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『FF7』キャラが参戦する格ゲー『エアガイツ』PS版をレビュー、読み合いが熱いガチ格闘を今振り返る

「クラウド」「ティファ」「セフィロス」「ユフィ」など多数キャラクターが登場。ダンジョン探索モード「ブランニュークエスト」は今も最高の面白さです。

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先日リリースされた待望のリメイク作『ファイナルファンタジーVII リメイク』は、美しいグラフィックやボイスなども相まって、世界観にさらなる深みが増した作品となっています。

オリジナルのPS版は1997年1月31日に発売。主人公である「クラウド」やヒロインの「ティファ」、仲間の「ユフィ」や宿敵「セフィロス」などがキャラクターたちは織りなすドラマは、非常に魅力的なものでした。特に主人公の「クラウド」は現在でも人気が高く、数々のゲームにゲスト参戦するなどシリーズの「顔」として今も活躍しています。


今から22年前、ゲームセンターに登場したひとつの格闘ゲームがありました。その名は『エアガイツ』。「クラウド」「ティファ」が隠しキャラクターとして参戦したことでも話題になりました。その後リリースされたPS向け移植版では「セフィロス」「ユフィ」「ヴィンセント」「ザックス」が参戦。『FF7』との深い関わりを持つ作品です。


本稿では、PS版『エアガイツ』のゲーム内容を中心に、FFキャラクターたちの勇姿などを紹介していきます。また、記事後半では当時の同作スタッフが現在開発している「新作」の情報も紹介します。



『エアガイツ』とは


本作はセガの『バーチャファイター』、ナムコの『鉄拳』シリーズに関わったスタッフを集めて作られた「ドリームファクトリー」が『トバルNo.1』『トバル2』に続いて開発した格闘ゲーム。アーケード版はナムコから、PS版はスクウェア(当時)から発売されています。



プロレスラーから忍者、野生少女まで個性豊かなキャラクターが揃っています。

『トバル』シリーズから培ってきたステージを縦横無尽に動けるシステムと、高低差を活かせるデザインが特徴。独自のカウンターシステムや「つかみ」の攻防なども含め、読み合いの要素の大きい作品としてファンから今でも愛好されています。

謎の物質で作られている剣「エアガイツ」が賞品となっている格闘技の世界大会で優勝を目指すのが本作のメインストーリー。己の野望を果たそうとする者、家族の謎を解こうとする者など、それぞれの思惑を持って大会が開始されていきます。そして不老不死の秘密を持つ古代遺跡も関わってくるようで……?

スピーディ&駆け引きが熱い格闘アクション!


『トバルNo.1』『トバル2』開発チームが開発しただけあり、ステージを自由に動ける戦闘は健在。また、マップ内の段差にジャンプして相手を誘導したり、マップ内に配置された「箱」から出てくるアイテムを利用できるなど、とにかく自由な戦い方を選べることが最大の特色です。攻撃方法も「上段」「中段」「下段」と専用ゲージを使う「必殺技ボタン」の4つがあり、それぞれキャラごとに個性豊かな技が揃っています。

高低差を活かしたバトルも醍醐味。

ガード状態から相手を拘束する「つかみ」、タイミングよくボタンを押さないとコンボが繋がらない「ジャストフレーム技」などに加え、相手の攻撃に合わせて必殺技ボタンを押して発動するカウンター「インタラプト」など、豊富なシステムがバトルを盛り上げます。ダッシュして相手を投げる「タックル」やダウン時に任意のタイミングで復帰する「起き上がり」なども、比較的珍しい要素でした。

箱の中にはアイテムが入っています。
この箱の扱いはある理由でとても重要な要素になります。

格闘ゲームとしては「インタラプト」がとにかく強力で、状況次第ではやられている状態などでも発生可能。そのため、コンボを狙うよりも相手のスキを狙う行動が重要な「守り主体」のゲームになりやすいと言えます。ただ、「インタラプト」も必殺技ゲージを使用しますし、「つかみ」からの投げに反応できなくなりやすく、守っているだけでは勝てないゲームでもあるのです。

自由なステージデザインと豊富なシステムは魅力的なのですが、その分覚えることが多すぎるため、慣れないうちはキャラクター相性を覆すことがほぼ不可能になってしまうデメリットもあります(キャラクターの個性が豊かであるとも言えますが)。移動スピードと各種攻撃のおかげでとにかくスピーディで、冷静な判断力が求められます。

ボスキャラのジャンゴ。
このキャラクターは使ってみると「ガードができない」というゲームを揺るがす特性を持っています。

FF7キャラクターの性能紹介!最強はズバリ「ティファ」!


クラウド」は近中距離での牽制が優秀なキャラクター。必殺技ボタンで剣を持ち、剣での攻撃は基本的に「ガード不能」となる強力無比なものばかり。ただし「インタラプト」は通じてしまうため、剣を持った後にこそ上手な立ち回りが求められるキャラクターです。



本人の代名詞とも言える究極リミット技「超究武神覇斬」は一回転投げで発動できるもので、見た目も派手。ただし「インタラプト」の餌食になりやすいという悲しい運命を背負っているので、使用は控えることをオススメします。また、リミット技「メテオレイン」も使用できますが、非常に長い溜め時間が必要になるため、こちらも使いづらい技です。剣の攻撃の優秀さで戦うキャラクターと言えます。

「超究武神覇斬」と「メテオレイン」
通常だと全部当たるのはほぼラッキーなのでトレーニングモードです。

ティファ」は本作でも屈指の強キャラです。原作でも格闘メインのキャラクターだったせいか、『エアガイツ』でも自由自在に暴れまわります。決まれば大ダメージになる優秀な牽制技が揃っており、距離をとって撃ち出す飛び道具も非常に強力。距離で不利になることはほとんどないでしょう。



とにかく強い

スピーディーに相手を牽制しつつ、ガード不能技で強力な一撃を当てることまでできるその性能は、まさしく『エアガイツ』の申し子と言えます。非常に使いやすく技も爽快なものが多いため、最初に使うにはおすすめのキャラクターかもしれません。

セフィロス」は少しテクニカルな性能のキャラクターです。必殺技ボタンで本人の代名詞とも言える長剣「正宗」を使用するアクションが特徴で、構えによって異なる技が発動可能となる多彩な選択肢が魅力のキャラクターです。



ただ、政宗の攻撃はリーチが長いものになるほどスキが大きく、牽制として使うにも相手に距離を詰めさせない行動が求められます。刀を使わない通常技の性能が悪くないので、必殺技ゲージは「インタラプト」用に割り切ると言ったテクニカルな戦い方も向いているかもしれません。ちなみにゲストキャラクターの中で唯一エンディングのあるキャラクターでもあります。

「ユフィ」「ヴィンセント」「ザックス」は隠しキャラクターとして使用可能になるのですが、それぞれ技のモーション基本的に作中の他のキャラクターを流用していると思われる、いわゆる「コンパチ」キャラになっています。「ユフィ」と「ヴィンセント」は多少のオリジナル要素もあるのですが、「ザックス」は「誰か」とモーションまで同じです(ネタバレなので詳細は割愛)。


バラエティが豊かすぎる?移植版だけの専用モード


アーケード版では格闘ゲームだけだった本作ですが、PS移植版では数々の新モードが追加されている豪華な作りになっています。体力がなくなるまで戦い続けるスコアアタックモード「無限バトル」、サーキット状になっているステージを相手キャラと競争する妨害ありのレースモード「バトルランナー」などが用意されています。

バトルランナーではアイテムゲットと相手の気絶させる攻撃も重要。

64枚のパネルをオセロのように取り合う「バトルパネル」は妨害ありルールなうえCPUの判断が早く、フラストレーションが溜まってしまうこともしばしば。また、浜辺で陸上競技やビーチフラッグを行う「バトルビーチ」は操作系統が往年の『ファミリーオリンピック』シリーズを思わせるようなボタン連打の競争モードです。試み自体は面白いのですが、この二つに関しては「なんでこんなモードまであるんだろう?」と思ったりもします。



本作にはもうひとつ、メインコンテンツと言えるようなモードがあります。それが「ブランニュークエスト」と呼ばれるダンジョン探索のアクションRPGモードです。

豊富すぎるモードたち

究極のオマケゲーム!?ブランニュークエスト


「ブランニュークエスト」は、本編で格闘大会が行われている時に古代遺跡で調査を行っていた考古学者「増田光司」と、押しかけの弟子「クレア」を主人公にしたアクションRPGモード。『トバル』シリーズにおける「クエストモード」を更に強化したようなやりごたえ抜群のモードです。


遺跡の探索中に謎の世界に迷い込んだ二人。その村にある「ゴッドレス・ザ・ダンジョン」の秘密を探るべく冒険が始まります。最初に、ホテルの支配人からダガーとシールド、さらに「ファイア」「ブリザド」のマテリアを渡されます。どうやらこの世界では魔法が一般的なようです。

親切な支配人による操作説明が終わったあとは村の住人に話を聞きながらダンジョンを目指すことになります。ダンジョンには「山の上」「山の下」「井戸の中」の三つの入口があり、共通ダンジョン内の難易度の異なる階層からスタートになります。特に警告などはなく、うっかり難しいダンジョンに入ると即死なのでご注意を。


情報量が多いなあ!

入れそうだなあこの井戸。
序盤だと入って進めば即死します。

ダンジョン内は、現れるモンスターを倒してレベルを上げながら攻略していくことになります。プレイヤーは体力がなくなれば死んでしまいますし、空腹ゲージの概念があり、飢えてしまうと体力が減っていきます。ダンジョン内で手に入る薬や食料をやりくりしながら探索しなければなりません。

武器や防具も使っていくうちに消耗して壊れてしまうため、こちらも現地調達していく必要があります。空腹ゲージの消費がかなり速いため食料の確保は必須なのですが、アイテム所持数に限界があるので取捨選択に悩まされます。また、セーブするためにもお金が必須だったり魔法の発動にアイテムが必要だったりと、慣れるまでは苦労する要素がいくつかあります。



装備には「守護神」というステータスにボーナスが付くランダム要素、爆弾で見つける隠し部屋、アイテムにすぐアクセスできるポシェットの存在(敵がいるとアイテム画面にアクセスできない)など、探索や戦闘などを楽しくさせる要素が満載です。

また、ダンジョン内で拾った食べ物には「栄養素」の概念があり、レベルアップ時にステータスの伸びに影響が出るシステムなど、面白い試みも見られます。村の施設による装備の修理や合成のシステムもあるので、好きな武器を大切に扱う楽しみもありますね。

栄養は大切

栄養不足で伸びないステータスも。

キャラクターのどちらかが死んだ場合、ダンジョンのその場所までもうひとりが助けに行く必要があるのですが、その場合ほとんど生身でダンジョンに行く必要があります(ホテルに預けたお金を使い、店で最低限の装備を整えることも可能)。二人とも死んだらゲームオーバーなため、なるべくは事故を起こさないようこまめにセーブをしたいところ。しかしセーブするにもお金が必要ですし、レベルに応じて費用が高くなってくるため要注意です。


相棒の倒れた場所まで行けば復活。
忘れずにアイテムもすべて回収しましょう。

増田とクレアはレベルが別々でステータスも異なるため、得意分野を伸ばすステータス管理も求められます。そのままでも非常にやりごたえのあるモードですが、村が存在せずどちらか片方でしかプレイできない(=死んだら即ゲームオーバー)な「ハードモード」もあるため、さらに厳しい難易度を求める人にはそちらもオススメです。

マップ内に隠されている「レシピブック」収集要素も。
なぜ地ビールかというと、ゲーム発売の頃は「第一次地ビールブーム」と呼ばれる時期だったため。時事ネタですね。

死んだらセーブ時点からやり直しです。




アーケード出身のゲームらしい素直な操作感は非常に秀逸。『トバル』シリーズが作り出したシステムをより深く、より快適に洗練している作品です。ただし、格闘ゲーム部分においてはシステムが増えすぎている結果、キャラクターのバランスが悪くなってしまってるとも思えます。

それでも魅力に感じる部分は多く、特に操作時のキャラクターの反応の良さは快適。「ブランニュークエスト」は探索、戦闘、育成と非常にやりごたえがあり、これだけでも長く遊べるモードになっています。「ドリームファクトリー」の技術と発想力の高さには驚くばかりです。ゲームアーカイブスでの配信もされているため、機会があればぜひ遊んでほしい作品です。

ラスボスはスタッフロールが流れる特殊バトル。
このバトルで「あること」をすれば真エンディングとなります。




総合評価: ★★☆

良い点

・自由なアクションができる格闘ゲーム部分が秀逸
・『トバル』シリーズから順調に進化した豊富なアクションシステム
・やりがい抜群のRPGモード「ブランニュークエスト」


悪い点

・慣れるまでかなり難しいアクション
・一部バランスの悪いキャラクター性能
・いろいろと謎すぎるミニゲーム群




記事を最後まで読んでくださった方に、ここからは『エアガイツ』に関連する「最新情報」をお届け。「ドリームファクトリー」の一部スタッフが独立して立ち上げたスタジオ「娯匠」(PS2『グラディエーター ロードトゥフリーダム』企画開発)が2020年内発売を目指し、同社初のインディーゲームとして格闘アクションローグライク『CYBORG』を開発中です。

ディレクターは、『エアガイツ』デザイナーで娯匠の代表取締役でもある堀内雅史氏。プログラマーの西森丈俊氏など、その他の『エアガイツ』オリジナルスタッフも参加しています。Game*Sparkでは、出来たてホヤホヤの『CYBORG』開発ビルドのプレイレポも掲載しています。

昨年末の『CYBORG』ゲーム映像


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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