GDC 13: インディー系タイトル展示スペース「GDC Play」レポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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GDC 13: インディー系タイトル展示スペース「GDC Play」レポート

2013年度GDCにて、昨年度に引き続き独立系デベロッパーが手がけるタイトルの博覧会「GDC Play」が2日目から4日目にかけて開催されました。初日こそ比較的空いていたものの、最終日にはプレイするどころか近寄るのも困難な作品もちらほら。時間に限りがあった上に出展数

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2013年度GDCにて、昨年度に引き続き独立系デベロッパーが手がけるタイトルの博覧会「GDC Play」が2日目から4日目にかけて開催されました。

ずらり。

初日こそ比較的空いていたものの、最終日にはプレイするどころか近寄るのも困難な作品もちらほら。時間に限りがあった上に出展数が膨大だったためすべてを回ることはできませんでしたが、触ることのできたゲームをご紹介していきます。


『Chasm』

Discord Gamesから『Chasm』。『月下の夜想曲』以降のいわゆる探索型ドラキュラにインスパイアされたタイトルで、触り心地はほぼそのもの。キャラデザインは頭身がやや低いデフォルメタッチです。

当然プレイできたのは最序盤だけですが、通常攻撃・特殊攻撃、ジャンプ、緊急回避とツボはおさえてあります。また、難度はやや辛目で、(慣れているつもりだからか)やや強引なプレイをしたところ楽に死ねました。なお、探索ドラキュラのお約束として、プレイ進行に応じて二段ジャンプなどモーションは増えていくとのこと。Steam Greenlightにも登録済み。対応プラットフォームはWindows/Mac/Linux予定です。


『The Afficted』

Team Afflictedから『The Afficted』。WASD入力にマウスでエイムな典型的サードパーソンシューターで、一言で説明するならば『Gears of War 3』のHordeモード、または『Sanctum』の対戦版。最大の特徴は3チームに分かれていること。会場では判断しかねましたが、三すくみ的なゲーム性があるのでしょう。また、インディータイトルとしては高度なグラフィックスが印象的でした。ちなみに調子に乗ってバニーホップ的な入力をしながらガチャガチャやっていたらゲームがクラッシュしてしまいました。申し訳ありません、ゲーマーの性というやつです。


『MONSTER NIGHT 百鬼之夜』

台湾のeHoorayから『MONSTER NIGHT 百鬼之夜』。和製作品に強烈な影響を受けたであろうタッチのキャラクターたちが印象的です。ゲームとしてはタワーディフェンスタイプ、一番近いのは『Plants vs. Zombies』あたり。合成要素などにも力が入っています。記者がこの手のゲームにそこそこ慣れているため、担当者が説明するより速くプレイしたところ苦笑いされてしまいました。ちなみに、日本の妖怪をモチーフにした敵キャラクターについて話していたところ、自然と四聖獣の話題になりました。まさに共通文化です。


『Mini Motor Racing EVO』

The Binary Millから、『Mni Motor Racing EVO』。ラジコン操作風レースゲームです。ステアリング・アクセル・ブレーキ・ブースト、あとはブースト用アイテム回収とシンプルな内容。Xbox 360コントローラーを使った操作は慣れればそこそこ快適でした。旧作はiOS/Android向けに配信中で、本作はSteam Databaseに登録されています。


『Wizard Ops』

PHYKEN MEDIAより『Wizard Ops Tactics』。ターン制シミュレーションゲームで、ビデオゲーム版チェス・将棋といったところです。面白いのが「端末を交換しながら対戦する」という要素。同画面を共有しながら対戦する戦略系ゲームは数ありますが、これは画面を見せるか隠すかなどの物理的な駆け引きも発生しそうです。


『Rooming Fortress』

Brisk Mobileより、『Roaming Fortress』。タワーディフェンス……なのですが、プレイヤーは前進し続ける巨大なモンスターの背中に乗った城から様々な攻撃を繰り出し防衛します。出展バージョンでもコストの概念が十二分に感じられる調整でしたが、ややテンポが悪いような気も。一番印象的だったのは担当者のコスプレ。なぜか中世騎士風の鎖帷子でした。


『Laika Believes』

Minicore Studiosより『Laika Believes』。横スクロール型アクションゲームです。その名の通りソ連スプートニク2号の"ライカ"に着想を得ており、右スティックで全方位射撃エイム、ジャンプ、バリアといった仕様。世界観やグラフィックスは魅力的なのですが、ゲーム部分はまだまだ未完成な手応えでした。犬にうるさい記者としては、もうちょっとイヌイヌしい犬描写に期待してしまいます。


『Hawken』

Meteor Entertainmentより対戦型FPS『Hawken』。インディー系としてGDC Playに出展している理由がわからないくらいゲームもグラフィクスも完成度の高い作品。あらゆる意味でプレイアブルです。GDC Play会場内にも2ヶ所ブースが設置されていました。あえて抑え気味にしているであろうゲームスピードが搭乗しているメカの重厚感を醸し出します。ゲームに飢え気味だったこともありついつい長時間プレイしてしまい、次のセッションに遅刻するところでした。


『Beyond the Depth: Legends of Three Oceans 』

Biartより『Beyond the Depth: Legends of Three Oceans』。一人称スタイルで海中を自由に探索しながらお宝を見つけたりサメから逃げたりするゲームです。世界各地の実在の海を参考にしたとのことで、地形とくに岩場や砂地のリアルさが印象的でした。ですが、何より素晴らしかったのは「海の透明度の低さ」に関する演出。どこまでも透けて見える綺麗な海を表現した作品はいくつか思い当たりますが、あえて海の視界の悪さ(人工的な汚染ではなく自然のもの)の描写に挑戦しています。さらに、フロートや沈船など、海遊び好きには馴染みのある、または憧れの演出が多数織り込まれており、製作陣の愛を感じました。


『Windforge』

Snowed In Studiosより『Windforge』。大空を舞台とし、飛行船を操りながら空を徘徊する怪物と戦う2Dアクションゲーム。見所は、プレイヤーキャラがワイヤー移動できる点。つまるところ『ヒットラーの復活』や『海腹川背』風です。見た目や触り心地はそこはかとなく『Terraria』を想起させますが、落下したら世界の外にある謎のトランポリンで跳ね返る仕だったりとまだ完成は遠い印象。実際担当者はまだ開発中であることを強調していました。


『Zubie Blind Rage』

Glitchnapより『Zumbie Blind Rage』。怪しい宗教ではありません。2人以上で、片方は目隠し、残りは被験者へ指示を出しながら防衛するパーティーゲームです。スマートフォンのジャイロセンサーなどを利用して遊ぶ電子的スイカ割りといったところ。公式サイトからブラウザ上で遊ぶこともできます。ともかく視覚的にGDC Play中1,2を争う相当目立ちっぷりでした。ゲームのプレイについてはトレーラーが参考になります。


『Dungeon Dashers』

Jixorより『Dungeon Dashers』。マス移動とスキル使用、そしてキャラチェンジを駆使して進む戦略シミュレーション系タイトルです。レトロ調のグラフィックとサウンド以上に好印象だったのがテンポの良さ。えてして演出過多になりがちなジャンルであるにもかかわらず、入力に忠実に動いてくれる感触がありました。とくにウィザード的なキャラで連続ワープしたときの疾走感はクラシカルな快感があります。ゲーム面もいくらでも奥深くなりそうで楽しみです。Steam Greenlight上には複数のトレーラーが掲載されています。


『Fist Puncher』

Team2Bitより『Fist Puncher』。『ダウンタウン熱血物語』または『Scott Pilgrim vs. the World: The Game』風ベルトスクロールアクションです。最大の特徴はすでに4人プレイ可能であったことと、プレイアブルキャラが15人と異常に多いこと。公式サイトを見るに各種成長要素などがフィーチャーされているようですが、まだゲームが単調だったりキャラクターごとの個性がそれほどなかったりと練り込み途上といった感じでした。Steam Greenlightには登録済み。


『Space Hulk』

Full Controlより『Space Hulk』。同名のボードゲームのゲーム化作品で、ジャンルはターン制ストラテジー。一瞬しか触れなかったのでゲーム部分はなんともいえませんが、映像表現はかなりのもので、とくにパーティクルの部分に力を入れていると強調していました。開発環境はUnityだそうです。


『CRYAMORE』

NostalgiCOより『CRYAMORE』。聖剣伝説2やゼルダの伝説にインスパイアされた作品であることは既報のとおりKickstarterには楽勝で成功しており、PS3/Wii U/Xbox 360へも移植予定。日本風で躍動感のあるキャラクターやアニメーション、アートワークはプレアルファ版をベースに磨き上げられています。さらにフルボイス化しているのが特長で、GDC Play全展示作品の中でも異彩を放っていました。

ゲームパートは聖剣伝説2以降と同じく「攻撃ボタン連打を許さない」調整。画面左上、キャラアイコン下の赤いゲージが最大まで溜まらないと攻撃力は最大まで発揮されません。また、同じく聖剣伝説風のリング式で選択するスキルでゲームへ幅を持たせています。2つセットできるスキルに、例えば片方はドリル、もう片方はランタンといった具合。事実上敵をガン無視できてしまう調整だったのがやや気がかりですが、なんらかの意図があった可能性もあります。すでにかなりの水準までブラッシュアップされており、期待できる一作です。


満員御礼。


以上、記者がGDCで遊ぶことができたゲームたちでした。やはり海外のインディーは活気があります。実際にプレイはできなかったものの、見るからに面白そうなものもいくつかありました。さらに言うと完成度もまちまちでしたが、そうした作品群がGDCという大きな場にプレイアブル出展される意味は重大といっていいでしょう。来年以降この場に日本産タイトルが並ぶことを期待したいところです。
《Gokubuto.S》
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