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「ガッカリな迷作」の烙印を押されたキングコングアクション『Skull Island: Rise of Kong』は、本当に「今年最悪のゲーム」なのか?

キングコングが主人公の新作ゲーム『Skull Island: Rise of Kong』。しかしこれは、悪い意味で大きな話題になってしまいました。

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「ガッカリな迷作」の烙印を押されたキングコングアクション『Skull Island: Rise of Kong』は、本当に「今年最悪のゲーム」なのか?
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キングコングが主人公の新作ゲーム『Skull Island: Rise of Kong』。しかしこれは、悪い意味で大きな話題になってしまいました。


ある人は「低品質」、またある人は「3世代前のゲーム」、そして「2023年最悪の作品」という声まであります。『Skull Island: Rise of Kong』について検証するゲーム実況動画も多数アップされていますが、本来「そのゲームがクソゲーか」というのはそれなりの時間をかけて行うべきもの。早い段階で「これは今年最悪の作品だ!」と決めつけてしまうのは、いささか危険ではないでしょうか。

そこで今回、筆者が噂の『Skull Island: Rise of Kong』をプレイした上で「良い点」「悪い点」を解説したいと思います。

効果音は素晴らしい!

「キングコング」。1933年に公開されたこの映画は、まさに「特撮映画の先駆け」でした。

見世物にされていたコングが脱走し、ヒロインのアン・ダロウを片手に握りしめながらニューヨークの大都会を荒らしまくり、最後はエンパイア・ステートビルによじ登る。特撮技法を盛り込んだこの作品は、大恐慌のダメージに苛まれていた当時のアメリカ人の度肝を抜きました。

さて、今回の記事で取り扱う『Skull Island: Rise of Kong』は1933年の映画にも登場する髑髏島が舞台となります。若きコングが両親の敵を討つため、そしてジャングルの王となるために髑髏島を暴れ回る……というシナリオです。しかし、リリース直後から「グラフィックがPS2レベル」というような悪評が飛び交っています。

カートゥーン調の特徴的なアートスタイルを採用していますが、確かにのっぺりとしたキャラクターモデルや粗い環境テクスチャなどが目立っており、そうした批判も納得の出来。さらにコングのモーションもぎこちなく、とにかく「安っぽさ」が目立ちます。

ただ、筆者としては「グラフィックが全てではない」という確固たる信念があります。そしてそれを裏付けるかのように、『Skull Island: Rise of Kong』にはコングの重量感を十二分に表現する効果音が実装されています。

ジャンプしたコングが着地した時や、地面を叩き割る時の「ドン!」という効果音。これがコングのアクションに重厚感を与えていることは間違いありません。このあたりはもっと評価される点じゃないか……と思いますが、いかがでしょうか。

どうして一本道じゃないの…?

ただし、さらにゲームを進めていくと効果音だけでは補い切れない部分も見えてしまいます。

まずひとつは、バグの多さ。岩場の縁などは一度ハマってしまうとまったく動けなくなってしまう場所が複数あり、「チュートリアルステージなのにちゃんと確認しなかったのか?」と頭を抱えてしまいました。敵の死骸がコングを追尾してくるバグもあります。

そして、それ以上に筆者を悩ませたのが……チュートリアルステージなのに、一本道ではないという点です!

行くべき方向をガイドする矢印もまったくなく、最悪来た道をいつまでもグルグル周回するということも。いや、あのね? これ、チュートリアルでしょ? もっとサクッと進めるような導線を作らなかったんだ!? ちなみに、マップはあるもののコングの現在位置の表示がないという男らしい仕様です…。

そのチュートリアルステージ自体もかなりボリュームがあり、正直ここで挫折する人が少なくないんじゃないかなぁ……と邪推してしまいます。

どうして岩を捨てるんだコング!?

その上、「本当にここは正規ルートなの?」と首を捻ってしまうほどの道なき道を行かなくてはならないという難点もあります。

岩と岩の間をジャンプするところがあるのはいいのですが、その位置がどうも分かりづらいというか……。ステージが無駄に広いため、どこに行けばいいのか見当がつかない状態になってしまいました。

そしてコングは「地面から岩を取り出して投げる」というモーションもできるのですが、この投擲はコングが一歩でも動けばなぜか岩を捨ててしまいます。「岩を持った状態で歩く」というのは、どうやらできないようです。う~ん、どうも操作がし辛い……。

ともかく開発陣がすぐにでもやるべきは、「一切の動作ができなくなるバグポイントの修正」と「不親切なチュートリアルステージの改善」だと感じました。

まぁでも、遊べないわけじゃない。4,500円は高いけど…

しかし一方、この作品を「今年最悪のゲーム」と言ってしまうのはさすがにオーバーだという思いもあります。

筆者にとっての「今年最悪のゲーム」は、今年2月にSteamで配信が開始された『Wild West Dynasty』です。これはアメリカ西部開拓時代が舞台なのに、銃を持たない無表情のオッサンがただただ荒野を歩行するという内容になってしまいました。早期アクセスの段階とはいえ、これはいくら何でも……というのが正直な感想です。

それに比べれば、『Skull Island: Rise of Kong』はゲームとしての体を成しています。面白いかどうかはさておき、まったく遊べないということはありません。

ただ、このクオリティーで4,500円というのはやっぱり高い気が……。筆者としては版権作品でなければ、1,000円で十分といったところだと感じました。

《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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