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『トライアルズ ライジング』の「トライアル」ってどんな競技?現役プロ選手にデモンストレーションを見せてもらった

『トライアルズ ライジング』でテーマになっている「トライアル」って、実際はどんな競技なの?プロに直接、聞いてみました。

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『トライアルズ ライジング』の「トライアル」ってどんな競技?現役プロ選手にデモンストレーションを見せてもらった
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派手なコースと絶妙で繊細な物理演算、そしてなによりその中毒性で人気を博してきたバイクACT『トライアルズ』シリーズ。その最新作となる『トライアルズ ライジング』が、ユービーアイソフトより2019年2月28日に発売されます。


ところでみなさん、このゲームのテーマとなっている「トライアル」というバイク競技がどのようなものか、ご存知でしょうか。中々目にする機会もないので、実際の競技については知らない方もいるかもしれません。

ということで今回は、トライアルの現役プロ選手・成田亮氏をお招きし、競技のお話や実際にゲームをプレイした感想などを伺いました。成田氏は、プロ選手としての活躍はもちろん、専門店「TRIALS NARITA」の経営からコースの設営、某特撮作品のバイクスタントまでこなす、トライアル競技の専門家でもあります。

さらに、記事後半では、編集部員(というか姉妹サイト・インサイドの編集長。理由は後述)が実際のトライアルに挑戦。さらにさらに、成田氏のデモンストレーションも見せていただきました。こちらの様子は動画も撮影してきたので、あわせてお楽しみください!めちゃくちゃかっこいいですよ…!

<動画撮影・動画パート執筆:Daisuke Sato>
<インタビュー取材・執筆:Takuya Suenaga>

――それでは、まず最初に、成田さんがどのように「トライアル」という競技へ関わっているか教えてください。

成田亮氏(以下、成田氏):「トライアル」というバイク競技を専門に、様々な活動をしています。具体的には、競技に使われるバイクの販売・メンテナンス業、現役のライダーとしてトライアル大会への参加、トライアル教室の実施、関連イベントのアドバイザーなどですね。多岐に渡るので、ひとまず「トライアルの専門家」として考えてください。


――こういう言い方をするのは非常に申し訳ないのですが、トライアルはオートバイ競技の中でも比較的マイナーな部類に入るかと思います。なぜ、この道に進もうと思ったのでしょうか。

成田氏:父と兄が元々トライアルをやっていて、すごく身近な存在だったんです。子供の頃は、週末に父のバイクに乗せてもらったりしていましたね。とはいえ、競技の道へ進むことを強要されるみたいなことはなかったんです。

そんな中、自分は「バイシクルトライアル」という自転車を使ったトライアル競技をやっていたのですが、高校生になるくらいのタイミングで、やはりみんなバイクの方へ乗り換えるんですよね。なので、私も自然とそのタイミングでバイクへと乗り換えました。熱心に打ち込むようになったのはその頃からですね。

――幼い頃から身近にバイクとトライアルがあったんですね。ちなみに、競技や仕事以外の私生活でもバイクには乗っているんですか?

成田氏:全然乗らないですね(笑)。トライアルバイク以外を所有したこともありません。

――それは、意外です!

成田氏:話を聞いてみると、トライアルコースでしかバイクに乗らない人って結構いるんですよね。中には、ハイクラスなトライアル選手なのに、原付の免許しか持ってない、という方もいます。私自身は大型免許まで持っていますが、取得したのは遅かったです。

――競技に当たって、二輪の免許が必要になるということはないんですか?

成田氏:大会にはいくつかのクラスや種類があるのですが、クローズドな場所(私有地等)で行われる大会に関しては、運転免許を持っていなくても参加できますね。実際、16歳未満のライダーが出場していたりもします。ただ、大会に参加するためには、別途行われる講習に参加し、クラス別の「ライセンス」を取得する必要があります。

――クラス別、というお話が出ましたが、どのような基準で分けられているんですか?他のモータースポーツだと排気量で分かれていたりしますが。

成田氏:世界選手権を例にすると、何年か前から排気量でクラス分けがされていて、「125ccクラス」と、その上の「250ccクラス」、さらにその上に「300ccクラス」が設けられています。それまでは、250ccと300ccが同じ大会に出たりしていましたね。

――そうなんですね、ありがとうございます。先程、「クローズドな場所で」というお話がありましたが、オープンな場で行われる競技もあるんですか?

成田氏:オープンな場で行われるものとしては、「ツーリングトライアル」という競技がありますね。例えば、スタート地点の公園に1つ目のセクション(コース)があり、そこから少し離れた公園に2つ目のセクションがあり…というように、ある程度の範囲内に配置されたいくつかのセクションを順にクリアしていくものです。この競技の場合、1日100kmほど移動することもあり、移動の際には公道でトライアルバイクを利用することになるので、二輪免許が必要になってきます。

元々トライアル競技というとこちらが主流だったようで、私自身どちらもやっているのですが、日本の場合はセクション単体での走りを競う、クローズドな場所での競技がメインですね。「全日本トライアル選手権」という大きな大会も、このクローズドなタイプになります。


――セクションを走る際、評価の基準となるのはどういった部分なのでしょうか?ゲームですと、ミスの回数とタイムが基本になるのですが。

成田氏:トライアルでは、ミス等で減点されていくので、いかにそれを少なくするかが大事になってきます。各セクションごとに、0~5点の範囲で減点されていき、0点で走破するのが理想的な走りになりますね。0点で走り切ることを「クリーン」と呼ぶのですが、これはブーツ等に汚れが全くつかない(=転倒や足つきがない)という意味を持っているようです。

減点は、まず足が地面についてしまうと、1点。2回目は2点、3回目以降は3点というようになっています。転倒したり、バイクがバックしてしまうと5点減点されてしまいます。他にも、今の全日本選手権のルールだと、1分以内にゴールしないといきなり5点減点されてしまいます。世界選手権だと、今は「ノンストップ」で走破しなくてはならず、止まってしまうとその時点で5点減点となります。

――中々厳しいルールですね…。このような大会で走ることになるセクションには、どのような障害物が用意されているのでしょうか。

成田氏:トライアルでは基本的に自然の険しい地形を走ることになります。山や岩場、沢といった場所ですね。本当に自然のものなので、1つのセクションの中に濡れている・乾いている場所が混在していたり、地域ごとに土の種類や岩の種類などに特徴があったりします。

――バイクセッティングも都度変えていたりするんですか?

成田氏:よっぽど標高が高いとかでなければ、基本的には変えることはないですね。

――険しいセクションとかだと、破損等のマシントラブルも起きそうですね…。

成田氏:よくありますね。ブレーキやクラッチのレバー、ブレーキペダルの破損が多いです。セッティングを変えることはありませんが、破損したパーツの交換とかは大会中でも行いますね。


――競技に使われるバイクは、いわゆる普通のバイクとどう違うのでしょうか。

成田氏:トライアルバイクは、トレールバイク(オフロードバイクの一種)との比較になりますが、まず「軽さ」が一番の特徴になってきますね。普通のトレールバイクだと、重量100kgを超えてくるのですが、トライアルバイクの場合は70kg前後が主流です。

また、見た目にわかりやすいのはシートの有無でしょうか。トライアルは基本立ち乗りなので、シートが必要ないんです。昔は付いていたのですが、険しい地形などでバランスを崩しても足を着きやすいように、シートはなくなりました。ハンドル切れ角が大きくなっていて、普通のバイクと比べてかなりハンドルを切れるようになっているのも特徴の一つですね。

性能的な面でいうと、低速での瞬発力・力強さが特徴になります。競技の性質上、トップスピードは必要ないのですが、低速から一気に岩を駆け上ったりするような動きが多いので。エンジンは、現在街乗りなどでは主流の「4ストロークエンジン」よりも、「2ストロークエンジン」を載せたバイクが多いですね。2ストロークエンジンのほうが、軽量で手入れもしやすいんです。4ストロークエンジンは、信頼性や丈夫さを求める方が使っているイメージですね。

――タイヤも全然違いますよね。

成田氏:そうですね。トライアルバイクのタイヤは、ブロックがかなり多く、コンパウンド(ゴムの硬さ)も柔らかめかつ空気圧も低くなっているので、グリップ力が高いんです。サスペンションも柔らかめですが、ストローク(サスペンションが沈む量)は少なめになっています。なぜかというと、トライアルで一番大事なのは、人間のアクション(体重移動等)なので、ストロークが大きすぎると、バイクの動きも大きくなってしまい、思うように人間の動きについてこられなくなってしまうんです。


――かなり競技に特化しているものなんですね。ライダーの装備についてはどうでしょうか。さすがに、ゲームのように裸で乗ったりはしないと思いますが…。

成田氏:動きやすさを重視している面もあるので、意外と軽装だったりします。ようやくプロテクターの義務化の動きがでてきましたね。でも、必ず痛い目に遭う日っていうのが来るんですよ(笑)。それを経験すると、自主的にしっかりとした装備を付け始めますね。私自身も、安全性には気を使うようにしてます。


――普通に転ぶのとはわけが違いますからね…。競技としては自然を相手にすることが多いようですが、『トライアルズ』のように、街中や人工物を走ることはあるんですか?

成田氏:「競技」というくくりで自分を表現できなかった選手が、「もっと自分の走りを見て欲しい!」という想いで始めた「フリースタイルトライアル」というのがあります。「フリースタイルトライアル」では、それこそ『トライアル ライジング』のように、その国や街を象徴する場所で走ることもあり、ゲームのようなバックフリップやジャンプを駆使した「魅せる」走りを重視しています。

2000年ごろから本格的に始まったシーンなのですが、私もそのころから、見て楽しい・本能的に走り回って楽しいトライアルを表現したいと思っていて。そこから話が進んで、デモンストレーションのプロライダーになった経緯があります。


――ゲーム的には「フリースタイルトライアル」の世界観に近そうですね!

成田氏:ゲームの中では、屋内を走ることもあると思いますが、現実にも「インドアトライアル」というのがあったりします。これは、もうハンパじゃないですよ(笑)。

――ちなみに、競技をやっていて恐いと思うことはありますか…?見てるだけでヒヤヒヤしてしまうのですが…。

成田氏:恐いです。逃げ出したくなることも多いですね。難易度が上がるとその分危険度も増していくことが多いので、失敗したらタダじゃ済まないという恐怖は常に感じていますし、怪我は常に覚悟しています。ただ、上達を目指すのであればやらざるを得ないんですよ(笑)。なので、恐怖と上手く付き合っていく必要がありますね。

私の場合は、いきなり大きなことにチャレンジするのではなく、それよりもスケールは小さいけど、似たような動きを練習できる場所でイメージを掴んでいったりします。あとは、小さいチャレンジでの成功を積み重ねて、気持ちを前向きにしてから挑んだりしていますね。こうすれば、成功する確率はもちろん上がりますし、仮に失敗しても、大きな事故を回避できることが多いんです。

――実際に、大きな怪我をされたことはありますか?

成田氏:私は比較的慎重派なので、数は少ないですが、ありますよ。膝の手術に至るような怪我とか。あとは、手首を折ったり、あばらにヒビが入ったりもありますね。

――そんな恐い思いをしながらも、トライアルを続ける理由はどこにあるのでしょうか。

成田氏:やっぱり「好きだから」ですね。私が出場しているのは比較的ハイクラスな大会なのですが、結構キツイんですよ、走破するのが。でも、「真剣」になれるんです。そこが良いところだと思いますね。もちろん、それよりも下のクラスであれば、気持ち的にも楽で楽しく走れるんですけど、「真剣」になれるかというと違うかなと。

大会の前日とかは、心配で寝られなくなるんですよね(笑)。なんでこんなことやってるんだろうと思う時もあります。でも、いざ大会が終わってみると、寂しさもありますし、それでやめてしまったらもう練習とかに身が入らなくなってしまうと思います。


――ストイックですね…!成田さんは国内外問わずトライアルシーンを見てきたと思うのですが、日本と海外のそれでは結構違いがあったりするのでしょうか。

成田氏:世界選手権とかって、若い選手が活躍するんですよね。それこそ、16歳から出ている選手もいますし、遅くても30代後半くらいで引退することが多いです。でも、日本のトライアルシーンには高齢化の波が来ていて…。私も含めて、40代でもまだまだ現役トップ選手という方が多くなってます。

やはり高齢化した選手がトップに居続けると、どうしても自分たちが快適に競技を続けるにはどうするか、という考えに行きがちなんですよね。でもそれって、若い選手たちにとっては良いことではないと思うんです。若者の意見を汲み上げる仕組みもまだなく、問題になっています。後進が育たないとシーンが続かないので、心配ですね。

――バイク業界全体的に高齢化問題があるというのは知っていましたが、トライアルにもその波が来ているんですね…。ありがとうございました。ここからは、『トライアルズ ライジング』のプレイも交えながらお話を聞ければと思います。ゲームでは、アクセル・ブレーキ、体重移動というシンプルな操作体系なのですが、競技だと他にどういうところを意識して動かしていくのでしょうか。

成田氏:まず、「ライン」を見極めることが大事です。大まかに言えば、スタートからゴールまで、どのような経路で走るか、ですね。もっと細かい視点だと、例えば岩を登るときに、岩のどこを使ってどう登るかを細かくイメージします。このラインから1cmでもタイヤがズレたりすると、それだけで滑ってしまうこともあるんです。なので、この見極めは本当に大事ですし、選手ごとに差がでる部分でもあります。

――競技的にはとてもワイルドでダイナミックなイメージですが、選手はとても繊細なことをしているんですね。

成田氏:トライアルって、トップスピードは出ないのですが、体の動きはとても速く、やっていることは本当に繊細なんです。観戦する時も、それを意識しながら観ると、また違った面白さを感じることができるかもしれません。

――ゲームではバニーホップ等のテクニックがありますが、実際このようなものも使われているんですか?

成田氏:呼び方は人それぞれですが、あります!トライアルの場合、ジャンプ台を使ったようなジャンプはあまりなく、平地から岩に飛びついたり、平地から平地へ飛ぶようなものが中心になります。ゲームと同じく体重移動やタイミングが重要です。


――ゲーム内でも、上手く行くと、スピードが乗っていなくてもかなり飛べますね。

成田氏:ちょっと言葉にしづらいのですが、自分の「間合い」みたいなものがあって、これにピッタリあったタイミングで飛ぶと、すごい飛べますね。勢いがありすぎても、なさすぎてもダメで、さらに障害物までの距離もあるので、難しいのですが。ゲームの挙動自体はかなりリアルだと思います。

ただ、現実ではここに「地面の状態」という要素も加わってくるんです。地面が砂なのか砂利なのかとか、細かい起伏もあるので、そういったところもジャンプには影響してきます。そこまで再現してしまうと、もう誰もクリアできなくなってしまいますが(笑)。

――ゲームでは垂直に近い坂を登ったり、ジャンプから坂に張り付いたりするのですが、さすがにここまでのことはしませんよね?

成田氏:そうですね、さすがにそれは無理ですね(笑)。実際にやるとしたら、かなり難しいかと思います。両脚でリアタイヤに荷重をかけながら、体重移動やアクセルワークで登る感じでしょうか。


――本当に、リアルでは様々な要素が絡んでくるんですね…。

成田氏:ちなみに、失敗を重ねると、だんだん転ぶのも上手くなってきます(笑)。

――ゲームのライダーは、バイクから離れると脱力の極みと言った感じで、受け身すら取りません(笑)。

成田氏:実際は、バイクを離して横に飛ぶのが良いですね。下敷きにならないように。でも、避ける余裕がないときもあって、そのときは本当にゲームみたいに落ちることもあるので、怪我する確率は高くなると思います。

――ゲームではライダー自らバイクから飛び立つこともできます。ミニゲーム的なモードでは、バイクから飛び立って、バスケットボールを掴み、ダンクシュートを決めるというのもあります。

成田氏:そうなんですね(笑)。そこはゲームならではの遊び方ですね。

――それでは、そんな『トライアルズ ライジング』を成田さんにも少し触っていただこうかと思います。ちなみに、ゲームは普段されますか?

成田氏:全くやらないです(笑)。

――では、チュートリアルからプレイしていければと思います。実際の練習の時も、このようなコースを使うのでしょうか?

成田氏:コースを用意することはありませんが、近いことはしますね。あと、このゲームは基本的に2Dなので使いませんが、実際にはターンの練習をしたりします。

それにしても、挙動は本当にリアルですね。体重の伝わり方が現実よりもキビキビしていますが、すでになんとなく掴めてきました。


――本当ですか…!では早速、コースを走ってみましょう。

成田氏:これ、チュートリアルより、コースのほうが走りやすいです!先程、「ラインを見極める」という話をしましたが、ちゃんとゲーム内でも見えてきますね。そして、景色がすごいけど見ているヒマがないです(笑)。

――いや…これは本当にスゴイ…。初めてプレイする場合、ジャンプ後の着地でバランスを崩すことが多いのですが、成田さんの場合は着地がとてもスムーズで、ジャンプで得た加速を失わずに走っているのが、初めてとは思えません。

成田氏:着地時の感覚はかなり現実に近いです。どのくらいフロントが浮いた状態で着地すると、加速できるのかとかが、ちゃんとわかります。実際のトライアルでも、フロントが浮きすぎていると着地の衝撃で勢いを失ってしまうのですが、ほどほどにフロントを浮かせながら、着地時にアクセルを開けて駆け抜けるようにすると、衝撃を和らげられるんです。この感覚は、普段乗っているときそのままですね。

また、ゲームでは下り坂に着地することも多いのですが、このような場合は、坂の角度に沿うようにしながら、かつフロントを少しだけ下げて着地するのが理想です。ゲーム内でもこの感覚でスムーズに着地できますね。

実際のトライアル選手が初めてでもちゃんとプレイできるというのは、それだけゲーム内でバイクの挙動がしっかり再現されている、ということだと思います。


――正直、ハチャメチャなゲームだと思っていたのですが、プロがここまで言うとは…!これは考えを改めなければなりません。UBIさんとRedLynxさんには謝らせていただきます。申し訳ありませんでした。

成田氏:感覚は現実に近いですが、コースにはありえない仕掛が用意されているので、そこで戸惑ってミスってしまいますね。でも、これなら世界チャンピオンになれるかもしれない(笑)。

――爆弾が普通にコースに置いてありますからね。戸惑いもします。

成田氏:でも、実際のトライアルの大会で、爆弾が出てきたことがあるんですよ(笑)。

――えっ、詳しくお話しいただけますか!?

成田氏:1999年にイタリアで行われた世界選手権で、競技中に失敗した選手がいて、その拍子に土が掘り返されたんですね。そしたら、第二次世界大戦時の不発弾がゴロッと出てきたんですよ。幸い、爆発はしませんでしたが、本当に危ないので、そのセクションは封鎖になりました(笑)。


――選手は生きた心地がしなかったでしょうね…。では、『トライアルズ ライジング』で新たに登場した「タンデム」にも触れていただければと思います。ちなみに、タンデムって実際にあるのでしょうか?

成田氏:ゲーム内のようなタンデムは無いと思いますね。でも、すごくニッチなのですが、サイドカー付きのバイクを使ったトライアル競技があったりはします。イギリスの話ですが。


――サイドカーでトライアル…。想像できません。タンデムは、2人プレイで進めていくのですが、2人ともアクセル・ブレーキ・体重移動ができるという仕様になっています。

成田氏:現実にはありえませんが、これは面白いですね(笑)。上手い人2人ならスムーズに行けると思いますし、そうじゃなくてもシュールな感じになって盛り上がりそうですね。


――成田さんとタンデムできて、光栄です!今日は貴重なお話をありがとうございました!プロのすごさと『トライアル ライジング』というゲームのすごさを再確認できました。

成田氏:逆パターンも気になりますよね。『トライアルズ』をプレイしている人が、実際のトライアルをやったらどうなるか。

――ぜひ、成田さんにレクチャーいただきながら、試してみたいですね。また、成田さんのデモンストレーションも見せていただければと思います!よろしくお願いいたします!

成田氏:はい、よろしくお願いします!安全第一で(笑)!


次ページ:トライアルにチャレンジ&成田さんのデモンストレーション!
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