ファミコン版『忍者龍剣伝』作曲者の初ライブが開催!ミニインタビューもお届け【BitSummit 7 Spirits】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ファミコン版『忍者龍剣伝』作曲者の初ライブが開催!ミニインタビューもお届け【BitSummit 7 Spirits】

6月1・2日に京都・みやこめっせで開催された「BitSummit 7 Spirits」においてファミコン版『忍者龍剣伝』のライブが行われました。ここではライブを行った作曲者2名のインタビューをお届けします。

ゲーム文化 イベント
6月1・2日に京都・みやこめっせで開催された「BitSummit 7 Spirits」ではステージイベントにゲームミュージックのライブ演奏が行われるのが恒例となっています。2019年度は、テクモ(現コーエーテクモゲームス)のファミコン版『忍者龍剣伝』シリーズの楽曲を作曲者自らが生演奏するという趣向になりました。

オリジナルのファミコン音源をベースに、DAWによる音色を追加した厚みのある曲が演奏されました。

なお、ライブ前にファミコン版シリーズ作品のの作曲者である山岸継司氏(初代『忍者龍剣伝』担当)と半井香織氏(『III』担当)によるインタビューを行いました。

左・半井香織氏。現在はあまた所属。右・山岸継司氏。ブレイブウェーブプロダクション所属。


――まずは自己紹介からお願いします。

山岸氏山岸と申します。今から三十年ぐらい前にテクモに入社してそこからコーエーに移り、独立して今に至るという感じです。

半井氏半井と申します。私もテクモに、山岸さんの三年後輩で入社しまして、そのあといっしょにコーエーにもついていきました。その後、また一緒に独立しまして。今年の4月から、あまたに移って仕事をしています。

――ブレイブウェーブさんでは『忍者龍剣伝』のサウンドトラックが発売されていますが、山岸さんたちがマスタリングなども行ったのでしょうか?

山岸氏いえ、自分たちは制作には一切関わってないんですね。コーエーテクモに交渉には行ったんですけども、話がまとまったあとはファミコン版をスイスのエンジニアのとこに持っていきました。その方が全部一人で録音して、細かいノイズ取りとかマスタリングも全部スイスで行ってもらった、という形でした。

――『忍者龍剣伝』の頃はどういった方針で曲を作られていたのでしょうか?

山岸氏「真似しろ」って言われたわけじゃないんですけども、基本的にはお手本にしようってタイトルがありました。KONAMIさんの『悪魔城ドラキュラ』とカプコンさんの『ロックマン』です。この2つがファミコンのアクションゲームとしては2大巨頭みたいな感じだったので、それを目標にサウンドもがんばれ、みたいなところから始まりました。

――初代ではドラムの音が印象的でしたが、制作面で苦労はありましたか?

山岸氏ドラムの音を作るとき、プログラマーの人がファミコンの取説を見て「ここで普通の人が使ってない音源がひとつ残ってるんじゃない?これを鳴らしてみて」って言ってきたんですよ。「ええ、マジ、なんですかそれ?」と返すと、「これを使えばサンプリングでドラムが鳴らせるはずだから、お前研究しろ」って言われて。それからハード担当の人と一緒に研究しました。

サンプラーの音を持ってきてもそれがそのままの音で鳴るはずがないので、どういう方式で動くかを調べてから変換ツールを作ってもらって、更にそれを鳴らすプログラムを作りました。そんなところから始まったので、最初はなかなか大変でしたけど、初めて聴いたときは「ファミコンからドラムの音がこれだけ鳴るとなかなか面白いなぁ」と思えましたし、作業としては楽しかったです。

――昨今ではスイッチなどでも『忍者龍剣伝』を遊ぶことができますが、今遊んでみてどう思いますか?

山岸氏鬼のようなゲームですね(笑)。よくこんなのやるなぁと思うぐらい難しい。当時から私は最後まで行けませんでした。

半井氏私は1面すら無理でした。

――4~5面くらいから、ダメージを受けるとリカバリーできず即死するところが多かったですね……。

山岸氏最後のところがもう鬼のようなゲームで、「えーまたここからやるのかよ」というところが凄かったですね。

――今ではラスボス直前からできるそうですが。

山岸氏そうらしいですね。
半井氏そういう機能がないと無理だよね(笑)。
山岸氏でも、アメリカのユーザーにとってはその難しさが良かったらしくって。

――アメリカはやっぱり難易度高いほうがいいみたいですね、営業施策的にも(笑)。ところで、CDやアナログ盤がリリースされて当時遊んでない人でも楽曲を聴けるようになっていますが、「サウンドのここを聞いてほしい」という点はありますか?

山岸氏いや正直、昔の曲なんで今の人が聴いて楽しめるとは思えないんですよ、本当に(笑)。これは懐かしグッズだなって。やっぱり、ゲームと一緒に体験して思い出補正が入って初めて聴けるんですよ。

――今回のライブは、生演奏ってことなんですけれども。アレンジになってるんですか?

山岸氏今回はちょっと変わったことをやってます。ファミコンの曲をベースにパートを分解して、それに音を足して再構成しているので、今までのゲーム音楽のコンサートとは違うものになっていると思います。

――ありがとうございました。



なお、FC『忍者龍剣伝』は現在スイッチ向け『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』において、通常版と“クライマックスバージョン”(6-4スタート)がプレイ可能になっています。

(C) コーエーテクモゲームス All rights reserved.
《岩井省吾》
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  • スパくんのお友達 2019-06-25 1:02:02
    忍者龍剣伝の作曲家、30年前の小学生の頃からずっと気になってたから、こういう記事が出るのは本当に感慨深いというか、時を超えてこういった現場の当事者の記事が公の場に掲載されるのは、1ファンとして、とても嬉しい。
    超個人的な願望だが、アークシステムワークスみたいな現代の2dアニメーションアクションゲームの大御所がコーエーテクモから委託受けてハイスピードの忍者龍剣伝の続編作ってほしいなあ。
    5 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-06-24 12:14:13
    「お の れ 邪 鬼 王 !」
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-06-24 11:17:31
    2人とも何歳なんや
    8 Good
    返信

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