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【特集】PS4版も登場!『グウェント ウィッチャーカードゲーム』日本語版プレビュー&開発インタビュー

アクションRPGタイトル『ウィッチャー3 ワイルドハント』内の「グウェント」が、基本プレイ無料のスタンドアロン版『グウェント ウィッチャーカードゲーム』として、国内でもPC/PS4/Xbox Oneを対象に配信されることが決定しました。配信日は近日公開予定とのことです。

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ここからは、CD Projekt REDのプロダクトディレクターJakub Kowalski氏と、ジャパン・カントリー・マネージャー本間覚氏へのインタビューをお届け。『グウェント』の開発裏話や、ゲームデザインの狙い、そして気になる日本語ローカライズについて詳しい話を訊きました。

■『グウェント』の着想は一体どこから生まれたのか


――『ウィッチャー3 ワイルドハント』のゲーム内ミニゲームとして存在した『グウェント』ですが、どのような経緯でアイデアが生まれたのでしょうか?

Jakub Kowalski氏(以下Kowalski): いちばん最初のアイデアとしては、現実世界における“野球”のような存在を、『ウィッチャー3』のゲーム内に入れたいという想いがありました。たとえば、日本で居酒屋に行ったら誰もが“野球”の話題について喋れますよね。『ウィッチャー3』の住人たちが少しは触ったことがあって、酒場にいけばみんなが集まって対戦する、そんな共通の概念を設けたかったのです。

――『グウェント』のシステムやルールは、どのような着想から生まれたのでしょう。特にカードゲームでラウンド制はユニークです。

Kowalski: 我々が『グウェント』をデザインしていく中で、様々なカードゲームから着想を得ています。例えば、「Condottiere(傭兵隊長)」というカードゲームとボードゲームをミックスしたようなルールのゲームがあるのですが、そのゲームには近接・間接・攻城の3列の概念があります。また、昔から子供たちがよく遊ぶ「War(戦争)」というトランプのゲームがあると思いますが、カードを一枚ずつ出すという概念が『グウェント』に繋がりました。他にも「Netrunner」や「Neuroshima Hex」といったゲームからも、開発チームが面白いと思った近しい要素が取り入れられています。

グウェント』の特徴的な点として、リソースはカードしかありません。プレイヤーの体力もなければ、プレイヤー自身がアクションを起こすこともできません。したがって、ランダム性が最初に引いた手札だけのようになってしまうため、1回は負けられる3ラウンド制の概念を取り入れました。


――確かに、戦略的にパスができるのは、今までのカードゲームにはなかった仕組みで、とても興味深いですね。ところで、『ウィッチャー3』本編では、実際にどれくらいのプレイヤーが『グウェント』を遊んでいたのでしょうか?

Kowalski:具体的な数字は公開できませんが、『ウィッチャー3』のプレイヤーから、スタンドアロン版『グウェント』の要望はたくさん寄せられていました。実際に、『ウィッチャー3』発売後に、ユーザーが有志で作ったウェブ版『グウェント』が60種類くらい存在していました。ゲームデータを流用したグレーなものもあったのですが、開発チームはそれらの制作者にも理解を示して、スタンドアロン版『グウェント』のクローズドベータ時に招待をおくってプレイしてもらったほどです。例えそれが海賊行為のようなものであっても、CD Projekt REDとしてはコミュニティーの一部とみなして一緒にゲームを作り上げていく考えでした。

――現在までの開発を振り返って、困難だった点、挑戦した点、トラブルやハプニングはありましたか?

Kowalski: いちばんの難関は、もともとシングルプレイで、カード集めが主な目的だったゲームを、競技性の高いマルチプレイ対戦のゲームに仕立て上げていく必要があったことです。それを成し遂げるために、ベータテスト中も多数のアップデートを繰り返して進化させてきました。クローズドベータは長期間にわたって実施しており、数多くのフィードバックのおかげもあり、ゲームの仕上がりやこれまでの成果には満足しています。カードごとのバランスはもちろん、各勢力ごとの特徴を維持しながら、どれかが強くなりすぎないよう、バランスの調整を図っています。カードゲームにおいて最も重要である競技性の高さや全般的なバランスは、達成しつつあるのではないかと考えています。

■e-Sportsはユーザーが望んで行うもの、メーカーが強引に推し進めるものではない


――カードの入手しやすさ(レアリティ)がある中で、プレイヤーのカード資産の差は必ず出てくると思います。e-Sportsの大会などで、それらに参加するユーザーに対して、そういった差分の折り合いをどうつけていくのか、何か仕組みやルールは検討されているでしょうか。

Kowalski: まず、e-Sportsの姿勢について。CD Projektの考えとして、e-Sportsは我々が強引に推し進めるようなものではなく、あくまでユーザーが望んで行うものです。すでに海外向けには、ポーランドで実施する「GWENT Challenger」という大会が発表されていますが、実際にユーザーから「やりたい」という声が多くあったので、実施に至りました。ルールに関しては、最終的な会場での決勝戦については、特別なクライアントを使用する予定で、プレイヤーがすべてのカードを所持していなくてもデッキを運営側で用意できます。一方、予選に関しては、ユーザー自身のアカウントを使うことになるため、多少のカード資産による優劣は出てしまうかもしれません。

――現在日本でも、デジタル対戦カードゲームジャンルが盛んで、多数のタイトルが存在していますが、どれくらいのユーザーシェアを狙っているのか、目標などはあるでしょうか。

Kowalski:グウェント』はまだクローズドベータ中ですが、ユーザーの課金率やエンゲージメントなどを見てみると、CCGとしては非常に良い数字が出ています。日本においては、アートワークが『マジック:ザ・ギャザリング』よりで大人向けの雰囲気ですが、日本国内40万本以上のセールスを記録した『ウィッチャー3』のファンだったり、海外製カードゲームのファン、これまでにないシステムのカードゲームを求めていたゲーマーには、魅力的な存在になるはずです。また、プラットフォームがPCとコンソール対象になるのも特徴のひとつです。対戦モードだけでなく、10時間以上も遊べるシングルプレイのストーリーモードも、プレイヤーを引きつける要素になるでしょう。

――コンソールとのマルチプラットフォームということで、アップデートやコンテンツ追加の頻度はどれくらいになるのか気になるところです。

Kowalski: アップデートは、新しいコンテンツの追加と、継続的なアップデートと、大きく2つに分かれます。今は、バランス調整のために頻繁にアップデートしており、常にゲームプレイが新鮮になるよう、無料で新しいカードを追加し続けています。コンテンツに関しては、どれかの勢力ひとつに集中してしまうとバランスに問題が出るため、各勢力均等な形でコンテンツを追加するようにしています。

■日本版『ウィッチャー3』を手がけた本間氏が語る、『グウェント』ローカライズのこだわり


――ありがとうございます。では、ジャパン・カントリー・マネージャーの本間さんにも、ローカライズについていくつかお聞きします。『グウェント』の吹き替えのキャストはどんな方を起用していますか。また、キャスティングの方針などはありましたか。

本間: 『ウィッチャー3』に登場するキャラクターについては、同じキャストの方にお願いをしています。もちろん初代『ウィッチャー』や『ウィッチャー2』、小説、コミックなどに登場したキャラクターが多数出演するため、キャラクター数はすごいことになっていますが、幸いにもカードゲームのためアートワークがはっきりしていますので、まずはアートを最優先してキャスティングをしています。ほかにもシングルプレイではナレーションがつくのですが、個人的にナレーションならこの方!という思いがありまして、その方に依頼をさせていただきました。ウィッチャーの歴史がまた一ページ、的な……。

――『グウェント』をローカライズする上での苦労、こだわりは。

本間: 今回は翻訳をすべて自分で行っていますが、カードゲームの翻訳は独特なので、難しいですね。『グウェント』はこれからパブリックベータということで、ユーザーの皆様のフィードバックも取り入れつつ、よりよいものにしていきたいと思っています。

――日本語のテキストやUIをデザインするにあたって気を配ったことは?

本間: 2バイト文字がゆえにテキストが長くなり、ウィンドウからはみ出るといったことは日本語ローカライズでは日常茶飯事ですが、特にカードゲームでは表示欄にカード能力の解説テキストをきっちり表示させなければなりません。英語ではフォントの縮小表示を用いずに等倍表示を行っているのですが、日本だと絶対に等倍ですと表示しきれないので、縮小表示を実装してもらっています。ただ小さくなりすぎると当然読めなくなるため、可能な限りテキストを削って文章を短くすることを心掛けています。それでも削れない部分が多くあるのですが……。


――『ウィッチャー3』のローカライズの旅を振り返って本間さんが学んだことはありますか?

本間: 『ウィッチャー3』を通じ、ユーザーの皆様が、単に日本語翻訳や日本語音声の質のみを指して「ローカライズ」を評価されるわけではないということを、改めて確認できました。日本語のフォントの選定や表示はもちろんのこと、海外版との同時発売や、日本での追加コンテンツやパッチへの対応速度、日本独自の仕様への対応など、日本という市場でゲームタイトルを発売するうえでのあらゆる要素が織り交ざって評価の基準になっているものと思います。『ウィッチャー3』はおかげ様で高い評価をいただきましたが、同じ日本語翻訳と日本語音声で、半年後のリリースとなっていたら、今とは全く異なる結果となっていたかもしれません。幸いにもCD PROJEKT REDは全世界同時発売を基本的な考え方に据えておりますので、今後もその中で最大限のパフォーマンスを発揮していきたいと思います。

――GOGの日本展開、今後日本のゲームが配信される可能性は?

本間: 私はCD PROJEKT RED所属で、GOG.comは厳密にはグループ内の別組織となるため彼らの代弁を行うことはできないのですが、GOG.comにて日本のパブリッシャー様やデベロッパー様のタイトルが少ないのは確かですので、今後そういった部分で架け橋的な役割を果たせればとは考えています。まずはGOG Galaxyクライアントの部分的な日本語化と、支払い方法としてのJCBクレジットカードへの対応を彼らにリクエストし、実現しました。

――わかりました。Kowalskiさん、本間さん、本日はありがとうございました。

日本語公式ウェブサイト: https://www.playgwent.com/ja/
日本語公式ツイッター: https://twitter.com/Gwent_JP


(C)2017 CD PROJEKT S.A. ALL RIGHTS RESERVED. CD PROJEKT(R), The Witcher(R), GWENT(R) are registered trademarks of CD PROJEKT Capital Group. GWENT game c CD PROJEKT S.A. All rights reserved. Developed by CD PROJEKT S.A. GWENT game is set in the universe created by Andrzej Sapkowski. All other copyrights and trademarks are the property of their respective owners.
《海老江 邦敬》
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