
2025年7月18日から20日にかけて、京都・みやこめっせで開催している日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit the 13th(以下、BitSummit)」。同イベントでは3年連続の出展となる『サマーロード』は、リビルドゲームスが開発を手掛けるローグライトRPGです。
本作は2024年に行われた「第2回 GYAAR Studio インディーゲームコンテスト」入賞を経て、Phoenixxがパブリッシングを手掛けることが決定。Steam向けに2025年内のリリースを予定しています。
本稿では、BitSummit現地で試遊台を取り扱っているGYAAR Studioブースにて、リビルドゲームスの代表であり本作のプログラミングを手掛ける保坂元八氏と、ゲームデザインとシナリオを手掛ける浅羽晃憲氏へビジネスデーに実施したインタビューの様子をお届けします。

ーーGame*Sparkでは、2023年のBitSummitで『サマーロード』のプレイレポートを行ったことがあるのですが、改めて本作のご紹介をお願いします。
浅羽氏:『サマーロード』は僕たちが昔に遊んだ“2DRPG”をベースにしていて、それをアイテムを集めて強化していくローグライクに落とし込んでいるゲームです。なおかつ、忙しい大人にも楽しんでほしいので、“オートで短く楽しめる”というのを目指して開発しています。
ーーゲーム制作においては、はじめから「オートバトル」「着せ替え」「ローグライト」というシステムに焦点を絞っていたのでしょうか?
浅羽氏:企画の始まりには、実はアートが先にありました。開発チームのグラフィッカーがSNSにアップした『MOTHER2 ギーグの逆襲』のファンアートがきっかけで、それをゲーム化したいと考えたんです。普通にRPGを作ってもしょうがないのかなと思い、オートとローグライトと噛み合わせて短く遊べるように作っていったというのが経緯です。
そこから最初は、今のような内容ではなく、ゾンビものの世界観でインベントリをコントロールしながら冒険を進めていくというものを目指していたんです。
ーーそこから何がきっかけで現在の形になったのでしょうか?
浅羽氏:作り始めていたゾンビものは、雰囲気こそ『MOTHER2』ようなものでしたが世界観が違っていたんです。そんななかで、そもそも同作の世界観自体も、現在のゲームで見られないものなのではと思いまして。その80~90年代アメリカと言いましょうか、バットを振って犬や不良と戦うような方向性で行こうと考え直しました。やっぱり『MOTHER2』っていいよねって。
ーーそこからBitSummitで初めて出展されたのが2023年。当時は2024年のリリースを目指しつつ、翌年のBitSummitにも出展されていました。発売を延期しようと判断するうえで、どういう部分に課題点を感じたのでしょうか。
浅羽氏:まずきっかけとして、一番大きかったのは昨年の「第2回GYAAR Studio インディーゲームコンテスト」に入賞できたことでした。そこから色んなイベントに出展させていただいたり、月一で行われるGYAAR Studio内の試遊会に参加させていただいたり、作ったものを遊んでもらうという機会が増えたんです。その結果、たくさんの課題が見つかりました。もっと早く完成させることもできたのですが、せっかく賞をいただけて、さらにゲームを面白くできる可能性がある以上は作り込もうと判断しました。
保坂氏:ざっくりした言い方になってしまいますけれど、課題点としては“ユーザーに伝える情報の取捨選択”でしたね。ユーザーにどういう行動を選択してもらって、どういう情報を得てもらうのかという部分に整理の余地がありました。
浅羽氏:どうしてもトライ&エラーを経ないといけない部分なので、色んな人にプレイしてもらう必要があって時間がかかりました。
ーーよりプレイヤーが迷いなくゲームを進められるようになっているということですね。以前のバージョンと比べて、UIなどの視認線は明らかな向上を感じます。
浅羽氏:初出展では、僕たちが常にブースの横について案内をする必要があったのですが、いまはゲームに任せて大丈夫になりましたね。
ーーそれは良いことですね。ちなみに、体験版では十分に伝えきれなかったゲームシステムなどはあったりするのでしょうか?
保坂氏:体験版の終盤でPvPの体験ができるようになっているのですが、今回のバージョンだと素手でしか戦えない仕様になっています。本来は他のプレイヤーの装備を再現した敵が現れて、対戦できるというシステムになる予定です。(※取材日であるビジネスデーの後に修正が行われ、一般デーには素手以外のビルドで戦えるように改善されています。)

浅羽氏:ストーリー上のボスはいますが、ネットワークを介してビルドを再現された他プレイヤーこそ本当の強敵なのかもしれません。
ーー今回の出展に併せてPhoenixxがパブリッシャーを務めることも発表されましたよね。同社のサポート体制についてはいかがでしょうか?
保坂氏:このようなイベントで設営をしてくれるなど、開発以外のところで手厚いサポートをいただいています。おかげさまで開発に集中できているのかなと思います。
浅羽氏:これまでちゃんとできていなかった進行管理を担っていただけるのがありがたいです。もうひとつ大事なのは、僕たちがアウトプットするものに対して、非常にポジティブなリアクションをしてくださること。その上で適切なフィードバックをいただけるので、我々のやる気も「この人たちを楽しませたい」というところに起因しているのかなと。
ーーありがとうございました!2025年に発売を控える『サマーロード』を楽しみにしている方々に向けて、メッセージをお願いします。
浅羽氏:『サマーロード』のパブリッシャーがPhoenixxさんに決まったことは、完成に向けて大きな一歩かなと思っています。このゲームをもっと面白くしたいと日々作っていますので、応援をよろしくお願いします。
保坂氏:開発から時間がかかってしまっていますけれど、確実に完成には向かっています。もうしばらくお待ちいただければと思います。
『サマーロード』は、PC(Steam)向けに2025年内にリリース予定。楽しみにしておきましょう!









