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ガチャ規制? RMT違法化? ゲーム障害対策は? 国会議員が内閣に“ゲーム規制”の質問書

2021年11月10日、特別国会にて立憲民主党の青山やまと衆議院議員が、「オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書」を提出しました。ガチャやリアルマネートレードの規制、ゲーム障害についてなど、気になる中身を解説します。

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■ガチャやリアルマネートレード、ゲーム障害に関する質問主意書

2021年11月10日、特別国会にて立憲民主党の青山やまと衆議院議員が、「オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書」を提出しました。質問主意書、というのは、国会で議員が質問をして政府が答弁をするように、文書にて質問をするものです。これに対して内閣は、7日以内に文書で答弁を返さなくてはいけません。

すごく簡単に言うと、ガチャやゲーム障害が社会問題化してますけど法規制はどうするんですか? という質問を内閣に対してしたわけです。ゲームユーザーからすると、とても気になりますし、何かゲームが遊びにくくなる規制をする気なのでは……という不安もよぎります。

そこで今回は、この質問主意書と、そして内閣からの答弁書についてわかりやすくお話ししつつ、ゲーム業界の現状や取り組みについてもご紹介したいと思います。なお、ゲーム業界にとって非常にセンシティブな問題でもありますので、質問主意書とその答弁の正確な文言は、衆議院公式サイトよりご確認ください。

オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書 質問情報

オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書 答弁書

■ガチャの提供割合表示は義務づけされるべきか

1つ目の質問はガチャについてです。ガチャについては3つの要旨があり、高額課金を抑止するための課金上限に関する規制がまずひとつ。なかでも、未成年による高額課金に関する規制についてが2つ目。最後に、出現率の明記を義務づける規制について。いずれも、どんな対策や検討を行っているのか、という質問になっています。

答弁では、まず課金上限と出現率の明記について、違法な表示に関しては厳正な対処をするとともに、企業の自主規制の取り組みが進んでいるので引き続き注目していきたいとしています。

実際ゲーム業界では自主規制ガイドラインがあります。この件に関する主な業界団体として『JOGA』(一般社団法人オンラインゲーム協会)と『CESA』(一般社団法人コンピューターエンターテイメント協会)の2つがあります。いずれの業界団体も、ガチャで排出される全アイテムにおける出現率明記をガイドラインで促してはいますが、出現率表記の代わりに、ガチャのレアアイテムが出るまでの期待値を5万円以内にする、あるいは出現確率の上限と下限を表示するなど、いくつかの方法から選択して良いとしています。

ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン CESA(PDFが開きます)

ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドライン JOGA(PDFが開きます)

一方、課金上限に関しては、どちらのガイドラインにも明記されていません。期待値はあくまで期待値であり、必ずしも期待値を5万円以内に設定したからといって5万円で希望のキャラクターやアイテムなどが手に入るわけではありません。そして高額課金のトラブルというのは、こういった期待値から大きく外れた時に起こるものかもしれません。しかし、ガイドラインにはないものの、ゲームによっては、一定以上課金すると特定のキャラクターやアイテムなどが必ず手に入る、いわゆる“天井”を設けているものもあります。現状のガイドラインでよいのか、あるいは、全出現率の表記の徹底や“天井”の設定などが必要なのかどうかといったことは、業界内でも議論の余地がありそうです。

さらに、未成年の課金トラブルに関しては、啓発活動や相談窓口を設けて周知に取り組んでいると答弁されています。『CESA』や『JOGA』でも、青少年に対しては上記ガチャのガイドラインとは別に、保護者の同意や年齢確認とそれに応じた課金制限などの対応を促しています。ただし問題の本質として、これはゲームに限った話ではありません。支払い機能のついたスマートフォンなどを未成年に所持させる場合に、保護者がどう管理するべきかという点について、広く啓蒙されることが重要ではないでしょうか。

未成年の保護についてのガイドライン CESA(PDFが開きます)

■リアルマネートレードを違法にするべきか

次は、リアルマネートレードに関しての質問です。ゲーム内のアイテム、あるいはやりこんだゲームのアカウントそのものをゲーム内通貨ではなく、実際の現金で売り買いするリアルマネートレードが、詐欺であったり、暴力団などのマネーロンダリングに利用されている場合があるとして、リアルマネートレードそのものを規制するべき、としています。実はこの質問主意書において、ガチャについてや次に触れるゲーム障害については、「対策を検討するべき」や、「規制を設けることも考えられる」と表現されていますが、リアルマネートレードだけ一歩踏み込んで、はっきり「規制すべき」と書かれています。

答弁では、犯罪に悪用されていることは把握していて、きちんと証拠を押さえられれば捜査当局が対処している、としています。また、ゲーム業界の自主規制、広報啓蒙活動を見守りながら、関係省庁が連携して必要な取り組みを行うとのことです。

リアルマネートレードは、大事な顧客であるユーザーにトラブルをもたらし、現金収入を目的としてゲームを荒らす行為を呼び込む厄介な存在であり、ほとんどのゲームは規約で禁止しているのが現状だと思われます。ただし、ゲームの規約を破ったとしても、アカウント停止や、場合によっては損害賠償なども行えるかもしれませんが、リアルマネートレード自体は違法でないため、それ以上のことはできません。韓国など、海外ではすでに規制をしている国もあり、日本における法整備も議論する必要があるかもしれません。

■ゲーム障害にどう対応するべきか

最後はゲーム障害についてです。ゲームに依存しすぎて社会生活に問題をきたすゲーム障害がWHO(世界保健機関)によって精神疾患の1つに認定されたことに際し、学校現場などでの予防教育の必要性や、治療できる医療機関が少ない問題についての質問となっています。

答弁では、学校教員に向けた資料作成や、業界団体の自主的な取り組みとの連携、ゲーム障害の診療を行っている医療機関の実態調査などを進めている、とのことでした。

ゲーム障害については、つい先日、精神疾患として認定する科学的な根拠が不十分である懸念から、専門家がWHOに対し、認定に至る文献について問い合わせた所、WHOは、膨大すぎて答えるのは困難であり、自分で文献を調べればわかるはずだ、という主旨で返答し、事実上明快な答えを避けた形になったことが大きな波紋を呼んでいます。青山議員も、質問主意書を出した後にWHOの対応について追加の情報があることを聞いていると、ブログに書かれています。

質問主意書の答弁が返ってきました オンラインゲーム高額課金ガチャ等【消費者保護】 青山やまとのブログ記事 | 選挙ドットコム

ここで1つとても重要な話は、WHOが精神疾患に認定する目的についてです。WHOは国際疾病分類(ICD)という病気の分類を行っていて、これは統計データを集めやすくしたり、診療記録などをまとめやすくするためのものです。つまり、世界中の専門家がデータを集約したり、お医者さんが診断をする時の参考にしたりする分類に、ゲーム障害も新しく追加されたということなのです。これによって期待されるのは、ゲーム障害の症例などが整理されて病気のメカニズムが解明されていくことです。しかし、ゲーム障害が精神疾患に認定されると、センセーショナルな話題となり、たちまちのうちにゲームを制限するための方便として使う人が現れ始めました。

ゲーム障害については、WHOの認定自体に世界中の専門家で賛否が分かれていて、簡単には断言できない難しいものです。そのことを考えれば、啓蒙活動などをするにしても、科学的な根拠を固め、実態を把握しなければ、正しい知識を広めることもままならないのではないでしょうか。科学的根拠があいまいなまま、正確でない情報を流布するようなことのないよう、慎重な対応を望みたいですね。

青山議員が特別国会に提出した『オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書』について、解説してみました。ゲーム業界にとっても、ゲームをする人たちにとっても、とても気になる話題が多かったかと思います。これを提出した青山議員は、自身のブログでこれは規制を求めるものではないし、自身も規制派ではないとしています。安全安心にゲームが遊べ、かつ、ゲーム文化が発展していくよう、健全で科学的な議論が望まれます。

※UPDATE 2021年12月4日15時00分:「オンラインゲームをめぐる法規制等に関する質問主意書」の提出日時を誤って記載していたもの修正いたしました。お詫び申し上げます。

《田下広夢》

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