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錯視パズルはわかりやすく、穏やかなゲームで楽しい1人称視点トリックアート『Viewfinder』プレイレポ

錯視のおかげで一瞬脳が混乱することがありますが、それによってギミックが解けると「あ!そういうことか!?」と新鮮な気持ちになれます。

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錯視パズルはわかりやすく、穏やかなゲームで楽しい1人称視点トリックアート『Viewfinder』プレイレポ
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注意

本記事はパズルゲームのプレイレポであるため、どうしても解法に関わるネタバレに触れざるを得ないため閲覧注意です。またゲームの一部演出は初見だからこそ味わえるものもあると思いますので、事前情報無しに遊ぼうと考えているような方が、もし何かの間違いでこちらの記事へ迷い込んでしまったのであれば、すみやかにブラウザバックをすることを強くおすすめします。


今回はThunderful Publishingがパブリッシャーを、Sad Owl Studiosが開発を手掛け、2023年7月18日にWindows PC(Steam)/PS5向けにリリースしたトリックアートパズル『Viewfinder』をご紹介したいと思います。

『Viewfinder』とは?

本作は、とある特殊な空間を冒険しながら、自分たちを取り囲む世界の謎を解き明かしていくパズルゲーム。一人称視点による進行に、カメラと錯視といった要素を取り入れたことで、知覚の盲点(?)を突くような爽快感が特徴です。なんでもない背景に、写真をあわせて実体化させたら道ができた……プレイしながら一体何度、「あっそういうことか!」と声に出たことか。

筆者は、先のゲームショーケースイベント「Summer Game Fest」で、開発バージョンの本作に触れており、今回はそこからどのようにブラッシュアップされたのかも含めて、見ていくことができたらと思います。のどかに穏やかに進んでいく世界に、時折不穏な影が顔をのぞかせることが気になりますが、早速やってまいりましょう。


操作・設定・言語

個人的に、本作のメニュー画面はカメラを意識したもので、実際の手触りを感じとれそうなデザインが個人的に好感度が高い部分。効果音もちゃんとピポピポ合ってるんですよね。

操作はキーボード&マウスおよびコントローラーに対応。キーバーインドも自由に変更できるため、お好みでキーやボタンを割り当てていきましょう。どちらの操作で遊んでもプレイに大きな違いはなく、今回筆者はキーボード&マウスの方でプレイ。

SGFでの先行体験では、一部ステージにおける操作のみだったので気づきませんでしたが、本作の設定項目は多岐にわたっています。オーディオやグラフィックといったオーソドックスな項目はもちろんのこととして、ユーザー補助(アクセシビリティ)は、フォントサイズをはじめ本当に細かく調整項目が用意されており、ゲーム体験を各プレイヤーに合わせて最適化できるような心配りがなされています。

また言語については、ご覧の通り日本語にバッチリ対応。音声は英語ですが、字幕が表示されますし、マップ内に貼られる付箋もしっかり日本語対応しているため、プレイには全く問題ありません。

本編開始

さあ始まりました『Viewfinder』。ロード画面が終わると突然見知らぬ世界に放り出されます。本作は一人称視点であるため、晴れ渡る空の綺麗さ、景色の雄大さがなかなか良い感じです。先行体験の時にはわからなかったのですが、どうやらプレイヤー操る操作キャラクターは、何かしらの世界に送り込まれて、ナビゲーター(?)であるJessieの指示に従いながらマップ内を進んでいくようです。

このマップの構成、特に序盤における複数のステージについては、わかりやすい導線が用意されています。たとえば少し迷った時は、その周辺にヒントとなるオブジェクトなどが“さりげなく”配置されており、そこで気付きと学びを得ながら先へ進めるようにデザインされているのです。

もちろんそれ以外にもREWIND(巻き戻し)という能力で、直前までの状態に戻ることも可能。その際、シークバーにVなどのマークが表示され、そこがイベント分岐点などのゲーム進行に関わるクリティカルポイントであるということがわかります。

その際、ボタンをダブルタップすれば一瞬で直前の状態に戻れるので、ゲームテンポと操作感の快適さを損なわず、いつでも巻き戻しができます。またマップは、空中に建物などが寄り集まって足場となっているような立体的な構造です。そのためうっかり足を踏み外して落下してしまっても、この巻き戻し機能を使えば元に戻れたり。

さて本作のプレイバリューのコアは「写真」にあります。特定の場面を切り取った写真を手に取り、今自分がいる世界の、自分の視界に対して実体化することで、マップ内のパズルギミックを解いていきます。

文章で書いてもキョトン必須なので実際にお見せしましょう。いま、私の左手にはとある通路(?)をおさめた写真が1枚あります。

これをこう……いま見えている視界の中で写真を芽の前に掲げ、微調整しつつ実体化すると……

このように写真が“奥行き”を伴って、今いる空間に出現しました。

現実空間に出現・固定された写真の中には足を踏み入れることができます。色が白黒ではありますが、しっかり立体的。ゲームの進行に関わる「テレポーター(転送装置)」なども存在しており、この写真を視界の中でどのように使用するかが攻略の鍵になります。

テレポーターは単独で使用できることもありますが、このようにバッテリーで起動する場合があります。しかしいまの視界の中ではどこを探してもバッテリーの必要個数が集まらない!そんな時は……?

写真を実体化し、その内部に写っている(存在する)バッテリーを回収します。

ちなみにパズルは、テレポーターの起動やバッテリーについては地面を意識する必要はありますが、ある程度の傾斜やズレは許してくれるので、割と無茶な解法でもOKな懐の深さがあります。巻き戻し機能も相まって本作のプレイフィールは窮屈に感じることはほぼ皆無で、実にのんびりとゲームを進めることができましょう。

とはいえ流石に「落下しながらパズルを解けないか?」という筆者の試みは駄目なようです。

ゲームは全体で複数のチャプターで構成されており、最初の3チャプターでだいたいの機能が解放されます。先程の導線の話にも繋がりますが、本作はここのレベルデザインが本当に丁寧で、最初はマップ内に用意された写真を使い、次はマップ内に固定されたカメラで特定の場面を撮影し、そこから更に進むと手持ちのポラロイドカメラでマップ内を自在に切り取りギミック解除の写真として利用する……という流れが実に自然な流れで展開していくのです。

操作自体にまごつくということが極力抑えられた設計で、純粋に、パズルを楽しめるように作られているのです。SGFの現場では作者のMatt Stark氏に直接解説を頂きながら一緒にプレイしたのですが、同氏の穏やかなお人柄がそのままゲームにも反映されたかのような、人に優しいプレイフィールでした。

先行体験と比較して、製品版は世界観が手触りとしてより具体的になっていると感じました。ナビゲーターのJessiしかり、ゲーム内に音声として登場するキャラクター達が織り成す会話が、今世界で何が起きているのかという輪郭を浮かび上がらせ、そしてマップのあちこちに散らばる付箋や書類の内容が世界の真相について興味を掻き立てるのです。

あまり詳しく触れてしまうと大きなネタバレになりかねないので、あえてぼかした言い方をしますが、ゲームをプレイしながら時折感じる「影」の存在が大きいと、個人的には感じましたね。

おわりに

本作は「カメラなどを用いて撮影した写真を利用して、マップのギミックを解いていく」というシンプルなコンセプトでありながら、それをブレないしっかりとした軸にして世界観などで彩りつつ、アクセシビリティでゲームとプレイヤーとの距離や隙間を埋めるという、とにかく優しい心配りを徹底した作品だと感じます。

パズルの難易度も難しすぎずで、「もしかしてこれってこういうことか……?」というモノは試しにといった行動が見事にハマった時の爽快感は素晴らしいものがありました。

  • タイトル:『Viewfinder』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)/PS5

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2023年7月18日

  • 著者プレイ時間:2.5時間

  • サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し

  • 価格:Steam 2,800円、PlayStation Store 2,860円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

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《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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