
北米で大人気のカーレース「NASCARシリーズ」の主催団体であるNASCARは、2023年から“壁走り”走法をすべてのトラックで正式に禁止することを発表しました。
2022年10月、まるでゲームのような“壁走り”走法で怒涛の5台抜きを見せたのは、Trackhouse Racing所属のロス・チャスティン(Ross Chastain)選手でした。
この日は翌月開催の「NASCAR Cup Series Championship」の出場枠をかけた試合でしたが、ロス・チャスティン氏は10番手と絶望的な順位のままファイナルラップに突入。しかし、壁に車体を擦り付けるような“壁走り”で5台をごぼう抜き、出場枠にギリギリ手が届く5位でフィニッシュを決めました。
試合後のインタビューでロス・チャスティン氏は、幼少期にやったゲームキューブの『NASCAR 2005』からヒントを得たとコメントし、この走法は「ヘイルメロン(Hail Melon)」と命名されました。(※アメフト用語で“最後の一発逆転を狙うロングパス”を意味する「Hail Mary」と同氏の故郷フロリダのスイカ農家をもじったもの)

NASCARはこの走法について、スリリングかつ創造性が大きく称賛された一方で危険な行為とみなし、2023年の公式開幕戦「デイトナ500」からすべてのサーキットで正式に禁止と発表。今後、試みたドライバーにはタイムペナルティが科されます。
なお、ロス・チャスティン氏は8代続くスイカ農家の出身ということで「Melon Man Brand」なるブランドも設立。サイトでは“壁走り”走法を決めるスイカ柄Tシャツなど、ユニークなグッズを販売しています。
