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『アサシン クリード オデッセイ』を遊ぶべき5つの理由―全てが重なり深みを増す“歴史の中を歩むような体験”

満を持して発売となった『アサシンクリードオデッセイ』。前作『オリジンズ』の精巧に作り上げられたオープンワールドや、大きな変化を遂げていた戦闘システムなどとの比較を交えながら、5つの魅力と題して紹介します。

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『アサシン クリード オデッセイ』を遊ぶべき5つの理由―全てが重なり深みを増す“歴史の中を歩むような体験”
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Ubisoftから2018年10月5日に満を持して発売となった『アサシン クリード オデッセイ』。前作『オリジンズ』の精巧に作り上げられたオープンワールドや、大きな変化を遂げていた戦闘システムなどとの比較を交えながら、5つの魅力と題して紹介します。

◆専門家をも唸らせる……作りこまれた世界



はや言わずもがなとなったUbisoftの「歴史考証チーム」の存在感は今作でも遺憾なく発揮。作中の世界に説得力を与えるため、その舞台(今作では古代ギリシャ)に関わる専門家・研究者を雇い、徹底した調査に基づいてゲームを制作するというスタイルは世界中で大きな評価を獲得しました。


その一端は「発売直前生放送」と銘打たれたUBIJAPAN公式の生放送にも表れており、古代ギリシャ研究家の藤村シシンさんが、ゲーム紹介の進行も気にせずにひたすら語り続ける場面を楽しめます。その内容は、プレイ中に隣で解説してもらいたい!と思えるほどです。『オデッセイ』世界の説得力は、研究者も大興奮の折り紙付きと言えるでしょう。


今作の範囲……赤丸がケファロニア島

舞台は紀元前431年のギリシャ。前作『オリジンズ』は紀元前49年を開始とする為、今作は更に古い時代が描かれることに。主人公はケファロニア島に住み、傭兵として日々の生活をしのいでいます。実はスパルタ人である主人公ですが、とある理由によりケファロニア島で天涯孤独の身として幼少から過ごしてきたのです。



ゲーム開始直後には紀元前480年のテルモピュライの戦いが描かれ、レオニダス王を少しだけ操作できます。(映画「300」のあの舞台です!)今作の魅力の一つでもある「大規模戦争」の体験からスタートするという構成です。





ケファロニア島にはメリッサニ洞窟という、地底湖を擁する場所がありますが、ここは穴の底へ導かれる陽の光によって地底湖を蒼く照らす様が美しいと評判の観光地です。そんな場所にも遠慮なく飛び込んでしまえる島の作りこみに、筆者は何枚もスクリーンショットを撮ってしまいました。



物語を進める中で少しずつ主人公が昔を振り返り、生い立ちがハッキリしていきます。主人公はスパルタの戦士であった父から稽古を受け、スパルタとして育つことを期待されていました。厳しくも優しい父の言葉を思い出しつつも、頭を振って苦々しい顔を浮かべる主人公に、プレイヤーは謎を感じることでしょう。

後述する「選択肢」から見てもわかるように、今作『オデッセイ』の主人公は腕っぷしの良さはあっても、様々な未熟さや葛藤が見て取れます。ゲーム開始時点から立場的にも精神的にも成熟していた前作の主人公バエクに代わり、『アサシンクリード』らしい主人公に戻ったと言えるかもしれません。

◆より鮮やかになったグラフィックと感情表現




主人公らしさといえば、精神的な成長というものが物語の魅力を引き立たせることがあります。グラフィックの美しさは前作に劣らず素晴らしいものですが、筆者が魅力だと感じたのは「キャラクターの感情表現」です。画像のようにして、特に顔の表情は多彩で物語の演出に応え、プレイヤーの感情移入をグッと深めてきます。




そして今作も「フォトモード」が見逃せません。上記の画像は、カメラ等の知識がない筆者が撮ったものですが、いかがでしょうか。プレイ中に「あ、きれいな場所だな」と直感したら、その場でフォトモードを起動しましょう。世界の作りこみが為されていることを実感します。



特に光の表現は息をのむような瞬間が次々と現れ、シャッターチャンスを探す時間の方が長いのではと思うほどです。ゲームは細かいクエストが常に続きますので、時々息抜きとして広い世界を撮影してみてはいかがでしょうか。



街の外も植物が多く、非常に色鮮やかとなりました。前作はエジプトであった関係で、どうしても砂漠の描写が目立ち、荒涼とした面もありました。今作は、古代ギリシャがこれほどまで色彩豊かだったのかと驚かされます。

◆前作を踏襲したシステムと大規模戦争



『アサシンクリード』シリーズとして、前作『オリジンズ』は大きな転換点だったとも言えます。レベル制の導入、それに伴うダメージ表記、ハクスラ的アイテム管理、アクション色の強化、敵性地帯の明確化といった要素は、今作『オデッセイ』でもほとんど同じと言えるものとなっています。


スキルはレベルアップによって取得できるポイントを消費して開放するシステムで「ハンター」「ウォリアー」「アサシン」の3種にツリーが分かれています。

弓などの遠距離を主体にするならばハンター、チャンバラでバシバシ戦いたければウォリアー、何といってもステルスならばアサシン、といったように自分のプレイスタイルに合わせてスキルを選択することになるでしょう。


今作では、タカの眼による索敵や、高所からのダメージ緩和等のイーグルダイブについても段階的なレベルが設定されており、こちらを強化するとこれまでのシリーズよりも強力なものとなっていきます。

『オリジンズ』を機に大幅な変更となったシステムは、ファンにとって少なからず動揺を誘うものでしたが、筆者としては「良い形での割り切り」をうまく選択したと評価しています。遊びやすさを重視した舵取りだと思うからです。


それではシナリオだけが違うのかと言えば、そんなことはありません。今作では「大規模戦争」を体験できるという特徴があります。

紀元前431年はペロポネソス戦争という長い歴史のはじまりとも言える時代です。当時のギリシャでは「ポリス」という、都市国家とも言うべき地域がたくさん存在している状況でした。

そしてポリスの多くは、アテネ(アテナイ)を中心とするデロス同盟か、スパルタを中心とするペロポネソス同盟かのどちらかに所属する形で、大きく二分して争っていたのです。



作中では、各ポリスがどちらの陣営に属しているのかをマップで確認でき、侵略戦争によってその所属を転換する「大規模戦争」が発生します。戦争に勝利することで実際に陣営が変化するという流れにより、歴史の中を歩むような体験となるというわけです。


大規模戦争は大勢のNPCが両陣営に入り乱れて戦う中を駆け抜けるものとなっています。とは言え、大混乱で全く収集が付かないといったことはなく、集中攻撃されないようにうまく立ち回りながら、相手の勢力を削っていきましょう。

戦争中は画面上部に国力ゲージといったものが表示されており、敵兵士を倒すことでこれを削っていきます。このせめぎあいは思ったよりもシビアで、効率よく倒すように工夫しないと厳しいといったバランスになっているようです。

◆「選択する」というテーマ……性別も「選択」


今作『オデッセイ』では、主人公の性別を選択できるようになりました。これはシリーズでも初の事となり、最も大きな変更点と言えます。性別を選ぶということについてはゲームとして新しいものではないものの、『アサシンクリード』シリーズは主人公のパーソナリティにリンクしたストーリーを続けてきた経緯があるため、挑戦的なものを感じます。


古代ギリシャに関する発掘品に付着した物質から、二人分のDNAを採取できた……という展開で、アニムスから男女を選択するという設定です。

筆者は「シリーズの歴史」に対し、確定的なパーソナリティを持てない主人公になってしまうのではないかという危惧を抱いていました。過去の主人公たちが一癖も二癖もある魅力に満ちていたのは、尖ったパーソナリティによるものだと考えていたからです。



しかしながら今作は同時に「主人公の行動」も選択していくという方式が採用されました。「情報収集」に使う選択肢もあれば、重要なNPCの生死に関わる選択を迫られたりと、高い頻度で「選択肢」が登場します。


中には上記画像のように、素早く選ばねばならない場面が現れるといった事も起こるのです。筆者としては「周回プレイをしなければ全てを見られないのでは」という心配があるものの、男女の自由を獲得した代わりに失う恐れのあったパーソナリティを「RPG的に」解決したのだろうと捉えました。

「選択肢」の方法は、これまでのシリーズに比べてプレイヤーを「主人公に近づけた」と感じます。特に前作は強い主人公だっただけに「映画を見ている」という立場にかなり近く、感情移入することはあってもプレイヤーとして悩む場面は少なかったのです。

そういう意味でも今作『オデッセイ』は、よりRPGに近くなったと言えるでしょう。

◆装備・海戦・賞金稼ぎ!やりこみ要素に注目



スキルによるプレイスタイルの選択とは別に、装備品にもその幅があります。今作では装備品に「彫刻」を行うことで、様々な強化を施せるのです。

「彫刻」はクエストや探索でその種類が増えていきます。装備の弱点を補う形にするか、自分のプレイスタイルをより強化するものを選ぶか、こうした悩みによって「ただレベルに応じて装備を更新する」だけではない楽しみができました。。


そして今作も「海戦」があり、装備強化の素材をより多く獲得できるなど、うまみもあります。船そのもののデザインを変更したり、暗殺せずに気絶させた敵兵士を説得して乗組員として雇ったり、一人の船長としてマネージメントを楽しめます。


主人公に掛けられた懸賞金を目指してやってくる特別強力な「賞金稼ぎ」は今作でも健在。しかもその数は前作の比ではなく、曲者揃いです。

討ち取った相手がうなだれてしまった!


「ティア9」から始まり、多数の賞金稼ぎがその姿を現す時を待ち構えています。この賞金稼ぎリストの画面が、一筋縄ではいかない奴らだと匂わせてくるようです。

◆おわりに



以上『アサシン クリード オデッセイ』の魅力を「遊ぶべき理由」として抽出しながら紹介させて頂きました。歴史好きにも、ゲーム好きにも、写真好きにもオススメできるタイトルです。


間違いなく最先端で、多大な熱量を尽くして制作されたことは疑うべくもない、新たな「最古の」アサシンクリードは堂々と正統進化を遂げました。2018年において最も正確に過去を旅できる本作で、人間の営みを求めて共に走り回りましょう!!

『アサシン クリード オデッセイ』は2018年10月5日にPC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch(クラウド)にて発売予定です。

『アサシン クリード オデッセイ』公式サイト
《Trasque》

一般会社員 Trasque

会社員兼業ライターだけどもうすぐ無職になりそう

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