
エレクトリック・アーツは現地時間の8月2日、香港にて最新作『Battlefield 6(バトルフィールド 6)』の実機プレイを伴う大規模イベントを開催しました。今回のイベントはアジア地域の動画クリエイターやストリーマー、それにプレス代表が集結。Game*Spark編集部もイベントに参加し、最新作を堪能してきました。
会場では数十台のPCがズラリと並び、まるでeスポーツ大会のような雰囲気。また、会場内ではさまざまなフォトスポットやプレゼン会場も併設され、その規模の大きさを思わせました。
今回はそんな香港取材の様子を、まとめて紹介します!
◆イベント会場は“あの”九龍城付近!

イベント会場として選ばれたのは「九龍城」という行政地区にある百貨店らしき施設。いわゆる「攻殻機動隊」などの作品でも舞台になったあの九龍城となります。
もちろん、いわゆる「九龍城」といわれる建物はすでに取り壊されており、今回訪れたのはあくまで「九龍城」という行政地区にすぎません。それでも巨大な建物がいくつも立ち並ぶ雰囲気は、さまざまな作品に登場する九龍城を思わせる風情があります。
特に、日本でも今年1月に公開された映画「トワイライト・ウォリアーズ」を観ていた筆者には、なんともクリティカルでした。さらに会場近くは海沿いであることもあって、中国に馴染みのない人間には『バトルフィールド 4』のキャンペーンに出てくる都市を思わせる風情もありました。
テンションを落ち着けつつ、会場に入場。百貨店の屋上ではありますが、複数のフロアを繋げているようで、その広さはかなりのもの。入場の際にはパスポートの提示が必要になるなど、チェックも厳重になっています。

入り口横には、崩れた瓦礫を背景に『バトルフィールド 6』の巨大なロゴが鎮座。その脇には弾薬箱などのアイテムも置かれ、すばらしいフォトスポットになっていました。また、日本プレスの座席後ろにはファンを模した巨大な背景が置かれ、イベント会場の雰囲気を盛り上げていました。

会場内のデバイス類はRazerの用品でおおむね統一。極めて個人的な話ですが、Razerの背面パドル付きコントローラーが試せて嬉しかったです。さらに壁沿いには軽食やドリンクなどを配布。夕食時には本格的なケータリングも展開しており、参加者が自由に食べられるようになっていました。


試遊会場の横ではオープニングセレモニーを実施。大画面でゲームのPVが放送されました。すでに公開されていたPVと被っている部分も多かったのですが、改めて映像を見ていると『BF6』では破壊に対して非常に強いこだわりがあるように感じました。
さらに参加した日本のクリエーター陣やプレス陣に向け、9月の東京ゲームショウでブース出展することを発表。参加者の期待を煽ってくれるオープニングイベントでした。
その後、開発者3名による質問会に移行。Senior Technical Artistを務めるMakoto Tanaka氏、Development DirectorのAnna Norrevik氏、Game DesignerのJac Carlsson氏から本作のポイントをさらに深く知ることができました。
◆破壊表現のこだわりはいかに?

――今回注力している破壊表現の中でも、技術力やハードの発達がなければ実現できなかったり、長年夢見てきた物があったりすれば、お伺いしたいです。
Makoto Tanaka氏(以下、Tanaka):ビジュアル面・テクニカル面の観点で言いますと、これまで破壊できるアセットを作るのは、非常に長い時間がかかっていました。前作であれば、1つのビルを破壊するセットを作るのに大体1ヶ月ぐらいの時間が必要でした。
しかし、ツールやアプローチに取り組むことで、なるべく効率的にそのセットアップができるようなパイプラインを作りました。これによって、アーティストやゲームデザイナーは色んなバージョンを試す余裕ができ、より高いクオリティーを保てるようになっています。これは技術的な進化による成果だと思います。
Anna Norrevik氏(以下、Norrevik):破壊表現には初期から力を入れていました。ビジュアル面でもそうですが、戦術的な意味合いもあります。戦う際のプランに選択肢を持たせること。プレーヤーが楽しみながら「これもできる」「あれもできる」という意味合いを持たせるのが非常に重要だと考えています。
――『BF』シリーズではいわゆる「C4突撃」のようなユニークな戦術であったり、多くの仲間と一緒に拠点に入ったり、倒れている仲間を片っ端から蘇生したりといったお祭り感が大きな魅力だったと思います。『BF6』にはそういった面白みがしっかり含まれているのでしょうか?
Tanaka:私自身もC4が大好きです。プレイテストなんかでも良くバラまき、時には同僚から「やめてくれ」と言われるほどです(笑)。でも、それは『BF』の魅力だと思っているので、しっかりと本作でも取り入れています。
Jac Carlsson氏(以下、Carlsson):他の部分でも、皆さんが「これがバトルフィールドだ!」と思う体験はしっかり残すようにしました。ぜひこれから始まる試遊会で、それを感じて欲しいと思います。
――本作では4社合同(DICE、Ripple Effect、Criterion Games、Motive Studio)の開発体制になりました。どのような面でシナジーや開発の向上がありましたか?
Norrevik:今回の開発でいえば、それぞれのスタジオが持つ得意分野や強みを上手く融合できたと思います。例えばMotive Studioでは『DEAD SPACE』の開発時に得た知識や経験をマルチプレイヤーモードの向上に活かせたと思います。
何より4つのスタジオそれぞれで、毎日プレイテストを行っていました。もちろんコミュニティーによるフィードバックも重要ですが、開発陣による繰り返しのトライで、より良いクオリティーになっていたと思います。
◆復活したクラスシステムはどんな物か?

――本作ではクラスシステムが実装されていますが、皆さんが1番気に入っているクラスはどれなのでしょうか?
Carlsson:このクラスシステムは『BF』の大きな楽しみですよね。個人的にチームや戦闘状況を考え、必要なクラスをピックする所に楽しみを感じています。それだけにどのクラスも好きなのですが、あえて選ぶなら援護兵ですね。
Norrevik:私は突撃兵が好きです。やはり戦ってこその『BF』シリーズですから。特に『BF6』では「アドレナリンショット」というのがあり、これを使用すると一定時間爆発から身を守れます。また、広いマップでは偵察兵を選ぶのも好きです。
Tanaka:どれが好みかっていうのは非常に難しいんですけれども、あえて選ぶとしたら工兵ですかね。スナイパーにはロケランで対応できますし、タンクにも攻撃できますし、至近距離でもマシンガンでなんとか戦ったり……。
――前作の128人から昔ながらの64人に規模を縮小しましたが、戦闘の密度に何か変化はありますか?
Carlsson:これは128人での戦闘を試した学びを活かしての変更になりますね。遊ぶモードにもよるんですが、64人くらいの規模でやる戦闘が一番パーフェクトなのではないかと思っています。大きなスケールと個々人のスキル、それにゲームの安定性などを考えた時、それが一番のバランスだと思っています。
――プレイヤーに継続的にゲームを遊んでもらうには、何が必要だと考えていますか?
Norrevik:プレイヤーのエンゲージメントを高めるのはとても重要視しています。1つがシーズンごとのアップデートですね。新しいマップを追加したり、いろんなコンテンツを出したり。これらはコミュニティーの意見も聞きながら展開していきたいと思います。
Carlsson:特にコンテンツはどんどん発表していくつもりです。ゲームのアップデートに加えて、新しいモードだったり、マップだったり、武器だったり、アタッチメントだったり。そしてこれらは課金をしなくても、プレイしていれば入手できるようになっています。
『バトルフィールド 6』はPS5/Xbox Series X|S/Windows(Steam、Epic Games Store、EA app)向けに10月11日に発売予定。オープンベータウィークエンド2は8月14日~17日に実施されます。













