今回はGalvanic Gamesがデベロッパーを、Devolver Digitalがパブリッシャーを担い、2023年10月17日にSteamにてWindows PC向けに、コンソールではPS5/Xbox Series X|S向けにリリースした魔法ガンマン箱庭サバイバル『Wizard with a Gun』をご紹介したいと思います。なお執筆に際して、Windows PC版を使用。
『Wizard with a Gun』とは?
本作は、とある「崩壊した世界」を舞台に、時間を何度も巻き戻しながら、毎度姿かたちを変える箱庭マップを探索していくサバイバルADV。魔法使いと聞けば杖を振って云々なイメージを抱きますがどっこい、本作は銃を撃って云々していくのが大きな特徴です。
ゲームのコアバリューは、そんな魔法銃と弾丸のカスタマイズにあり、探索を繰り返しながら素材を集めて、クラフト・研究・エンチャントをこなし、自分だけの最強ウィザードを目指していきましょう。ただし探索中に死亡すると一部を除きアイテムロストしてしまうので、欲張りはくれぐれも禁物。
本作はこういったローグライク要素に加えて、マップ自体に制限時間が設けられているおかげで、ダラダラとした探索を防ぎ、締まったゲームプレイを提供してくれます。5分ごとにリセットされる世界で我々は一体何を見るのか……さっそく紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
本作の操作は、キーボード&マウスおよびコントローラーに対応。操作感に大きな差はありませんが、個人的な好みから、今回の記事ではコントローラーを使用しました。その他設定については、グラフィックやオーディオについて基本的な項目が並びます。
なお言語はバッチリ日本語にも対応。たまにセリフ回しがやや硬いように感じましたが、プレイする上で支障はありませんでした。
本編開始
さあ始まりました『Wizard with a Gun』。本作はマルチプレイにも対応していますが、今回の記事では主にシングルプレイを中心に基本的なゲームの流れを紹介していけたらと思います。
ところでトップ画面からコンテンツロードマップなるものを開くと、無料アップデートの予定日時を確認できます……が、肝心の日時が未定のままですね。今後の情報更新を要モニターですね。
ニューゲームから新規プレイを開始。ゲーム側からチュートリアルをおすすめされるので、ここはお好みで選びましょう。個人的には、本作のゲームルールを学べたのでありがたい安全講習(?)でした。
ムービーが物語の立ち上がりを見せつつ、続いてプレイヤーの分身となる魔法使い「ウィザード」アバターの選択画面に移ります。
ウィザードの外見は頭の天辺からつま先まで幅広くカスタマイズが可能。ゲーム開始直後は外見のみの変更ですが、ゲームを進めると、各装備に様々な効果をエンチャントできるようになります。お気に入りの装備でオシャレに強いウィザードになりましょう。
チュートリアルで学ぼう
さてチュートリアルステージの始まりです。墜落した船から脱出した我らが主人公を操作して、ガイドの指示に従いつつマップ最奥を目指しましょう。カメラはこのように斜めからの見下ろし視点になっており、視界に入る大抵のオブジェクトは破壊可能で、素材を入手することができます。
しかし現時点では「銃」を紛失してしまいステゴロ(?)状態。そのためこの目の前の木箱を破壊すべく、こうして己が拳を打つべし打つべしするウィザードがそこに。
そうやって入手した素材は、後々の作業で数量が必要になってくることもあるので、インベントリが許す限り、ゲーム序盤からストックしておくと良いでしょう。
こちらは丸腰なのに敵は平気で遠隔攻撃を仕掛けてきます。誉れはどうした誉れは。とはいえ、たいてい予備動作または攻撃予測範囲が表示されるので、落ち着いて対処すれば問題ないでしょう。
問題なっ……
…………………。
そんなこんなでチュートリアルステージの目標である「ゲート」にたどり着きました。このゲートは、別のマップへと移動するためのオブジェクトです。まずはここから「タワー」と呼ばれる、今後の拠点となる場所へ移動しましょう。
「始原の書」なるアイテムでオブジェクトをスキャンすることで、使用可能になったり、自分で作成可能になったりします。拠点内だけでもスキャン可能なものは多くあり、後々のタスクでは、他マップで敵をスキャンするといったこともあります。
スキャンすればするだけ、始原の書における利用可能の項目が埋まっていきます。ゲームの進行からは少し前後する内容になりますが、拠点内はかなり広く設計されており、進行度に合わせて探索可能範囲が広がり、また利用可能な設備も増えていきます。
床などのインテリアオブジェクトも作成可能。それらを自由に配置することで、自分だけのオリジナル拠点を作れるのは魅力ですね。
ゲームの基本的な流れ
ともあれここから本格的に世界の探索が始まります。「時間術師の回転盤」を起動して時間を巻き戻すことで、毎回新しい形に作り変わるダンジョンマップを探索し、ストーリー進行ごとに更新される各タスクを埋めていきましょう。
アイテム「古代の歯車」を入手すれば、回転盤を通じてさらに様々な世界(時間軸)マップへ移動することが可能になります。
しかしその探索中にはモンスターなどの敵や、カオスと呼ばれる現象が襲いかかってくる……そんな脅威から実を守るためには、手持ちの武器(魔法の銃弾)の開発なども必要になってくる……。
つまるところ本作におけるコアのプレイバリューは、探索・研究・クラフトという3つの要素を回しながら、少しずつ自身を強化していくことにあります。
銃弾のクラフトは、少ない要求素材で100発単位で作成できたりするので、慣れたプレイヤーだとここらへんで「なるほど、このゲームはガンガン攻めて良いんだな?」と気づくかもしれません。
もちろん研究を進めて、より強い弾を使用しようとすると、要求素材自体をクラフト作成する……といったことも増えるため、おいそれと作りづらくはなりますが、それでも比較的作りやすい部類だと感じました。
また並行して素材集めのためだけにマップへ繰り出すのも良いでしょう。さらに研究ができるのであれば、ガンガン進めて弾を強化していくほうが良いのかもしれません。
さてさて冒頭でも少し触れましたが、本作の特徴でもある「制限時間によって崩壊(リセット)するマップ」というシステム……ダラダラとマップを彷徨いて探索に終始しがちな流れを断ち切り、引き締まったゲームプレイを提供してくれるため、個人的には結構好きな部分です。
もちろん素材が多く必要になる序盤は、その制限時間がネックになって「もう少し探索できたのに……!」と歯噛みする場面もでてきますが、それでも研究・クラフトに充てられる必要数は持ち帰ることができるので総合的にはグッドと言えましょう。
さらに個人的に好感度が高まるのが、その制限時間になっても、即終了キックアウトにはならない点です。「世界が終りを迎えている!」という表示とともに、どんどん敵が沸いてくることによる焦り……マップ内で死亡すると、装備品を除いてアイテムなどロストしてしまうのでコントローラーを握る手にも力がこもる程よい緊張感……。
拠点であるタワーに戻るには、マップのゲートを使用する以外なく、やっとの思いで辿り着いた時の安堵感たるや!余韻に浸りながら戦利品を研究・クラフトに突っ込む楽しさは本作の醍醐味と言っても良いでしょう。
ただし序盤における、リュックや収納箱の容量の少なさは、頭を悩ませる要素かもしれません。特に筆者は、勿体ないからアイテムを温存しがちな性格なので、あっという間にインベントリがぱんぱんに……。とはいえ、出し惜しみせずに「研究・クラフト」に使えば、最終的に探索も効率良く進むことに気づいてからはスイスイ遊べた印象です。
それでも素材が余ったり、装備アイテムがかさばってきたら、アルカナエネルギーに変換して別の装置利用の糧にしてしまいましょう。
おわりに
序盤ですと、まだまだ敵との戦闘にも苦戦することが多いことでしょう。そこでおすすめなのがやはり、探索は一度忘れて素材集めのために何周かマップを駆け回ることだと思います。
手持ちの素材は使ってなんぼなので、下手に温存して最奥まで探索しようとすると、結果的に火力不足だったりジリ貧になったりと「あと一歩で届かない」といった場面が出やすい印象でした。とにかく拠点へ持ち帰って加工するなり研究するなりガンガン使用する方がだいぶ遊びやすいとも感じますね。
タイトル:『Wizard with a Gun』
対応機種:Windows PC(Steam)、PS5/Xbox Series X|S
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2023年10月17日
著者プレイ時間:2.5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:2,800円(Steam)、2,750円(PS5)、2,900円(Xbox Series X|S)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
制限時間があるおかげで探索の中だるみを防いでくれるのがナイスデザインスパよ!