気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Alien Pixel Studios開発、PC/Mac/Linux/スイッチ向けに7月29日にリリースされたポータルアクションアドベンチャー『Unbound: Worlds Apart』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、「魔導士ソリー」を操り、様々な世界へ通ずる力「ポータル」を集めながら幻想的な世界を旅するアドベンチャーゲーム。古代の伝説を紐解いたり、難解なパズルや恐ろしいモンスターを退けたり、多彩で個性豊かな世界や仲間たちと出会いながら、ミステリアスな物語を解き明かしていきます。日本語にも対応済み。
『Unbound: Worlds Apart』は、2,050円(8月5日までは15%オフの1,742円)で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Olga Ciob氏(以下Olga)こんにちは。Alien Pixel Studiosのアート・ディレクター、Olga Ciobです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Olga同僚たちが本作のプロトタイプを作り始めたのが2016年になります。2017年の初めには私も開発チームに参加しました。2019年になると私たちは本業の仕事を辞め、本作の開発にフルタイムで取りかかることとなったのです。2019年の後半にはKickstarterキャンペーンも成功し、本作の規模も大きくなり、今の形となりました。
――本作の特徴を教えてください。
Olgaポータルシステムは、プレイヤーの皆さんにとってもそれほど新しいものではないでしょう。他にもこのシステムを搭載した素晴らしいゲームはいくつかありますので、私たちはこれを少し発展させ、10種類の異なるポータルを採用することとしました。これが本作一番の特徴と言えるのではないかと思っています。ポータル以外ですと、不思議でダークな雰囲気や手描きによるアート、濃厚なストーリー、そして素晴らしいサウンドトラックも本作の特徴です。プレイヤーの皆さんに魔法のような体験をしていただけることを目指し、本作を開発しました。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Olga上でも述べましたように、ポータルシステム自体はそれほど新しいものではありませんので、ゲームデザイン面では『Portal』『Guacamelee!』『Braid』『Hollow Knight』などといったゲームから影響を受けています。ビジュアルと雰囲気という面では、『Ori and the Blind Forest』『Rayman Legends』『LIMBO』から影響を受けています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Olga世界中の人たちと同様、私たちも新型コロナの影響を受けました。自宅から作業をしなくてはならず、オフィスも手放すこととなったのです。しかしここルーマニアはインターネット環境も整っており、生産性についてはまったく影響を受けませんでした。むしろ少し上がったと言えるかもしれません。通勤の時間が必要なくなったので、プロジェクトに取り組む時間が増えたのです。最終的には、私たちのような小さいスタジオにとって、オフィスを借りるよりも自宅から作業する方が良かったようにも思います。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Olgaはい、大丈夫です。ぜひ本作の動画を作ったり、配信をしたりしていただきたいと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Olga本作の開発は、私たちにとってまさに冒険であり愛の労働(見返りを求めない仕事)でした。本作にはたくさんの努力とクリエイティビティを注ぎ込みました。私たちにとって、これまでで最も大規模で、最も重要なプロジェクトであり、出来上がったものについては誇りに思っています。プレイヤーの皆さんには、ぜひ本作を楽しんでいただけると嬉しいです。私たちにとっての一番の楽しみは、プレイヤーの皆さんが様々なポータルに驚き、どのポータルが一番良いかと議論する様子を見ることなのです(笑)。
――ありがとうございました。
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。