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PS VR2のマルチプレイFPS『Firewall Ultra』をぼっち&新米プレイヤーは楽しめるのか?ソロPvEに無謀な挑戦!【プレイレポ】

オンライン専用のVR作品を、ぼっちが興味だけでプレイして楽しめるのか。そんなニッチな視点から、『Firewall Ultra』のプレイレポートをお届けします。

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PS VR2のマルチプレイFPS『Firewall Ultra』をぼっち&新米プレイヤーは楽しめるのか?ソロPvEに無謀な挑戦!【プレイレポ】
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よほど器用でない限り、誰しも得手・不得手があるもの。それはゲームのジャンルも同様です。長年ゲームに興じてきたプレイヤーでも、不得手なジャンルはどうしても避けがちですし、実際に遊んでみても得意なゲームほどうまく立ち回れません。

もちろん不得手なゲームを無理して遊ぶ必要はありませんが、「得手不得手」と「興味」はまったくの別物です。特に没入感を促すVR表現が加わると、様々なジャンルに新たな刺激が加わり、これまで体験したことのないプレイ感が味わえる場合もあります。その興味に導かれ、不慣れなジャンルに手を出す人も存在します。

筆者の場合、それは“VRとFPS”の組み合わせでした。ゲームに関してはわりと雑食で、アクションやRPG、シミュレーションにSTGと幅広く遊びますが、FPSは基本的に避けてきました。正確なエイミングに苦手意識があるのと、FPSはオンラインマルチプレイが多いのでぼっちプレイヤーには気が重かったためです。

そのため、ソロプレイ(キャンペーンなど)で遊んだことはありますが、オンライン専用のFPSは未体験。これまでは「これは不得手なジャンルだ」と諦めていましたが、VRでのFPSは一味違う体験が待っているかもしれないと考え直し、興味が湧きました。

対人戦は苦手で、FPSはほぼ新米。そんなプレイヤーがVR系FPSへの興味だけで、オンライン専用FPSを楽しめるのか。8月25日に発売されたPS VR2ソフト『Firewall Ultra』に挑み、ニッチな視点から本作のプレイレポートをお届けします。

操作系は分かりやすく、一部にユニークな機能も

仕事のご縁で発売前のVR系FPSに触れる機会はありましたが、発売後の製品版にじっくり触れるのは『Firewall Ultra』が初。幸い、VR酔いにはそれほど弱くないので(強くもない)、まずは操作に慣れるべくトレーニングをじっくり行ってみました。

『Firewall Ultra』はオンラインプレイ専用タイトルですが、トレーニングエリアはひとりで楽しめるので、精神的負担が少なくてかなり助かります。このまま引きこもっていたい気持ちにも駆られますが、まずは基本となる銃の撃ち方からです。

トリガーはR2ボタンに割り振られており、FPS系によくある「銃の引き金を引く」操作感は本作でも同様。そしてL1ボタンを押すと、左手を銃に添えて安定度が増します。

VR系FPSの場合、リロードが手動の場合があります。腕を動かしてマガジンを取り出し、銃に直接セットするといったアクションです。VRゲームだからこそ可能な操作感ですし、上級者でもリロードの隙が生まれるため、逆転要素として採用している場合もあるのでしょう。

ですが本作の場合、×ボタンひとつでリロードができます。敢えてシンプルな操作にしたのはPvEもあるゲームだからでしょうか。理由は想像するしかありませんが、VRやFPSに慣れていない人にとってはシンプルな方が助かります。当然筆者も大助かりです。

またユニークなのが、片目をつむることでズームする点です。現実世界でも標的をより集中して狙う場合、片目をつむることが良くあります。『Firewall Ultra』はそうした動作をゲーム性に取り入れました。

リロードをシンプルにする一方で、現実世界でやりがちな動きに効果を与える。『Firewall Ultra』流のVR体験に、初手から驚かされてしまいます。

そしてもうひとつ感心したのは、フラッシュバンへの対策です。強烈な閃光で一時的に視力を奪うフラッシュバンは、FPSにおいて生死を左右しかねない危険な攻撃。対処の重要性は問われるまでもありません。

そんなフラッシュバンに対抗するアクションは、“目を閉じる”こと。ボタンやレバーの操作は一切必要なく、瞼を閉じるだけです。特別な操作を求められるといざという時に混乱して失敗してしまいそうですが、これならアクション自体はスムーズに行えるでしょう(その成否はともかくとして!)。

『Firewall Ultra』はこのほかにも、ライフルによる狙撃、ドアブロッカーによるガード、地雷の設置、グレネードの投擲、暗視装置やフラッシュライトのオンオフ、監視カメラのハッキングなど、FPSの基本から攻略に役立つものまで、多彩な要素は一通り揃っていました。

新米がその全てを即座に覚えるのは困難ですが、それはプレイヤー側の問題です。PvPにせよPvEにせよ、対処する手段が多いのは遊びの幅に繋がります。また、ひとつひとつの操作は先ほど触れた通りシンプルで分かりやすく、全般的に動かしやすい印象を受けました。

武器の持ち替えをはじめ、選択はアイトラッキングで行うので、直感的に動かせるのも嬉しいポイント。視線で選んだ後は、そのままボタンを押せば決定できます。ただしUIによっては選択項目が近く、視線が少し揺れると別の項目に振られることもありました。

そうした気になる点もわずかながらありますが、操作方法自体は分かりやすく、初心者でも大きな問題はありません。準備も整い、次はいよいよ実践です。

助っ人を呼んでの初プレイ!

知らない人とオンラインで協力/対戦するのは怖いものの、VR系FPSをひとりで挑むのも腰が引けます。そこで初プレイは編集部の方に助っ人を頼み、2人でPvE要素の「エクスフィル」に挑戦しました。

セーフハウスでもトレーニングでも、ここまでずっとひとりきりでした。そこに現れる、もうひとりのキャラクター。面識のある人相手なので、緊張感よりも安堵感の方が上回ります。フレンドがいれば、オンラインFPSも楽しいんだろうなぁ……!

そんな切ない気持ちに蓋をしつつ、2人で「エクスフィル」に挑みます。ミッション内容はアクセスポイントを押さえてファイアウォールを切り、ラップトップをハックしてデータをダウンロード。必要なデータが揃ったら脱出地点に移動する……とのこと。

トレーニングモードでも感じていましたが、没入感はさすがの一言。自由な視線と移動、そして周辺の実在感のある状況が「この世界の中にいるんだ」という実感を与えてくれます。一方で、移動する際に上下の揺れなどはないので、いきなり酔うような感覚は個人的には感じません。

操作を確認しつつ暗がりを移動するふたり。手分けして探した方がアクセスポイントを見つけやすいのかなと思いつつも、離れる度胸は沸きません。その心細さも、臨場感の高さ故でしょうか。

早速敵兵を見つけましたが、どうやらこちらには気づいていない様子です。装備にはナイフもあるので「ステルスキルが出来るのでは?」とボイスチャットで意見を交わし、まず暗殺を仕掛けてみます。PS VR2に備わっている標準のボイスチャットでも会話に問題はありません。

しかし、問題がなかったのは会話だけ。狙ったターゲットへ近づく前に別の敵に気づかれ、背後から奇襲を受けてあっけなく死亡。しかもふたり同時に死んだので、助け合うことすらままならず敗北しました。……な、情けない!

オンラインプレイ専用だけど、ぼっちでも遊べる?

全く見せ場のない初戦だったので、再チャレンジ……と言いたいところでしたが、助っ人プレイヤーの方がVR酔いでダウン。その方も事前にトレーニングを受けており、その蓄積が限界に来たそうです。

後日軽く話を伺ったところ、ゲーム開始直後の時点で「ゲーム内で一歩進んだ瞬間“ヤバイ”と思い、ドロップアウトを考えた」「ゲーム離脱後、社内のエレベーターまで歩くときまで地面が揺れているように感じた」と、かなりVR酔いがきつかった模様です。個々人の体質もありますが、『Firewall Ultra』は人を選ぶ面があるのかもしれません。

筆者の方は幸いVR酔いはまだ感じておらず、このままプレイを続行。しかし貴重な相方を失った今、どうやってプレイを続けるか悩みます。素直に野良のオンラインプレイに挑むのが正道だと思いますが、それが出来ていたらぼっちプレイヤーなんてとうに卒業しています。正解だけが正義じゃない!(暴論)

オンラインマルチプレイ専用のゲームで、ひとりで楽しむ手段を探す方が明らかに間違ってます。それを重々承知しながらも、何か手段はないかと考えたところ……先ほど遊んだ「エクスフィル」には、もうひとつ「プライベート エクスフィル」がありました。

「これならプライベートで、そしてひとりでもプレイできるのでは?」と希望を抱き、オンラインゲームをソロで挑むプレイに踏み出してみます。

臨場感だけじゃない、VRだからこその魅力がある『Firewall Ultra』

予想はまさに的中し、データを入手するPvEが無事始まりました。ひとりしかいないので心細さが一気に跳ね上がりますが、オンライン上の誰かに迷惑をかけるよりは気が楽なので、このままプレイを続行。我ながら難儀な性分です。

ひとりきりでプレイすると、周囲により気を配っている自分に気づかされます。また、よく耳を済ますと、敵の独り言や会話らしき声が聞こえてきました。初戦は余裕がなくて気づかず終いでしたが、ささやかな音も攻略の重要な要素と言えるでしょう。

慎重に移動するとアクセスポイントを発見。着実な一歩が妙に嬉しくなります。備え付けのイヤホンから聞こえてくる「上出来ね。でもまだここからよ」というアナウンスに励まされつつ、次はラップトップを目指します。

その途中、監視カメラのハッキングポイントがありました。これで周囲を確認すればもっと安全に移動できそうだと考え、早速起動……

……している途中にまさかの襲撃! 満足に反応する間もなく、あっさり死亡となりました。

初戦といい今回といい、敵の強さは結構手ごわい印象です。こちらが不慣れなのも大きな原因ですが、チーム内で助け合えるマルチプレイ前提のためか、プレイヤーの体力は少な目に設定されているように感じます。攻撃を受けてから死ぬまでが早く、ソロプレイだとなかなか厳しい手応えです。

しかしプレイを重ねていくと、ラップトップのハッキング開始まで持ち込めたり、全く倒せなかった敵をひとり、ふたりと倒せたりと、プレイ回数を重ねるたびに少しずつ戦果が伸びていきます。

ソロプレイだと特に、敵が先にこちらを見つける展開は厳禁。先手必勝を心がけ、周囲の反応にも注意深くなっていきます。

敵の位置は視覚だけでなく話し声などでも察せるので、用心深い進行は十分有効。曲がり角から少しだけ顔を出したり、壁越しに耳を傾けたりと、現実さながらのアクションで警戒できるのはVRならではです。

VRの恩恵が単なる臨場感だけでなく実際の攻略にも役立つのは、ならではの体験と言えるでしょう。不得手でも飛び込んだ甲斐がありました!

一方で、ソロでも『Firewall Ultra』を十分楽しめるかと問われたら、やはり厳しいと答えざるを得ません。上級者なら別かもしれませんが、マルチプレイ前提のゲームにひとりで挑むのは、勇気ではなく蛮勇の類でしょう。バランス的にも厳しく、ぼっちプレイヤーには残念ながらお勧めしにくいタイトルです。

もちろんこれは本来のターゲットであるユーザーからの目線ではないので、『Firewall Ultra』への正当な評価とは言えません。ソロでのプレイはおそらく想定外でしょうし、順当にマルチで遊んで腕前を磨いていけば、十分楽しめるような手応えも感じています。

また、もうひとつの視点である「新米プレイヤーでも楽しめるのか」という点は、少なくとも操作性の面では十分です。操作のひとつひとつが分かりやすく、アイトラッキングも直感的な助けとなるので、一度慣れれば操作自体は新米プレイヤーでも問題ないでしょう。目をつむるフラッシュバン対策や、物音に耳をすまして敵の位置を想定するといった、誰でもできる基本動作が攻略上役立つのも新米向けと言えます。

ただしサンプル数が少ないので参考程度ですが、人によってはVR酔いを誘発させやすい可能性があるので、その点だけご注意ください。


王道のプレイレポートとは趣きが異なりましたが、“不得手ジャンルだけど気になる作品”があるという人も少なくないでしょう。なかなか踏み込めない一歩に敢えて挑んでみたらどんな感触が得られるのか。そんなチャレンジを兼ねたプレイレポートをお送りしました。

今回のプレイを通して『Firewall Ultra』のソロは厳しいと実感しましたが、それを承知で「もう一度……!」とついついプレイを重ねてしまったのも事実。無謀な挑戦と知りつつも、まだトライしたい。そんな気持ちに駆られた『Firewall Ultra』のプレイとなりました。

《臥待 弦》
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