
『Call of Duty』シリーズ最新作、『Call of Duty: Black Ops 7』が2025年11月14日にいよいよ発売となります。『BO6』や『BO2』のその後を描いた2035年の近未来を舞台に、キャンペーンストーリーや複数のゲームモードが展開されます。
また、本作では日本をモチーフにした数々のマップが登場します。「東京ゲームショウ 2025」の開催にあわせて本作の開発陣が来日し、メディア向けのプレゼンやインタビューが開催されましたので、日本マップのこだわりやコンセプトなど気になるトピックをお届けします!
『BO7』の世界をつくる複数のコンセプト―多方面で進化したゲームプレイ
今回、プレゼンとインタビューを行ったのはTreyarchでアソシエイト・クリエイティブディレクターを務めるMiles Leslie氏と、Beenoxでリードデザイナーを務めるMarc-Antoine Saindon氏のおふたり。
インタビューの前には本作のコンセプトやゲームモードの解説、日本をテーマにした数々のマップをはじめとする各マップの紹介などが行われました。


プレゼンの最初には、『Call of Duty: Black Ops 7』の開発のビジョンともいえる、数々のコンセプトが提示されました。
「Black Opsの未来を解き放つ」――これまでの『Black Ops』の勢いをそのままに、新しい時代や新しいゲームプレイ、新しい要素を取り入れています。
「狂気を受け入れろ」――『Black Ops』シリーズでしか表現できないような、狂った世界観やゲームプレイを意識しています。
「2035年のコンバット」――新しい時代にとっての武器やガジェットが登場するほか、ウォールジャンプなど新しい動作も登場します。
「経験値に関する問題」――ゲーム内だけでなく、プレイヤーとしての経験も重視。何をするにしても、プレイヤー自身も報酬や経験を得られるような設計を目指しています。
「ゾンビを解き放つ」――『BO7』では過去最大規模のゾンビマップが登場するほか、ストーリーもかなり“ぶっ飛んだ”内容になっています。
本作の時代設定に“なぜ「2035年」を選んだのか”という部分については、『BO6』からの勢いを継承しつつ、次回作を表現したかったという思いがあったことが語られています。また、物語の大部分は『BO2』から続いており、過去作をプレイしていたユーザーにとっては楽しめる要素が多くある一方、本作を独立したひとつの作品として楽しむこともできます。
戦いの舞台となるマップはローンチ時に18種類がプレイ可能で、そのうちの3つが『BO2』からのリメイクであることが明かされました。日本やアラスカ、地中海や人の脳内などあらゆるマップが登場し、キャンペーンのストーリーにも深く関わってきます。

「TOSHIN」「DEN」「RAID」など、日本各地をイメージしたマップは6種類登場。マップの開発にあたって日本チームとも密接にやりとりを行っただけでなく、開発チームが実際に日本を訪れ、各地の風景や写真をもとにインスピレーションを得たことも語られました。

「TOSHIN」は文字通り、日本の都心をイメージしたマップで、脱線した電車がマップの左右を両断するような構造になっています。繁華街のエリアは路地が多く、猫カフェやカラオケといったランドマークも見られます。本作からのウォールジャンプを駆使した、パルクールのような機動力のある戦いを楽しめるほか、反対側のエリアは比較的開けた構造になっています。
また、「TOSHIN」は今後開催されるベータテストでもプレイ可能です。

「DEN」は日本の城をイメージしたマップであるものの、その内部はギルドによる近未来のテクノロジーが使われています。城の外と玉座の間のニか所がスタート地点となっていて、ゆっくりと場内を制圧していくプレイや、城の外から登っていくといった戦い方もできます。

この2マップだけでなく、東京湾をイメージした研究施設「FORGE」、『BO2』で登場した「RAID」「HIJACKED」「EXPRESS」が日本仕様としてリメイクされるなど、日本要素が満載です。
そのほか、地中海が舞台のスカーミッシュマップやメイソンの生まれ故郷アラスカ、解体中の空母の中や研究施設、メイソンの精神世界など、そのバリエーションや戦闘のシチュエーションは多岐にわたります。


『BO7』開発陣にインタビュー!気になる日本マップのクオリティは自信アリ!?
プレゼンの後は、おふたりに対するインタビューが実施されました。今回の目玉ともいえる“日本マップ”に関する、さまざまなコンセプトなどを熱く語っていただきました。
――日本が舞台のマップが6つもあるのは、何か特別な理由があるのでしょうか。
Miles Leslie氏(以下、Miles):『Black Ops』シリーズに日本が登場するのは初となります。リサーチをするなかで日本に多様なロケーションがあることが分かり、1つ2つ……と作っているうちに、「これだと足りないな」と増えていった経緯があります。
マルチプレイヤーだけでなくキャンペーンにも日本が登場しますし、私たちが思い描く日本を楽しんでいただけるのではと思います。
――「RAID」「HIJACKED」「EXPRESS」といった『BO2』のマップが、日本をテーマにリメイクされているのには理由があるのでしょうか。
Miles:先ほども話したように、日本の魅力や良さを表現しようとするとマップが増えていきました。日本の要素を取り入れることは独特のビジュアルを提供できるだけでなく、クラシックなマップが持つ美学にも非常にマッチしていました。
――日本を舞台にしたマップは日本のファンだけでなく、海外のプレイヤーにも人気があるのでしょうか。
Miles:開発チームは以前から日本に興味を持っていましたが、リサーチをするなかで、『BO7』のストーリーは日本が最もフィットすると感じました。
北米など海外のプレイヤーにとっては“日本に対する幻想”を叶える体験となりますし、日本のプレイヤーに対しては、自国が登場することでアピールになるのではと考えました。

――日本のマップを作成するにあたってリサーチをするなかで印象に残った部分はありますか。また、それをどのように表現しましたか。
Miles:日本ではかなり多くの場所からインスピレーションを得ましたが、実在する場所をそのまま再現することは極力避けています。ただ再現するのではなく、世界観に合わせた“Black Ops化された日本”を表現できていると思います。
開発チームも1~2週間のリサーチ中に都度、写真や動画を本国のチームに送っていて、それを見る度に「あれもこれも使いたい!」とアイデアが生まれ、マップ数の増加につながりました。
――マップにはカラオケや猫カフェなどが登場しますが、実際にその場所を訪れた経験はマップ制作に活かされていますか。
Miles:おそらく、そういった部分もあります。送られてきた写真のなかには外だけでなく、内装の写真もありました。外見と中身のイメージや雰囲気の違いを表現するためにも必要だったと思います。
「TOSHIN」ではカラオケや猫カフェはランドマークとしての役割もありますし、「カラオケの中で銃撃戦をしたら面白いんじゃないか」という話も開発チームの中で上がっていました。

――本作はシリーズ作品では久しぶりの4人のCo-opキャンペーンが登場すると思いますが、復活させた意図や経緯はありますか。
Miles:『BO7』では“つながり”を重視して開発しています。キャンペーンでは4人のキャラクターが登場し、ゲーム内経験をプレイヤーにしっかりと体感してもらうため、4人でのCo-opというデザインになりました。
――日本の城が舞台のマップ「DEN」ですが、あえて中身をクラシックに作らずに、近未来の技術を導入したデザインにした理由はありますか。
Marc-Antoine Saindon氏(以下、Marc):キャンペーンのストーリーに関わる部分ではありますが、ギルドという組織が日本にもともとあった城を拠点にしているという設定です。

――『BO6』から継承されたオムニムーブメントはプレイヤーの機動性を大きく向上させましたが、このシステムは『BO7』のマップデザインにどのような影響を与えているのでしょうか。
Miles:『BO6』と『BO7』の開発は同時期に進行しており、90年代と2035年と両者の年代設定は異なりますが、それぞれ明確なビジョンがありました。『BO7』ではオムニムーブメントが進化し、ウォールジャンプやマップのあちこちを移動することで、“マップを支配しているような感覚”が体験できます。
Marc:「TOSHIN」ではウォールジャンプを使うタイミングは多くあると思っています。ウォールジャンプを使うことでエリア間の移動の近道になり、先ほどの猫カフェとカラオケもウォールジャンプを使うことで移動できます。
――『BO7』のキャンペーンでは『BO2』や『BO6』などの1990年代とは異なった、2035年の近未来が舞台になっています。このような時代設定を選んだ理由や、メネンデスを復活させるアイデアに至った経緯などはありますか。
Miles:私自身、これまで全ての『BO』シリーズの開発に携わってきました。そのうえで、『BO2』は特に思い入れが強いタイトルになっています。『BO2』のストーリーの最後は語りきれていない部分が多く、常に続きを描くタイミングを探していましたが、『BO7』はぴったりのタイミングでした。
25年から35年の“10年間”という期間が重要で、この10年があるからこそ、新たなテクノロジーの誕生や、世界がどのような影響を受けたのかを表現できていると思います。メネンデスについても『BO2』では語りきれなかった部分で、「今回やっと語れるな」という気持ちです。

――「TOSHIN」や「DEN」は、特に参考にした日本の地域などはあるのでしょうか。
Miles:ただひとつの場所だけでなく、日本のあらゆる場所からインスピレーションを得ました。あらゆる要素をミックスしたうえで、『Black Ops』のストーリーや雰囲気に合うようなものを選んでいます。
写真や情報をマップを作るうえでの“調味料”として見立てたとき、いろいろな調味料を混ぜて作るのが一番良い結果になると思ったので、「特にこの場所」というものはない状態です。
――「DEN」のマップ名の由来はどういったものですか。また、城を登っていくマップとのことですが、内部の構造はどうなっているのでしょうか。徐々に狭くなっていくのでしょうか。
Miles:「DEN」というマップの名称は結構悩みました。「DEN」は「巣窟」を意味した単語で、ギルドが拠点とするこの場所にピッタリだと思いました。“snake den”など、“悪の巣窟”を意味するニュアンスで使われることがあります。
Marc:城は外から一番上まで登ることはできず、城の中からでも同様です。マップは実際のゲームプレイをベースに考えられており、視界などコントロールしなければいけない部分の問題があります。しかし、ウォールジャンプによって高いところまで行くことは可能です。
――「DEN」や「TOSHIN」のマップの広さはどれくらいの規模なのでしょうか。『BO6』では比較的狭いマップが多かったように感じます。
Marc:「DEN」と「TOSHIN」は中規模サイズのマップになっています。
Miles:マップデザインに関する話では、ウォールジャンプやオムニムーブメントといったゲームプレイでも自然に成り立つようなサイズのマップをメインに作りたいと考えています。大部分は中規模なサイズですが、なかには小さいマップや大型のマップも用意されています。

――開発チームにとって、日本のコミュニティはどういった印象がありますか。また、日本のユーザーに見てほしいポイントはありますか。
Miles:日本にもたくさんのファンがいるということを知っていますし、日本に行くのであればリスペクトを持って忠実に、楽しく表現することが重要だと考えました。実際、ディテールにもこだわっているので、日本のプレイヤーから見てもおかしさを感じないようなつくりになっていると思います。
また、開発チームのなかでも話したのですが、海外のゲームに日本のマップや関連する要素を登場させるとき、絶対に“桜”が登場するのですが、私たちに言わせればそれは“アマチュア”です。建物が映えるように紅葉を入れたりと、日本のチームとしっかりコミュニケーションをとりながら作ったマップなので、楽しんでいただけると思います。
――クリア後にプレイできるエンドゲームについて、純粋なスキルベースなのか、チームでの謎解きがあるのかなど、詳細を教えてください。
Miles:エンドゲームはキャンペーンをクリアした後にプレイできるようになります。キャンペーンでは地中海の都市「アヴァロン」の一部が登場しますが、エンドゲームではこれが全て開放されます。このエリアのなかで4人チームが5つ、トータル20人でプレイ可能です。
エンドゲームはPvPではなくPvEで、ゲーム内のスキルやアイテムを持ち込んだり、キャラクターの育成をしながらミッションを遂行していきます。
ただの一つのマップというわけではなく、キャンペーンのエピローグのような立ち位置で、キャンペーンのストーリーで語られていない部分がこのモードをプレイすることで明らかになります。

――最後に、日本のコミュニティへのメッセージをお願いします。
Miles:「BO7」を日本のファンの皆さんに楽しんでもらいたいです。今回、私たちが力を入れて作った日本マップは自信作なので、しっかり見てほしいと思います。皆さんの意見や感想をぜひ聞かせてください。
Marc:マップはかなり力を入れて、良い仕上がりになっていると思います。「TOSHIN」マップはベータでもプレイできるので、ぜひベータに参加して、隅々まで見て楽しんでもらいたいなと思っています。
――ありがとうございました!Thank You!
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