気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Silver Lemur Games開発、PC向けに8月1日正式リリースされた古風な3DRPG『Legends of Amberland: The Forgotten Crown』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、主観視点の3Dで展開するターン制RPG。昔の3Dゲームらしく、マップはタイルで構成されています。古風なスタイルではあるものの、テンポの良いゲームプレイが特徴。記事執筆時点では日本語未対応。
『Legends of Amberland: The Forgotten Crown』は2,050円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Chris Kozmik氏(以下Kozmik氏)Silver Lemur Gamesというブランドで活動している、ポーランドのインディーデベロッパーChris Kozmikです。ターンベースストラテジー、シミュレーション、RPGを作っており、コントラクターやボランティアに手伝ってもらいながらも、基本的に一人で開発を行っています。C64時代からゲーム開発をしていますが(日本だとスーパーファミコン時代だと思います)、昔のゲーム、特に90年代のものに懐かしさを感じます。
――本作の開発はいつどのようにしてはじまったのでしょうか?
Kozmik氏難しい質問ですね。人生の半分はRPG開発に費やしていたというのに、どれも完成していないことにイライラしていました。そしてある日、本作を作ろうと決心したのです。が、様々な理由で断念し、別のゲームを作り始めました。しかしやっぱり本作の開発をしようと決意し、最初からやり直したのです。そのため、昔書いたプログラムを多く使い回しています。このため、いつから開発を始めたのかというのははっきりわかりません。公式に本作の開発開始日としているのは2017年の12月1日ですが、おそらく3年かかるほどのプログラムを使い回しています。本作は今まで作ってきた中でも、一番時間がかかっている作品でしょう(『Stellar Monarch』も『Automobile Tycoon』も本作ほどはかかっていません)。
――本作の特徴を教えてください。
Kozmik氏簡単に言えば90年代のゲームですが、現代のテクノロジーやインターフェースを搭載し、オールドスタイルで現代機向けに作っています。また、ボードゲームから採用した現代的なシステムも搭載しています。いくつか現代的なものを入れているのですが、あえてプレイヤーからは見えないようにしています。そのため、現代のゲームのようにプレイできながらも、昔の古き良きゲームのような感覚を得られるのです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Kozmik氏本作は、90年代のゲームから影響を受けた古風な欧米のRPGです。『ダンジョンマスター』『Eye of The Beholder 2』『マイト・アンド・マジック(3~5)』『Crystals of Arborea(あまりよく知られていませんが『Ishar』シリーズの前日譚です)、『GoldBox』シリーズ(『Champions of Krynn』『Dark Queen of Krynn』など)から影響を受けています。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Kozmik氏元々計画していなかったのですが、驚くほど多くの日本人プレイヤーから本作が注目されていることを知りました。日本向けに広告なども出していなかったので、とても奇妙に感じたのですが、今でも日本語でのリツイートなどを見かけます。本当に驚きました。皆さんの国でこのようなゲームの需要があるとは思ってもいませんでした。そういったこともあり、現在日本語ローカライズを真剣に検討しています。
もしあなたが日本のC++プログラマーで、日本語/中国語/韓国語への対応のさせ方をご存知で(アルファベットを使う国の人にはなかなか難しいのです)、アドバイスをいただけるようであれば、ぜひsilverlemurgames@gmail.comまでご連絡ください。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Kozmik氏日本の皆さんが欧米スタイルのRPGに興味を持っているということはまったく知らず、とても驚いています。皆さんの国では英語がそれほど一般的ではないということで、日本語版が必要でしょう。皆さんが90年代に戻れるよう、全力でローカライズに取り組もうと思っています。時間はかかると思いますが、皆さんの母国語で本作をお届けできるよう、頑張ります。
あと最後に、『クロノ・トリガー』と『ファイナルファンタジー7』は最高です。(笑)
――ありがとうございました。
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