最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2020年4月1日にChasing CarrotsよりPC向けにリリースされた『Good Company』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Good Company』とは
『Good Company』は、製造業をテーマとしたタイクーンタイプの経営シミュレーション。自身で製作を行うだけでなく、従業員を雇い、導線などを考慮した上で、より良い配置を見つけ出して効率化を図っていきます。製造業がテーマだけに、1つの商品を製作するにも材料から中間素材を経て、製品へと変わっていく様を見ることができるのが特徴です。
『Good Company』の実内容に迫る!
本作の冒頭で楽しめるのは、人間が自らの手でモノを作っていくという、製造業ならではの工程。始める前に、まずは自分自身のキャラクターや会社名、ロゴを決めていきます。キャラクターのパーツの選択肢は少なめですが、ロゴはかなり選べるパーツが多め。すべて決定した後は、まずはキャンペーンをプレイしました。
最初期は社長である自分自身が、パレットから作業台へ材料を持っていき、中間素材を1つ1つ作っていきます。もちろんそれを作るのにも、モノによっては複数の素材が必要になり、単一の材料から全てを作り出すことができません。
そして次は従業員を雇い、素材や製作物の行き先を物流モードで指定しつつ、会社の規模を少しずつ大きくしていきます。しかしここで気を付けなければいけないのが、会社の資金。意外にすぐ減っていってしまうため、気軽に拡張したり、製品をストックしておこうものなら、いきなりカツカツの経営になってしまいます。
ここで便利でありながらも非常に癖が強いと感じたのが、物流の「スロット」という概念。材料は毎日1回、トラックでスタック単位で補充、1スタック指定の場合は1スタック分の最大値まで補充してもらえるのですが、全てスロットとして指定され、一旦物流を止めると空きスロットに再指定されてしまうため、1スタック余計に材料の在庫を抱えてしまうことになります。
また、指定を間違えれば「材料がない!」と従業員が嘆き、その工程もストップしてしまうため、中間素材の在庫を切らしてしまえば、その後工程にある組み立てなどの作業も気付けば止まっているといった状態になっていることもしばしば。
本作の売却可能な製品は、購入した材料(灰色)以外となっているため、中間素材でもパレットにさえ持っていけば売れるという強みはありますが、慣れるまではかなり操作で躓くといった印象を受けました。逆に、1回指定しまえばほとんど触る必要もないため、下手に触らないのが吉とも言えます。
最初のキャンペーンで在庫管理の難しさを知る
ゲーム起動直後にプレイできるキャンペーンでは、本作の基本的なプレイ方法を知ることができます。しかし、電卓の進化版である「Calculator Mk2」を12個/週制作するというミッションでは、中間素材の管理の難しさを身をもって知ることとなります。
ゲーム中でも触れられますが、12個/週を満たすためには組み立て台が2つ必要で、最低でもスタッフ1人が追加で必要になります。しかし、流れ作業でプレイしていると、あることに気が付きます。そう、中間素材の生産スピードが追いつかないのです。
画像の通り、筆者の場合は中間素材それぞれの製作にスタッフ1人ずつを割り当てていますが、これだとスタッフを割り当ててすべての作業をしていると、どこかで足りなくなってしまうのです。そのため、一時的に組み立てのスタッフを止めて中間素材を溜め込んだり、スタッフを割り当てるか自分自身で先に素材をある程度作っておき、組み立て台のスタッフ稼働と同時に自分自身でCalculator Mk2を作るといった在庫管理が必要になるのです。
在庫を貯めるにはスタッフの賃金や素材分の資金が必要なので、ある程度取り掛かる前に余力を作っておくのが必要になります。このミッション開始時点では、既に組み立て台が1つ必要なので、最低でも2,000G、作業台も1つ追加するのであれば、合計2,200G+α(諸経費)が必要になる計算になります。
フリープレイで奥深さを知る
キャンペーンを順に追っているだけでは時間が足りない……!ということで急遽フリープレイをやってみることにしました。フリープレイでは、初期で100,000Gを所持しており、工場の拡張も可能な状態になっています。ざっくりと確認しただけでも、モジュールを消費して分析することで研究ポイントを蓄積することができ、その研究ポイントを消費してツリーと設計図を開放することができます。
例えば最序盤で製作できたLEDアレイは、Tierを上げていくことで、LEDマトリックス、7セグメントディスプレイ、16セグメントディスプレイ、簡素なLCDディスプレイ、液晶ドットマトリクスと、より高度なものを制作できるようになっていくようです。また、バッテリーも同様に、単一だったものがノートPCなどでも見るようなパワーパックなどへと複雑なものへ移行していくことができます。
また、デザインデスクでは新しい製品の開発が可能で、解放されている設計図から選んでいき、重量、熱損失、壊れやすさといった商品の要素を調整しつつ、市場の需要や最大価格も確認することができます。このあたりはまさに製造業ならではの特徴をふんだんに生かしており、最大価格から割引をすることで売れ行きを良くするといった、経営シミュレーションとしての側面も上手く組み合わされているように思います。
難しいが触れやすい、ただし日本語化はちょっと怪しい
本作は難しい面や癖が強い面があるものの、非常に触れやすいように作られているように思います。各要素も使いにくい部分がないとは言いませんが、概ねなんとかなるといったところに収まっており、全体を通してマイルストーンが設定されているだけでなく、製品開発も可能で、プレイヤーの欲求も十分に満たすことができます。
しかし、きっちりと日本語化されているようで、一部の文字が□で文字化けしているのがもったいないと思う点でしょうか。強いて言えば、アイテムの取得周りが1スタックか今の半分のどちらかというざっくり感が解消されると、より細かい材料管理と製作ができるようになると思いました。
タイトル:Good Company
対応機種:PC
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年4月1日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:2,570円(税込)、4月8日まで10%オフの2,313円(税込)