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Game*Sparkの夏休み自由研究:アリの観察日記 発売30周年のSFC『シムアント』日本語版でアリの楽園ができるまで【特集】

『シムシティ』でお馴染みのウィル・ライト氏の傑作アリゲーム!

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Game*Sparkの夏休み自由研究:アリの観察日記 発売30周年のSFC『シムアント』日本語版でアリの楽園ができるまで【特集】
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気がつけば8月も末。各地では学校の夏休みも終わりはじめています。各地で記録的な猛暑が報じられる中、みなさんは夏休みを満喫できたでしょうか。すでに社会人の読者の方も多いですが、たまには子供や学生時代の、夏休みの宿題などを思い出してみるのも面白いと思います。

今回はGame*Sparkの夏休み自由研究「アリの観察日記」としてスーパーファミコン向けに1993年発売されたアントシミュレーション『シムアント』を紹介。日本のスーパーファミコン版は1993年2月に発売されたので、ちょうど今年で発売30周年ですね!

『シムアント』はあのウィル・ライト作!

『シムアント』は、1991年にアメリカのマクシスからPC向けに発売。『シムシティ』などで知られるゲームクリエイターのウィル・ライト氏が手がける「シムシリーズ」としては3作目の作品です。日本では、1993年にイマジニアからPC/スーパーファミコン向けに日本語版が発売されています。

ゲームは蟻の生態をモチーフにしたシミュレーション・ストラテジーで、プレイヤーは自軍の「黒アリ」の数を増やしながら、相手の「赤アリ」を倒してエリアを制圧するのが目的。アリを増やすためには餌を巣に運んだり、女王アリの産む卵を孵さなければなりません。

OPのドラマが素晴らしい。

プレイヤーは唯一無二の存在である「黄色いアリ」を操作することとなり、チームの行動方針や産むアリの種類などを決定して導きます。さらに、自ら仲間のアリを率いて行動する事もできます。基本的には自分以外のアリは自動で行動するのですが、この行動を利用することで効率的なエサ集めや敵の撃退も可能です。

ユニットとして働きアリ・兵隊アリ・羽アリの種類があり、それぞれ戦闘や巣の管理など得意分野が存在。羽アリは一定数増えることで他の地域(コロニー)へと繁殖のため移動する力を持ち、基本のオリジナルモードでは、合計49個のコロニーを赤アリと奪い合い、最終的に人間を土地から追い出します。

基本的にはオートが便利です。親切。

また、さまざまなシチュエーションで遊ぶシナリオモードも用意されています。拠点の管理やリソースの防衛など、わりと本格的なストラテジーを楽しめる一方で、“アリのサイズの世界だから起きうるトラブル”なども描かれている作品です。

アリの観察日記その1:黄色いアリはとても弱い

今回はオリジナルモードをプレイ。本作にはチュートリアルとして「にゅうもんモード」が用意されていて、基本的なアリの巣の運営や戦闘などの基本を学ぶことができます。ゲームはまず女王アリとして、自分の帝国となる土地を選ぶところから始まります。

土地選びで重要なのは、障害物のない立地であり、近くにエサがある場所を選ぶこと。『シムアント』の最重要リソースであるエサは、マップ内に定期的にポップします。まずは食料がないことには繁殖もできないので、なるべくエサの近い安全な土地に穴を掘り、最初の1匹を産みましょう。

記念すべき女王アリの最初の1匹は、主人公の分身となる黄色アリ。序盤は自分で巣穴にエサを持ち帰りながら、仲間達を増やしていかなければなりません。エサの場所は、ゲーム内の全体マップからいつでも確認可能です。ここで気をつけなくてはならないのは、黄色アリ(=主人公)はとても弱い存在であると言うことです。

本作では争っているアリ同士が近づけば戦闘が発生します。この勝敗はアリの種類に左右されますがわりとランダムなのですが、黄色アリはかなり高い確率で負けてしまいます(勝つこともあるけど計算には組み込みづらいくらい)。幸いオリジナルモードでは黄色アリは残機無限ですが、リスポーンまでは少し時間がかかってしまいます。

死んだら生まれ変わればいい。

マップ内にはアリを捕食する蜘蛛といった敵性生物も。さらに、アリ同士の戦争など知らない人間に踏み潰されたり、芝刈り機にまきこまれたりと恐るべき災害も発生します。踏み潰されて死亡し、復活して巣穴からでた直後に芝刈り機に殺されたときは「リスキルかよ!」と叫んでしまいました。他のアリも結構被害に遭うのでいいんですけどね。人は憎い。追い出そう。

死に方も色々。

アリの観察日記その2:気がつけば任侠もの的な雰囲気に

プレイヤーが操る黄色アリは、他のアリを集合させる/解散させるという能力を持っています。この能力はアリの数が増えてくることで特に大きな威力を発揮し、極端なことを言えば多少の不利くらいならば簡単に巻き返せてしまいます。

最も効果的な使い方といえばエサの確保です。先述の通り本作ではエサはランダムで定期的にポップします。CPUも餌場を見つければ自動で行動し、残した匂いを元に群れに場所を示すのですが、雨によって匂いは流されてしまいます。しかし、プレイヤーはマップでいつでもエサの位置がわかり、そこに近づいて仲間を呼び寄せることができるのです。

群れを呼び寄せるというのは、エサを持ち帰る人員確保だけでなく、エサを取りに来るライバルたちを防ぐこともできるということです。また、大勢のアリをけしかけることで、脅威だったクモやマップをうろつくイモムシなどを逆にエサにすることもできます。エサの確保は群れの体力そのものなので、この点だけでも大きな差が生まれます。

もちろん大勢を率いて敵の勢力を潰すことも可能です。プレイを続けていると、この数を使ったやりとりにはまってだんだん「兵隊(黒アリ)30匹貸してくれたら赤アリのタマ取ってきます」など、どことなく任侠もののような雰囲気を纏ってしまいます。実際のところ貸してくれるも何も、自分がコマンドを選ぶんですけどね。

ゲームに慣れてくれば、余程の戦力差がなければ赤アリ相手に負けることはありません。しかし、オリジナルモードではひとつのエリアで勝ったところでまだまだゲームは続いていくのです。

エサを確保するというのは強いということ。

アリの観察日記その3:アリの楽園

オリジナルモードに勝利するためには49個すべてのエリアを自分のものにしなければなりません。エリアはお互いのチームの女王がいない場合に占領するルールです。

ひとつのエリア内で羽アリを一定数以上にすることで「結婚飛行」が発生し、新たなエリアに女王アリが誕生します。オリジナルモードでは最初のエリア以外は勢力なしの状態なので、先にエリアを確保することが大幅に有利に繋がります。ただし、羽アリがいなくなることで一時的にエリアの戦力は落ちるので注意が必要です。

ちなみに難易度調整的な仕様なのでしょうが、なぜか『シムアント』のこのモードでは、最初のエリアの赤アリを壊滅させると、プレイヤーから離れた地域に突然赤アリが再登場します。こうなるとお互いが戦力を増強し、結果として大規模なエリア争いになっていくのです。

それでも数の力で押し潰したり、小石で敵の巣や導線を塞いだり、敵の巣に突撃して無理やり女王を殺したり、さまざまな手段を講じて赤アリ勢力を削ることで黒アリはこの戦争に勝利。その結果、アリだらけになった家の住人も逃げ出し、ついにアリの楽園が誕生したのです。

小石を駆使して相手の道を塞ぐ。
アリの楽園。

アリの生態を活かしたシステムや、シンプルながらバランスが重要なユニットなど『シムアント』は非常に優れたストラテジーとしても楽しめます。オリジナルモードだけでなく、さまざまなシチュエーション&黄色アリの命が有限のシナリオモードも緊張感がありますよ。

惜しむらくは現時点ではPC版を遊ぶ術がほとんどなく、スーパーファミコン版もそれなりに入手しづらい状況なことです。日本語版は翻訳の質も良く、ゲーム内の百科事典モードなども見ているだけで楽しいのですが……。

アリの生態情報だけでなくゲームの攻略法も。
マップのグラフィックもクオリティが高い。

Steamでは『Ant Empire』『Empires of the Undergrowth』『Ant Queen』『Ant Queen 3D』など多くのアリ作品も存在しています。ゲーマーの皆様も、ゲームでアリの観察はいかがでしょうか?


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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