『Lord Winklebottom Investigates』紅茶はMIF派?MIA派?英国ミステリが薫る動物達の正統派アドベンチャー【爆速プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『Lord Winklebottom Investigates』紅茶はMIF派?MIA派?英国ミステリが薫る動物達の正統派アドベンチャー【爆速プレイレポ】

謎解きは草食みの後で。

連載・特集 プレイレポート
『Lord Winklebottom Investigates』紅茶はMIF派?MIA派?英国ミステリが薫る動物達の正統派アドベンチャー【爆速プレイレポ】
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嵐に閉ざされた絶海の孤島、そこに建つ屋敷で起こったサンショウウオ殺害事件……この謎を解けるのはその場に居合わせたキリン探偵しかいない!水曜9時には特定のチャンネルを観ているであろう方には大好物のシチュエーションで繰り広げられる、動物達の不思議な謎解きアドベンチャー、それが『Lord Winklebottom Investigates』です。

「アガサ・クリスティとシャーロック・ホームズの影響を受けた」の文言通り、「そしてだれもいなくなった」を連想するクローズドサークル、名探偵と医者でバディを組む「ホームズ」の要素をパロディで盛り込みながら、そこに「ズートピア」のような動物ならではの社会生活を盛り込んだ不思議な世界観が魅力です。約6時間ほど(うち2時間は見落としによる引っかかり)でクリアできましたが、英国らしい文化や皮肉の応酬を交え、1本の中編ミステリとして十分楽しませていただきました。

主人公のキリン紳士「ウィンクルボトム卿」は旧知の友であるサンショウウオ「ギルフレー提督」から招待を受け、相棒のカバ医師フランプルと共に絶海の孤島に建つ屋敷へと向かいます。

……と思いきや、島へ渡る船の船頭がトラブルを起こし、まずは港周辺で肩慣らしの探索です。出港するはずの船長ソルティ・ウォーターはいきなり酒場で飲んだくれ、てこでも動かない彼をなんとかして酒場から立ち去らせましょう。

ゲームシステムは極めてオーソドックスなポイント&クリックスタイル。クリックしてオブジェクトを調べ、拾ったアイテムを組み合わせて、新しい突破口を開くために使う。基本的にできることはこれだけで、余計なシステムがない分自分の閃きをひねり出すことに集中しましょう。

ミステリにもいろいろなスタイルがありますが、本作ではポアロのような犯人当て推理では無く、非協力的な相手や行き詰まった状況を機転を利かせてどうにかするホームズ流がメインです。物の拝借や強行突破の無茶もあるので、優等生過ぎる思考は一度忘れた方がいいですね。

船の修理を手伝い、ソルティをやや強引に酒場から追い出して、嵐が迫る中いよいよお待ちかねの絶海の孤島へ向かいます。遅れて到着したウィンクルボトムを待っていたのは、あろうことか招待主であるギルフレー提督殺害の知らせ……外部との連絡手段は遮断、屋敷の中には何やら裏がありそうな従業員と招待客達。何故ギルフレーは殺されたのか?彼らは何故こんなところに招かれたのか?謎解きはウィンクルボトムとフランプルの調査にかかっている――といったところで、ここから先のミステリーは実際にプレイしてからのお楽しみです。

登場キャラクター

ウィンクルボトム卿(Lord Winklebottom)
四足歩行にこだわるキリンの名探偵。気になる場所には文字通り「首を突っ込んで」調べずにはいられない。おいしそうな草はすぐ食べる。

フランプル博士(Dr. Frumple)
常に紅茶を手放さないカバの医師。もちろん検死もできる。若い頃はかなりやんちゃだったらしい。

アリストテレス・ギルフレー提督(Admiral Aristotle Gilfrey)
殺害事件の被害者。屋敷に水路を設置して自由に泳げるようにしていた。ウィンクルボトムとは学友で、海軍所属で世界を旅していた。客を招いた理由は誰にも告げていない。

ベリル・クラッターバック(Beryl Clutterbuck)
ヤギのメイド。遺体の第一発見者。

コンスタンス・ギルフレー(Constance Gilfrey)
ギルフレー提督の一人娘。謎の生き物の影を目撃する。娘……?などと野暮な突っ込みはしてはいけない。

エセルバータ・ギルフレー(Ethelberta Gilfrey)
コンスタンスの母。バードストライクで亡くなった。

ウィンスレット(Sir Winslet)
コンスタンスと婚約しているネコの貴族。ギルフレーとは折り合いが悪かった。

ピーボディ牧師(Reverend Archibald Peabody)
アシカの牧師。ギルフレーとは旧友らしい。

マダム・ラヴィニア(Madame Lavinia)
リャマの霊媒師。自分の能力には自信が無いらしい。エセルベータの幼なじみだった。

デイム・セリア(Dame Celia Wellington-Boot)
耳が極端に悪い老ペリカン。かつては有名な舞台女優だった。

謎解きのヒントは最低限に抑えられており、場所数が限られている分難易度はかなり高め。必要な道具がなにか、どのように加工すれば使えるか、自分でちゃんと考えないと行き詰まってしまいます。その反面、物語の導線がぶれているせいか「試行錯誤している間に次の段階で使う物を用意していた」または「かなり回り道をしないとフランプルのヒントをクリアできない」ということが結構ありました。

特に、ある場面では「先にそれを言って欲しい」と思う仕掛けがあり、数十回も同じところを繰り返してようやく突破できました。これは謎解きのカタルシスよりもシステム的なストレスの方が大きく、非常にもったいない部分です。物語の流れをもっと整理する余地はあるように思えました。

また、シェイクスピアや1920年代当時の生活道具をイメージできないと解けない箇所もあります。ゲーム的に重要アイテムをぶつけていってもクリアはできますが、やはりアガサ・クリスティの世界にある程度通じている人がスムーズに本作を楽しめるでしょう。そうでなくても、動物の習性が混ざる奇妙な社会の断片を拾っていくだけでも結構面白いですし、最後の「ツイスト」には意外な驚きも待っています。

日本語表記にすると一部表示の不具合や誤字、ミスがあるものの、全体としては雰囲気を崩さずしっかりと翻訳ができていました。英語の言葉遊びなどのユーモアも上々です。丁寧に作り込まれた小物類、思いのほか表情豊かに動くキャラクター達、雰囲気のいい実演音楽と、短いながらも価格相応の満足感は十分にあります。変則ミステリの単行本を1冊手に取ってみる感覚でプレイしてみてください。……ミルクの話はしないのが賢明さ、英国紳士としてはね。

  • タイトル:『Lord Winklebottom Investigates』

  • 対応機種:PC(Steam)/Xbox One/ Nintendo Switch

  • 記事におけるプレイ機種:PC

  • 発売日:2022年7月28日

  • 記事執筆時の著者プレイ時間:6時間

  • 価格:1950円


《Skollfang》
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