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【特集】パルマー・ラッキーの裏側―『遊戯王』少年が、VR時代を開拓するまで

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【特集】パルマー・ラッキーの裏側―『遊戯王』少年が、VR時代を開拓するまで
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2012年、Kickstarterによるクラウドファンディングで約240万ドルを調達し、現在に続く世界的VRムーブメントを築いたOculus Rift(オキュラス リフト)。既存時術の寄せ集めでありながら革新的なVR体験を提供するそのVRデバイスを生み出したのが、当時、まだ10代だったパルマー・ラッキー氏(Palmer Luckey)でした。

インサイドとGame*Spark編集部は、Facebook傘下となったOculus VR社を今年3月に離れ、新たなブルーオーシャンに漕ぎ出そうとしているラッキー氏に単独インタビューを決行。日本のアニメやゲームに大きな影響を受けてきたと語るラッキー氏の、成功にいたるまでの道のりや影響を受けてきたもの、そして、気になる“これから”について話を訊きました。

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■人生最悪の時期だった10代


――現在は成功者として知られるラッキー氏ですが、辛い時期はあったのでしょうか。

ラッキー氏: 10代の成長期の頃からガレージを工房のように使っていて、ずっとPCの画面に向かっていたり、半田ごてでいろんなものを作っていました。でも、両親に「なぜそんな時間を無駄にするようなことばかりやっているんだ」といつも怒られていて、自分の好きなことを理解してもらえなかった頃が1番辛い時期でした。今考えてみると、あの時に私がやっていたことの方が正解で、親が間違っていたということになりますが、当時は親に言われて、自分はこのまま本当にダメになってしまうのではないかと痛感していました。自分の好きなことばかりやっていたので学校の成績はどんどん落ちていましたし、大学も赤点だらけでした。やがて親に勘当されて家を追い出され、トレーラーハウスに住むことになりました。Oculusを始めたのはそのトレーラーハウス時代だったんです。だから結果オーライみたいな。人生最悪の時と最良の時が背中合わせでしたね。ただ、自分はまだ若いので、そこまで酷い目にはあっていないのかもしれませんが。

――現在は両親には認めてもらえたのでしょうか。

ラッキー氏: 認めてもらえましたね。でも、メディアのインタビューで「息子さんは成功して大金持ちになりましたが満足されてますか?」と聞かれた時に、「満足してますよ。これで家に戻ってこないわけですから。」と答えたんです。本当は戻ってくると思っていたらしいです(笑)。

――『Doom』や『Quake』の生みの親であるジョン・カーマック氏と一緒に仕事をされていましたが、いかがでしたか。

ラッキー氏: 私にとってジョン・カーマックは神です。史上最高のプログラマーの一人だと思っています。彼と一緒に仕事ができたのは、人生で最も良かったことの1つですね。かつて私がOculus Rift DK1をリリースするときも色々なアドバイスをもらって、彼は後にCTOとしてOculus VRに合流したのです。

――2014年にはOculus VR社はFacebookに買収されましたが、マーク・ザッカーバーグ氏については。

ラッキー氏: ノーコメントです(笑)。

■趣味のコスプレは頑張るための活力に


――ラッキーさんは、徳島で開催されたマチ☆アソビで『MGSV』のクワイエットのコスプレをしているのが目撃されて話題になりました。コスプレはいつ頃からされているのでしょう。

ラッキー氏: 15歳くらいから始めました。最初のコスプレは『遊戯王』の海馬瀬人でした。海馬自身もVR技術に携わっているんですよね。

――海馬に憧れがあったということでしょうか。

ラッキー氏: 当時はそうですね。彼はヒーローではないので、憧れるには少し邪悪すぎますけど(笑)。彼は大金持ちで、賢くて、ハッカーで、当時の自分がなりたかったものが全てそろっていました。遊戯王カードも全部そろえていて何千枚も持っていました。そりゃ親も心配しますよね。

――その頃のコスプレは全てご自身で作っていたのでしょうか。

ラッキー氏: そうです。でも、今はガールフレンドが作ってくれています。8年付き合っている彼女は本格的なコスプレイヤーなので。



ラッキー氏: 私のお気に入りのコスプレは『キルラキル』の纏流子のコスプレなのですが、これはゴミ袋で作ったんですよ。赤いラインは赤のダクトテープを貼って再現しました。このコスチュームは1日で完成させましたね。友人も鬼龍院皐月のコスプレで参加しましたが、”彼”も1日で完成させていました。

――コスプレ衣装の制作技術はどのようにして学んだのでしょう。

ラッキー氏: ハードウェアのプロトタイプを作るのと本質的には同じなんです。私はメカニックなので使う道具もよく似ていますし。ただ縫いはできないので彼女にやってもらっています。

――コスプレの経験が仕事にフィードバックされているのでしょうか。

ラッキー氏: ないですね(笑)。ほとんど時間の無駄かもしれません。ただ、自分が楽しいことをやってリフレッシュして、それでいろいろ頑張れるのは大事なことだと思います。

――ラッキーさんのコスプレを見ていると、自分だけでなく見ている人を楽しませようとしているようにも見えます。

ラッキー氏: 例えば纏流子のコスプレですが、自分は恥ずかしくても周りが楽しんでくれるのは面白いですね。これからも似たようなアプローチのコスプレをしていこうと考えています。アメリカのアニメコンベンションで次に披露しようと考えているのは、『君の名は。』の三葉です(笑)。彼女と一緒に男女逆転コスプレですね。あとは『干物妹!うまるちゃん』のうまるでしょうか。前職のときは、うまるちゃんのように仕事にときはちゃんとして、家に帰るとようやく素を出せるという感じだったので、うまるちゃんには思い入れがあります。今はずっと干物でよくなりましたけどね(笑)。

■日本と欧米、VRへのアプローチの違い


――アニメをはじめとした日本のコンテンツについてどう思われていますか。

ラッキー氏: 子供の頃から日本のコンテンツにずっと触れてきました。今のVRのコミュニティを見ていると、西洋のコミュニティだとより美しいグラフィックを追求しているのですが、日本のVRのコミュニティのみなさんは、キャラクターの表現を掘り下げるなど西洋とは違ったアプローチをしているなと感じています。

――日本のコンテンツからVRの開発で影響を受けたものはありますか。

ラッキー氏: 『攻殻機動隊』や『.hack』、『ソードアート・オンライン』などは特に影響を受けています。私のVRのビジョンはSF作品のクリエイターが考えてきたものにインスパイアされているものが多いですね。

――『SAO』はライトノベル原作ですが、Oculusを開発する前から存在は知っていたのでしょうか。

ラッキー氏: 知りませんでした。Kickstarterをロンチしたら、「SAOってアニメを知ってるか?」というメッセージが大量に届いて、それで知ったんです(笑)。

■Nintendo Switchは理想のゲーム機

――ラッキーさんが1番最初にプレイしたゲームやお気に入りのゲームを教えてください。

ラッキー氏: 最初にプレイしたゲームは子供すぎておぼえていませんね。おそらくスーパーファミコンかゲームボーイのソフトだったと思います。思い入れのあるゲームはスーパーファミコンの『クロノ・トリガー』とゲームボーイカラーの『ポケモン クリスタルバージョン』です。

――Nintendo Switchについてはどう思われますか。

ラッキー氏: Nintendo Switchは大好きですね! 据え置き機を携帯機に無理やり改造するというBBSを運営するほど、こういうコンセプトの製品が好きなんです。Nintendo Switchは大きすぎるという意見もありますが、自分にとっては最適な大きさですし、携帯機なのに性能もバリバリあるのはまさしく自分が求めていたものなんですよ。

――ラッキーさんが月にゲームに費やすお金はどれくらいですか。

ラッキー氏: ガチャ課金があるかによるので、その月によります(笑)。いろいろプレイしていますが、今プレイしているのはスマートフォンの『ソードアート・オンライン:メモリー・デフラグ』で、これまで18万円くらいつぎ込んでいます。重課金ゲーマーなのでランキングも高いですよ(笑)。あと、昔は1本のゲームを買ったらとことん遊びつくしていましたが、今は買っては積んでいる状態です。コンソール向けのパッケージはたくさん持っています。ゲームコレクターとしてギネス記録を持っている人を買い取ったりもしました(笑)。

■今後は誰も見たことがないものに挑戦


――少し変化球の質問です。もしパルマーさんがSF作品にでてくるような倫理観を無視したマッドサイエンティストであるとしたら、VR技術を活かしてどんな悪事を働きますか?

ラッキー氏: 悪の天才学者になるのなら、脳へのインプラントをやりますね。人の記憶を操作したり、隠し持ってる秘密を暴いたりとか(笑)。実は、つい数日前にニューラルリンクに対する危険性は緩和した方がいいのではないかとツイートをしたばかりです。

――新しい会社の準備をしていると聞きましたが。

ラッキー氏: 新しい会社では、これまで誰も見たことがないものに取り組む予定です。今は詳しく言えませんが、”ゲーム内のものが現実で重みを持つ”ということに関連したものです。

――わかりました。今後に期待しています。本日はありがとうございました。

《Daisuke Sato》

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