DCコミックが生んだヒーロー「バットマン」。誕生から半世紀以上が経過した今でも映画やゲームに活躍を続けます。
コウモリのような外観の高性能スーツに身を包み、鍛えた肉体と格闘技、知力、そして数々の秘密兵器を武器にゴッサム・シティの犯罪者を震え上がらせる。それがバットマン。本名はブルース・ウェイン。表の顔は大企業ウェイン・エンタープライズの筆頭株主の大富豪でイケメンのプレイボーイ。華やかな一家に生まれながら、ウェインは幼少の頃、強盗によって両親を射殺された暗い過去を持ち、成長した彼は悪を決して許さずバットマンとしてゴッサム・シティを浄化する決意を固めます。ウェイン・エンタープライズから「在庫処分費」と称してお金を横領、それによって開発された数々の秘密兵器はバットマンの魅力の一つです。
闇夜に現れ、悪は許さない(『バットマン：アーカム・シティ』より)そんなバットマンの魅力を一段と際立たせるのは、個性的な敵役(ヴィラン)です。その代表がジョーカー。ジョーカーはピエロのような不気味なメイクが特徴の謎の人物。残虐で犯罪行為を楽しむようにゴッサム・シティを恐怖に落とし入れ、常にバットマンと衝突することになります。他にも、キャットウーマン、ハーレークィン、ペンギン、リドラー、ミスター・フリーズ、ベイン、スケアクロウなど数多くの怪人が登場。彼らの多くはアーカム・アサイラムと呼ばれる精神病院(そして監獄を兼ねる)に収容され、時に街中へと脱獄しバットマンを悩ませる存在となります。
バットマンの宿敵、ジョーカー。恐ろしいピエロの姿を見せる。「バットマン」の映画はティム・バートン、ジョエル・シュマッカー、そしてクリストファー・ノーランという個性的な監督がそれぞれのバットマンを生み出してきました。
現在はクリストファー・ノーラン監督による3部作のシリーズが進行中。2005年公開の「バットマン ビギンズ」、2008年公開の「ダークナイト」、そして来年2012年公開予定の「ダークナイト ライジング」です。現代的でスタイリッシュに描かれた3部作は新たなバットマンファンを呼び込んできました。バットマンの誕生が描かれた「バットマン ビギンズ」は3億72百万ドル、永遠の宿敵ジョーカーとの対決が描かれた「ダークナイト」は10億ドルという記録的な興行収入を記録しています(Box Office Mojoより)。深い物語とCGを駆使した演出で人気を呼んでいます。
「バットマン ビギンズ」ブルーレイ￥2,500（税込）DVD￥1,500（税込）「ダークナイト」ブルーレイ ￥2,500（税込）DVD ￥1,500（税込）
ワーナー・ホーム・ビデオ
次回作である「ダークナイト ライジング」はまだ多くが謎に包まれていますが、現在イギリスで撮影が進んでいるとのこと。予告編では貴重な映像が披露されているので紹介します。
長く愛されているバットマン。ゲームの歴史も長く、初めてゲーム化されたのは、1989年のこと。初代はファミコンで、日本のサンソフトが作ったアクションゲームでした。その後もエレクトロニック・アーツ、ケムコ、アクレイムなど様々なパブリッシャーが手掛けてきました。そして現在では、ワーナー・ブラザーズのゲーム参入により、映画を手掛けるワーナーがゲームも手掛けるようになっています。『レゴ バットマン』という玩具のレゴとの変わり種コラボレーションも実現しています。
ワーナー・ブラザースとRocksteady Studiosが2009年にリリースした『バットマン アーカム・アサイラム』は衝撃作となりました。『バットマン アーカム・アサイラム』の舞台となったのは映画でも登場したアーカム・アサイラム。数多くのヴィランが収容されていたアーカム・アサイラムでしたがバットマンの宿敵とも言えるジョーカーの手ほどきによって街へと解き放たれ、街を占拠。再びバットマンの戦いが始まります。そしてジョーカーの目的は一体何なのか……。
世界観を徹底的にこだわり抜き、バットマンの世界をゲームで再構築。特にまるで実在するかのような表現豊かに描かれたバットマンやジョーカーなどのキャラクターはファンを魅了しました。レビューサイトのMetacritic.comでは100点満点中PS3版が91点、Xbox 360が92点というハイスコアを獲得したほか、「最も評価されたスーパーヒーローゲーム」(Most Critically Acclaimed Superhero Game Ever)のギネス認定を受け、英国アカデミー賞ではゲームデザイン、シナリオ、キャラクター部門を受賞しました。
『バットマン アーカム・アサイラム』の成功により世界トップクラスのデベロッパーとして名乗りを挙げたRocksteady Studios。ゲーム専門チャンネルSpikeによる「Spike Video Game Awards」では「Studio of the Year
(最優秀スタジオ)の栄冠も獲得。2010年にはワーナー・ブラザースによる買収が発表され、その続編の開発に邁進してきました。
そうして、日本でも11月23日にいよいよ発売される最新作が『バットマン：アーカム・シティ』(Batman: Arkam City)です。
本タイトルにもなっている「アーカム・シティ」とはゴッサム・シティの全てのチンピラ、ギャング、凶悪犯罪者を閉じ込めた、街自体が巨大な刑務所となっている地域のこと。アーカム・アサイラムとブラックゲート刑務所の閉鎖に伴い、ゴッサムの新市長クインシー・シャープが建設を命じたこの街は、様々な産業地帯・名所・ランドマークを囲んだものとなっていて、アーカム・アイランドの5倍はある広大な刑務所としての役割を果たします。
プレイヤーはこのアーカム・シティをオープンワールドな世界として体験していくことになります。これまで映画で見てきたようなゴッサム・シティを自由に歩き回ったり、滑空し、ヴィランたちの狂気を沈めていくのです。ストーリーも、5度のエミー賞に輝いたポール・ディニが完全新作として執筆するもので、その素晴らしさは折り紙つき。加えて最新作では、3D立体視にも対応。その没入感は前作以上を保証します。
さらに『バットマン：アーカム・シティ』では封入のオンラインパスを使用することで、バットマンに加えてキャットウーマンをプレイキャラクターとして選択できるようになります。キャットウーマンは猫耳を付けた独特の風貌で、俊敏さと鋭い爪が武器になります。バットマンと同じように街を歩き回るだけでなく、キャットウーマンには独自のストーリーが用意されるということで、こちらも見逃せません。
既に海外では発売され、初週だけで460万本の出荷を達成した本作。前述のレビューサイトMetacritic.comでは前作を上回る96点(PS3版)、95点(Xbox360版)という高得点を叩き出し、2011年の最高評価となっています。ぜひチェックしてみてください。
BATMAN: ARKHAM CITY software (C) 2011 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Rocksteady Studios Ltd. All rights reserved. DC LOGO, BATMAN and all characters, their distinctive likenesses, and related elements are trademarks of DC Comics (C) 2011. All Rights Reserved. WB GAMES LOGO, WB SHIELD: & (C) Warner Bros. Entertainment Inc.
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