5月15日、Indigo Entertainmentは新作ロボットアクション『Garrison: Archangel』をSteamにて発売しました。その開発期間は実に3年以上。様々なアップデートを実施して正式リリースへ辿り着きました。
Game*Sparkは、そんな同作を開発・販売するIndigo EntertainmentのプロデューサーPaolo Cabe氏にインタビューを実施。日本産ゲーム/アニメから受けた影響やゲームが持つ魅力、日本語翻訳を含む今後のアップデートプランについて詳しい話を訊きました。
――「日本産コンテンツへのラブレター」と語られているとおり、日本のデベロッパーが開発したかのようなスタイルのロボットアクションゲームですね。本作の開発のきっかけについて教えてください。
Paolo Cabe氏(以下、Cave氏)私たちIndigo Entertainmentはロボットやメカ、とりわけ日本のロボットアニメが好きな数人のスタッフによって立ち上げられました。『Garrison: Archangel』に取り掛かったきっかけは、我々が持っていた日本産アニメ/ゲームへの情熱と知識にあります。私達が込めた“愛”が届けば幸いです!
――日本産コンテンツを愛されているということですが、どのようなロボットアクションゲームから影響を受けましたか?
Cabe氏戦闘システムでは『ガンダムVS.』シリーズや『Z.O.E』、『電脳戦機バーチャロン』などですね。『アーマード・コア』や『オメガブースト』、『Another Century's Episode(A.C.E.)』からも影響を受けています。 『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『DARK SOULS』シリーズなど、ロボットアクションではないゲームからもインスピレーションを得ています。
――ロボットアクションゲームの魅力は、苛烈な戦いの中でも巧みに操作していくスリル感にあると思っています。『Garrison: Archangel』では、その魅力をどのように体感できますか?
Cabe氏『Garrison: Archangel』は3Dの移動システムを採用していて、ジャンプしたり飛行したり、地上をあらゆる方向に移動可能です。スピードアップと飛行時に利用する“Boost”では、敵の攻撃をかわしたり自分の動きをキャンセルすることもできます。
また、それぞれの「Archangel」には“安定性”が設定されていて、これが低下すると傷つきやすくなり、ノックダウンされることさえあります。自分の安定性を維持して敵の安定性を削いでいくことが、本作で勝利を掴むために重要なところです! また、本作にはたくさんの武器が登場し、さまざまに組み合わせて装備できるので、ユニークな戦闘スタイルを実現できます。プレイヤーのクリエイティビティ、操作スキル、反射神経によって戦い方を左右できるのです!
――本作が持つ対戦プレイの魅力について教えてください。逆に、キャンペーン(シングル)モードの楽しさについてもお訊かせください。
Cabe氏競争的な側面で言えば、さまざまな戦場を舞台として、カスタマイズしたロボットを使ってフレンドと対戦できるところですね。1台のPCを使ってもいいですし、Steam Remote Playを使ったネット経由の最大4人対戦も楽しめます。戦闘システムは格闘ゲームに近いので、勝つためにはロボット単体の強さだけでなく、戦略と知恵も大切になってきます。
シングルプレイヤーモードでは、プレイヤーは「Ghost」と呼ばれる傭兵として多くの派閥との戦いを体験できます。エリア制圧、護衛、ターゲット破壊、バウンティハントなど、さまざまなミッションが用意されていますよ。各派閥は仕事をこなすことで友好関係を築くことができ、新パーツや武器を買うためのお金を稼げます。しかし、他の派閥と敵対することになり、プレイヤーの任務を妨害する別の「Ghost」が派遣されることもあるのです。どの派閥と共に動いていくか選択することで戦いの行く末を決めていけます。いくつかの最終局面のミッションでは、巨大な敵や戦艦との壮絶な戦いも体験できます。
――キャンペーンモードはクリア後も引き続き遊べるのでしょうか。 また、キャンペーンモードの協力プレイやパイロットのポートレート、Modサポートは実装されますか?
Cabe氏エンディングまでプレイするとキャンペーンモードの進捗は自動的にリセットされますが、お金やアンロックされた装備類を引き継いで遊べます。協力プレイやポートレート、Modについては検討中です。
――開発過程で特に印象に残ったエピソードについて教えてください。
Cabe氏早期アクセス時にはグラフィックスが大幅にアップデートされ、多数のコンテンツが追加されました。ゲーム内容はitch.ioにあったような古いビルドと大きく異なるものとなったのです。その後、メカニクスや戦闘システムにも大きな変更を加え、2020年初頭にはシングルプレイヤーモードが仕上がりました。今年の春にはたくさんの新武器を追加して、その後フルリリースに辿り着きました。
――フルリリースとなった『Garrison: Archangel』の魅力について、改めて教えてください。
Cabe氏本作はアーケード、サバイバル、Horde、ミッション/キャンペーンモードなどのシングルプレイヤー要素を備えたバラエティ豊かなインディーロボットアクションゲームです。マルチプレイにおいては、フリーフォーオール形式の戦闘やデュエル、チームサバイバル、チームHordeなどを画面分割で友達とプレイできます。300を超える装備があり、組み合わせは20億通り以上。夢の巨大ロボットを作り上げることができますよ。新要素の解放にロボットカスタマイズ、試行錯誤、そして戦闘……『Garrison: Archangel』で体験できることはたくさんあります!
――日本語サポートについてのお話を聞かせてください。残念ながら、現時点で本作の日本語翻訳の精度は低く、日本のゲーマーが日本語環境で遊ぶのは困難です。将来的に日本のパブリッシャーや翻訳者と協力して、ローカライズ品質を高めていく予定はありますか。
Cabe氏計画中です! ローカライズの完成度については大変申し訳ないと思っています。早期アクセス配信を始めてから、日本のプレイヤーは私達にとって最も大事なユーザー層のひとつですし、適切にローカライズされた環境でゲームを遊べるようにしたいと考えています。
――ダウンロードコンテンツや拡張要素など、本作の今後の開発プランについて教えてください。
Cabe氏大規模アップデートの予定はしばらくありません。ゲーム全体をスムーズにプレイできるようにすることを重視して、バグ修正や軽微な調整に焦点を当てていきます。そうは言っても、時が経つにつれて予定は変わっていくでしょう。ゲームに取り入れたかったアイデアはたくさんあります。しかし、スケジュールと開発リソースの問題で実現できませんでした。将来的には、過去のアイデアが再びゲーム内に現れることがあるかもしれません。
――ありがとうございました。
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