気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Shawn Hitchcock氏開発、PC/Mac向けに2月23日リリースされた幽霊屋敷探索ホラー『Pacify』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、マルチプレイにも対応した探索ホラー。プレイヤーは謎の少女から逃げつつ幽霊屋敷を探索し、呪いの人形を燃やしていきます。マルチプレイは協力プレイと対戦プレイがあり、最大4人で一緒に幽霊屋敷を探索したり、ポイントを競い合ったりします。日本語にも対応済み。吉田さんによる絵日記も掲載しているので、どんなゲームか気になる人はぜひご覧ください。
『Pacify』は520円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Shawn Hitchcock氏(以下Hitchcock氏)こんにちは、Shawn Hitchcockです。怖いゲームを作るのが好きです。これまでに『Emily Wants to Play』と『Emily Wants to Play Too』を開発し、ちょうど新作の『Pacify』をリリースしました。
私はずっとコンピュータ、プログラミング、ゲームに没頭してきました。子供の頃、自分でパソコンを自作し、プログラミングし、ゲームのコンセプトやストーリーを紙に書いていました。データベース企業では長い間、ネットワークとプログラミングに取り組んでいました。そして、自分でゲームを作ってみようと決心したのです。このゲームが『Emily Wants to Play』となり、PC/Mac/XB1/PS4/iOS/Androidでリリースすることができました。本当にゲームを作れるとも、成功するとも思っていませんでした。とても挑戦的な経験でしたし、私はとても幸運だったと思います。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Hitchcock氏本作の開発は、2018年の初旬に始めました。『Emily Wants to Play』のマルチプレイヤー版のリクエストがたくさんあったのですが、マルチプレイヤーゲーム開発の経験はありませんでした。『Emily Wants to Play』にマルチプレイ機能を追加して、このシリーズを変えてしまう代わりに、マルチプレイヤーモードも搭載した新しいゲームを作ろうと決めました。
いつも、まずは紙から始まります。長い時間をかけて、アイデアを書き出します。それから、そのアイデア何度も洗練します。その後、プロトタイプを作り、少なくとも百回は洗練作業を行います。休みなく何日も連続で仕事をし、一日14時間この作業をする日もあります。フルワークモードに入ると、午後になるまで何も食べなくなります。一度作業を始めると、自分自身を止めることが難しくなるのです。全てがいい具合になってきたら、私は友達と家族を呼び、ゲームをプレイしてもらいます。彼らの経験したものを参考に、必要であればゲームの調整を行います。最初から最後まで通しのテストプレイ、各要素のテストプレイを何度も、うまくいくまで繰り返し行います。とてもストレスがたまる作業ですが、楽しくもあります。ゲームをリリースしたら、皆さんに楽しんでいただけるのがとても嬉しいのです。
――本作の特徴を教えてください。
Hitchcock氏プレイヤーの皆さんからのリアクションによれば、いくつかプレイヤーを楽しませる要素があるようです。歩き回る怖い女の子がいますが、すぐに攻撃してくるわけではありません。皆、すぐに攻撃してくると予想するので、これがプレイヤーを混乱させます。それに、走り回る赤ちゃん人形がおり、プレイヤーはこれに注意が行きます。これを見て、プレイヤーは怖がったり、ワクワクしたり、楽しんだりします。この人形を燃やさなくてはいけないとわかると、よりワクワクするでしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Hitchcock氏本作が何か特定のゲームや映画から影響を受けているということはありません。しかし多くの映画、物語、ゲームが私に影響を与えてきました。幽霊、悪魔、憑依、特に動く人形のような科学では説明のつかないものを私は怖いと思っていますので、これらをゲームに取り入れようと思いました。私が怖いと思うコンセプトならば、他の皆さんにも怖いものに違いないでしょう。私にとって一番怖かった映画は、「パラノーマル・アクティビティ」とオリジナルの「IT」です。私のお気に入りのホラーゲームは、初代『バイオハザード』『バイオハザード7』『SOMA』『P.T.』です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Hitchcock氏本作をプレイしていただいた皆様、本当に、本当に、本当にありがとうございます!日本の文化は私と私の家族の人生に大きな影響を与えてくれました。日本食、電化製品、ゲーム、それにアニメは、私たちの人生においてとても大きな存在です。任天堂、セガ、そしてソニーというブランドに囲まれて育ちましたし、『ファイナルファンタジー』『バイオハザード』『ストリートファイター』をとても楽しみました。今もラーメンやお寿司を食べますし、「NARUTO -ナルト-」と「僕のヒーローアカデミア」を家族と一緒に見ています。ですので、私にとって、私が作ったものが日本の方に遊んでいただけるというのは、信じられないようなことであり、とても興奮しています!
――ありがとうございました。
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