
11月に中国・上海で開催されたインディーゲームイベント「WePlay Expo 2025」。今回からは上海を拠点とするキーボードショップzFrontierが主催する「zFrontier eXpo」(ZFX)も併催され、ゲーミングキーボードなどのハードウェアデバイスを出展する企業も多く集いました。
その中にはAmazon等日本のECサイトでも度々見かける“謎の中華製ハードウェアメーカー”の姿も。安くて多機能なのは常々小耳に挟んでいましたが、それでもかつての「令和最新版」的な雰囲気や、謎の電流エフェクトが迸る、商品紹介のイメージ画像を見てしまうと躊躇してしまう自分がいるのは確かです。
しかし、現地のブースで実際に製品を手に取ってみると、これが中々実用に耐え得る製品クオリティであることに気が付きました。……ということで、本稿では現地に出展していたゲーミングデバイスメーカーを幾つかピックアップしつつ、それぞれ簡単に紹介していこうと思います。
現地で実際に触るとその印象が変わる。顧客が「ゲーマー」だからこそ“実用に耐える”品質
■ aesco

最初に紹介するメーカーは「aesco」。深圳のRapoo Technologyが展開するハードウェアブランド「Rapoo」を母体として生まれた、サブブランドという立ち位置です。
Rapooのノウハウを取り入れつつ、若年層に向けたカラフルでモダンなデザインのデバイスが特徴的です。カラフルなデザインとキースイッチの応答速度にこだわりがあるようです。メカニカルキーボードの軸は、255段階もの精度調整が可能とのこと。競技シーンを想定した製品群を打ち出しています。





■ Lomz

“eスポーツの黄金時代”に生まれたとしている「Lomz」は、ハードコアゲーマーとeスポーツ選手たちの使用を想定したゲーミングデバイスを展開します。こちらは新進気鋭のブランドであり、Amazonなどを通じた日本国内向けの製品販売はまだ無さそうです。
プロモーションでは『カウンターストライク』の元プロプレイヤーであるolofmeister氏をブランドアンバサダーに据えており、これからの展開が楽しみなメーカーといえます。



■ IQUNIX

「IQUNIX」は、深圳を拠点にするメカニカルキーボード専門のメーカー。既にグローバルでの市場展開を大々的にスタートさせており、公式Xや公式Facebookなども存在しています。
同社の製品はゲーミングデバイスを紹介するYouTuberのrandomfrankpにも過去取り上げられており、その中で紹介された製品「EZ63」が「Razer Huntsman V3 Pro TKL」を抑えて高く評価されていました。また、カスタムキーボード向けのDIYキットもラインナップしているようで、マニアには知られているメーカーかもしれません。




¥31,491
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
■ Akko

「初音ミク」から「サンリオキャラクターズ」、「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」などの有名な日本IPとパートナーシップを提携し、コラボ製品を展開しているのが「Akko」。
Amazonで日本IPのキャラクターを使用したハードウェア製品を見かけても、そのメーカーがAkkoであれば、公式ライセンスのもとに販売された製品と見て良いかもしれません。コラボ製品以外にも、女性ゲーマーたちから支持されそうな可愛らしいデザインの製品が多く展開されていました。




¥7,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
■ AULA

「AULA」もeスポーツシーンを想定したハードウェアを展開するゲーミングデバイスブランドの一つですが、これまで紹介してきたメーカーとは異なり、日本版公式サイトが存在しています。
公式YouTubeの製品紹介動画の投稿頻度がかなり高く、精力的にプロモーション活動を行っているようです。キーボードからマウス、ヘッドホン、オーディオ機器まで多角的に展開しているのが好印象でした。




いずれの製品も“安っぽさ”は皆無(そもそも令和最新版的な破格の安さでもない)でありながら、自分たちの想定するターゲット層に焦点を絞り、それでいてあらゆる顧客ニーズを満たそうとする意欲的な姿勢が見られる製品ばかり。
メジャーなゲーミングデバイスブランドでは、まず考えられないような、機能性だったり価格帯で製品を販売し続けており、着実にユーザー層の拡大を図っている手応えを感じます。筆者もかつては深圳で生まれたメーカー、「e元素」のゲーミングキーボードを使用していたことがあり、そのコストパフォーマンスの高さには驚かれされていました。
Amazon等で見かける、どこか同じような説明がされているゲーミングデバイスも、十把一絡げに安かろう、悪かろうから徐々に変化してきています。きっちりブランディングをしながらグローバル展開を目論むメーカーも多かったので、これから日本の市場でも目にする機会が増えてくるかもしれません。気になった方は試してみても……悪くはないかも!?






















