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AIでゲームキャラが更にリアルに?そしてインディーも使いこなせる!?SIE WWS・吉田氏×モリカトロン・森川氏のゲームAIトーク【BitSummit Vol.6】

5月12日から13日にかけて京都・みやこめっせにて開催されたインディーズゲームの祭典「BitSummit Vol.6」。BitSummitでは毎年ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイドスタジオ プレジデントの吉田修平氏をステージイベントに呼んでいます。

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AIでゲームキャラが更にリアルに?そしてインディーも使いこなせる!?SIE WWS・吉田氏×モリカトロン・森川氏のゲームAIトーク【BitSummit Vol.6】
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5月12日から13日にかけて京都・みやこめっせにて開催されたインディーズゲームの祭典「BitSummit Vol.6」。BitSummitでは毎年ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイドスタジオ プレジデントの吉田修平氏をステージイベントに呼んでいます。吉田氏はインディーズゲームとVRが大好物の50代男性”と自称するだけあって、インディーズゲームにも深い愛情を注いでいることで知られています。

SIE用語にもなった「50代男性」こと吉田氏。Twitterでも注目のインディーズゲームやデベロッパーを紹介していました

今年のゲストはグラフィッククリエイター/AIリサーチャーの森川幸人氏。森川氏はPlayStation向け「ジャンピングフラッシュ!」(1995年)でゲームクリエイターとしてデビュー。PlayStation向けにAIを活用した「がんばれ森川君2号」「ここ掘れ!プッカ」(SIE)や「アストロノーカ」(スクウェア・エニックス)、PlayStation 2で「くまうた」(SIE)といったAIを活用したゲームを開発しています。

日本では名を知られている人が少ない職種である“ゲームAIリサーチャー”としても活躍する森川氏。

最初の話題は2017年8月に設立した日本初のゲームAIの設計・開発を行う会社「モリカトロン」から。森川さんは「この名前はしぶしぶ付けることになった」と語り、これは“パーセプトロン”というAIのモデルがあることを明かしました。森川さん自身は、そのパーセプトロンが好きだったので、それをベースに名前を付けたとのこと。ちなみに本イベントは英語での通訳が行われていたのですが、間違えて“モリカワトロン”と言ってしまって爆笑を呼びました。

吉田氏は役職上ビジネス向けのセミナーに登壇する機会があったそうで、ビジネス向けのAIはディープラーニングなどを使って外部のサーバーにあるAIがそれを処理する、というという形がほとんどです。また、通常のAIでは“正しいか正しくないかを判断させて正しいものを学習する”ことがほとんどですが、一方ゲームのAIは“正しいではなく楽しい・面白いを導き出すAI”の製作が必要となります。また、ゲーム機やパソコンでの限定されたリソースの中でプログラムを作る必要があり、かつ要求が来たらすぐに返事を送らなければいけない、というかなり高いハードルがあります。

現在モリカトロンで開発しているAIの例として、バトルシーンでスクリプトで動いているものをAIを使って周囲の状況を認識しながら生き物らしく動かすものがあります。スクリプトで動かすと、動きが予測できてしまうことや、スクリプトを書いた人の想像力の限界がキャラクターの限界となるのですが、AIを使うことでプランナーが予測しなかった戦略を出してくることで、楽しさを増幅させることができたそうです(また、「スクリプトだけでは開発者も退屈」と森川氏は言ってました)。そのゲームに実装されたAIの動作例として、飛び道具を使う敵が攻撃できない場所を見つけて、そこに留まったまま近づいてくる敵を倒していく、というデバッガーまがいの攻略をしたそうです。

吉田氏は海外のFPSでチーターを見つけるためにAIのBOTを導入した結果10倍ほど摘発効率が上がった例に言及。さらに、『Horizon Zero Dawn』の開発中、スタッフが帰った後にAIのBOTを走らせて処理落ちをする場所やポリゴン抜けする場所などを見つけた、という話題を切り出して「AIはさぼらない、文句を言わない、疲れない、給料上げてとも言わない(笑)、でも自主的には動かない」と述べました。なお、両者は、開発向けのAIの進化は続いていく、という意見で一致しており、モリカトロンでもそういったAIの需要が多いとのことでした。

吉田氏はさらに「デジタルキャラクターに命を吹き込むAIに興味を持っている」と切り出します。「人間くさい対戦相手のAIは実現するのか?」という質問に対し、森川氏は「ゲームはグラフィックのリアルさを求めてきていていて、2Dが3Dになってそれ(モデル)がきれいになってモーションキャプチャーで(動きも)リアルになって……、でもキャラクターの心の部分は置き去りにされてたんですね。そこで心の部分もリアルにならなければいけないときにAIが役立ちそうなんですね」と語りました。アメリカではFPSのブラインドテストを行い、その中にAIのプレイヤーを入れたとき、4割のプレイヤーがAIであることを見抜けなかった、という事例が吉田氏から説明されました。

吉田氏が「BitSummitだとインディーズの開発者も多いのですが、彼らが気軽にAIエンジンを使える時代は来るんですか?」と尋ねると、森川氏は「昔はフルスクラッチで1から作らなければいけなかったけど、今はPythonなどを使えばAIのAPIが落ちてますので1から作る必要はないのでだいぶ楽になりました。うち(モリカトロン)を頼らなくても大丈夫、と言っていいのかは微妙ですけど(笑)。それにうちとしては今後UnityやUnreal Engineみたいな形でAIのツールを提供していきたい」と答えました。吉田氏は食い気味で「いいですね!」と即答。森川氏は加えて、「僕らが気がつかなかったようなAIの作り方を是非見てみたいんですね。そういうことが言えるのがBitSummitという場なので、是非誰でも使えるツールを早く出したいと思っています。」と語っています。

最後に吉田氏は「がんばれ森川君2号やアストロノーカやくまうたのみたいなAIを使ったスゴいとびぬけたタイトルをインディーズなら作れますよね?」と森川氏に訊いたところ、「AIとインディーズは非常に相性がいいと思ってます。AIというと大手しか使えないものと思われがちですけど、AIとインディーズのゲームアイディアとはすごく相性がいいと思ってます」と答えました。

それを受けて吉田氏が「そこにチャレンジして来年のBitSummitで森川さんを捕まえて『おら、やってみろ!』と言ってくれるようなチームを募集してます!」という二人の挑戦状をインディーズデベロッパーに叩きつけた(?)ところでイベントは終了になりました。モリカトロンが開発するAIを使ったゲームの進化も気になりますが、どのような形でモリカトロン製AIが使えるようになるのか、いわゆる“ゲームAIの民主化”がいつスタートするかにも目が離せません!
《岩井省吾》

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