うんだ(たとえ青龍を強化しても、未強化で上位互換のカードが多いんですよこのゲーム)。

「新月のツクヨミ」の「麒麟」×2、「加藤段蔵」×3、「マッハ」×2の初期デッキも、「加藤段蔵」が一切の役立たずなので早めに抜きたいところです(「麒麟」は強化すればHP20回復が地味に強力、「マッハ」は強化すると0コストで他のカードをコピーできるようになるため早めに強化したい)。

本作ではマップ上の商店である「残月堂」、またボス戦前に配置されている回復ポイントでカードの強化を行うことができますが、今作ではカードを強化することは「悪魔合体」という形で表現されており、「強化したい悪魔」に「生贄にする不要な悪魔」を合体させることでカードが強化されます。すなわち、「カードの強化」「カードの削除」が1度に行えるのです。これはデッキ構築型ローグライクとしてはかなり珍しい仕様といえます。もっともこのおかげで本作ではカードの強化・削除がかなりやりやすくなっているので、不要な初期カードはガンガン削除しましょう。

その分、自分が引いたオリジナルカードへの強化を考えていきたいところです。例えば、筆者の引いたオリジナルカード「アポロン」は未強化では2コスト攻撃力100と青龍の上位互換に過ぎないのですが、強化すると1コスト攻撃力100、しかもこのカードで敵にとどめを刺すと過剰ダメージがHP回復として還元されるという驚異の性能になります。なぜキンキラキンなのかはよくわからない。

オリジナルカード「カイロス」もお気に入りのひとつです。イラストはメガネでスキンヘッドで何故かタコ触手を背中から生やしつつ、背景の時計塔が思いきり狂っているという「いかにもAI作画」なカードなのですが、特殊能力の「廻天」(HPが25%減ることに攻撃回数が1回増える)があまりにも強力で、強化してあえてHPを減らすことで触手が何度も攻撃する鬼のような性能のカードです。非常時の盾としても優秀。

普通に「金子一馬氏の新作悪魔デザインかな?」と思うような格好いいオリジナルカードも出力されます。これもコスト・攻撃力でやっぱり青龍の上位互換。

……と思いきや、頭の兜から尻尾が生えている、人間の発想ではとても思い至らないであろう変な人が生成されることも。

何はともあれ、イラスト制作界隈では否定的に捉えられることもある「イラストのAI生成」を、ここまで大々的にゲームシステムとして取り込んだのは驚きです。確かにたまに変なイラストが生成されることがあるものの、それでも「いったい次にどんな悪魔が出てくるんだろう?」という予想できないドキドキ感が本作にはあります。

こうした感覚は、基本的にカードセットがすべて固定な今までのデッキ構築型ローグライクでは考えられなかったことです。こういった挑戦には賛否あるとは思いますが、筆者はこの試みを面白く受け入れたいと思っています。

手札3枚でシンプルかつ戦術的にまとめられたバトルシステムと、自分だけのオリジナルカードを作り出すシステムが相まって、本作は無数の戦略が考えられる、他に似たようなゲームがない唯一無二のデッキ構築型ローグライクゲームとなっています。デッキ構築型ローグライクとしての、そして悪魔絵師・金子一馬氏の新たな挑戦を目にしたい方は、本作に触れてみてもよいのではないでしょうか。

また、主人公であるツクヨミに関しても、後日残りの「満月のツクヨミ」「半月のツクヨミ」が実装予定ということで、こちらのアップデートも筆者は楽しみにしています。


『神魔狩りのツクヨミ』は、PC(Steam)/iOS/Androidにて基本プレイ無料で配信中です。



ライター:ずんこ。,編集:Akira Horie》

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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