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JRPG×ミリタリーアクション!日本をオマージュしつつも独自のセンスを持ったチリ製RPG『Long Gone Days』【TIGS2024】

「チリだからこそ作れるJRPG」という印象すら抱きました。

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JRPG×ミリタリーアクション!日本をオマージュしつつも独自のセンスを持ったチリ製RPG『Long Gone Days』【TIGS2024】
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3月2日から3日にかけて、東京都吉祥寺で「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024(TIGS2024)」が開催されました。本イベントは吉祥寺駅周辺の複数地点で開催されるインディーゲームイベントで、数多くのゲームの試遊台が並びました。

今回ご紹介するのはThis I Dreamtが手掛けたチリ発のJRPG『Long Gone Days』です。「TIGS2024」でのジャンルはRPGですがSteamタグには「JRPG」の文字が。そのタグの通り、本作は日本カルチャーに大きな影響を受けた一作でアニメ調のキャラクターやコマンドバトルシステムなどからもそれが伺えます。

しかし同時に、“海外ミリタリーアクション風なストーリー展開”や“銃に対する理解度の深さ”など、日本の感性では珍しく感じられる要素もふんだんに盛り込まれており、「ジャンルとしてJRPGではあるものの日本からでは生まれ得ない作品」という相反した感想も抱きます。

今回は英語版での試遊となりましたが、関係者にお話を伺ったところ日本語版実装も予定しているとのこと。さらに今回の出展にはチリ大使館も関わっていると、日本展開へ大きな期待を抱けます。本稿ではそんな“チリ産JRPG”『Long Gone Days』試遊の模様をお届けしていきます!

◆“チリ製JRPG”と感じてしまうことに衝撃! 海外ミリタリーアクションがアニメ調で繰り広げられる『Long Gone Days』

『Long Gone Days』は主人公の「Rourke」が狙撃銃を構えて待機しているシーンからスタートします。ドット絵のセンスが良い雰囲気を醸しだしています。キャラクターイラストも、ちょっと昔によくあった“日本風だけどどこか日本風じゃないイラスト”ではなく、Rourkeは普通にカッコいいし仲間の「Lynn」も可愛いですね!

『Long Gone Days』には狙撃フェイズも存在しており、Lynnから指示を受けつつドローンや敵兵を狙います。限られた弾数でマップを移動するターゲットを落としていくというシンプルなものですが、操作をマウスではなく「WASD」で行うこと、狙撃地点から見た「遮蔽物」が存在し、敵が隠れたりすることから、結構こちらを焦らしてくれます。筆者のような「シンプルなインディーゲーム好き」は、ここだけで結構やり込みたくなる中毒性を感じます!

スナイパーとして黙々と敵兵らを排除していたら、狙撃地点にフル装備の敵が突入!ずっとスナイパー視点でいたかったのですが、確かに敵地で狙撃をしてたらすぐ突入されますよね! 敵兵も同じくアニメ調ですが、表情までしっかり書かれていることに加え、特殊部隊然としている佇まいが“雑魚な感じ”を感じさせず緊迫感を持たせてくれました。

そしてここでは“銃撃戦でのコマンドバトル”が展開されました。「銃撃戦」と書いた理由は、敵への攻撃部位が腕、胴体、頭と細かく分けられているからです。頭を狙えば当然大ダメージを加えられるのですが、その分命中率は低く避けられやすい。腕を狙えば敵の行動を阻害できるなど、リアルな銃撃戦が行われます。

もちろんJRPGらしくカットインありのスキルを発動することが可能で、全てを銃弾に頼る必要はありません。ベースとなるのはコマンドバトルであって「狙撃箇所」や「グレネードの投擲」といった“ミリタリー要素”がその中に内包されています。

彼らを倒して物語を進めると、舞台は変わってRourkeたちが所属する民間軍事会社「ザ・コア」内部へ。民間軍事会社と言いますが、どこか怪しげです。

ブリーフィングで任務の功績を褒められ廊下に出ると「ザ・コア」の偉い人っぽい写真が壁に大きく張られています。……この演出は悪の組織ですね!

根拠の薄い推測はさておき、ストーリーが本格的に動き始めるのは主人公のRourkeが「ザ・コア」に反旗を翻す所から。Rourkeは「ザ・コア」の地下施設で育った人間でありながらも、任務を通じて「子供のころ教わっていた高潔な理念」とかけ離れた組織に疑問を抱くようです。

会場にあった本作の概要には「現代の紛争」「言語の壁」「戦争がもたらす人的犠牲」がテーマだと書かれており、この先重厚な物語が展開するであろうことは想像に難くありません。

今回のプレイで『Long Gone Days』に抱いた印象は「日本ではあまり育まれない感性で彩られたJRPG」という一種矛盾した想いです。間違いなく日本の作品群をオマージュし、その完成度は高い水準にあります。

個人的には「定義があやふやながらも“JRPG”と言えてしまう」ことにも驚きますが、そのうえで日本にない独自の感性も感じられることが強みであり、本作の特徴だと感じます。ベースにJRPGを敷きながら濃厚な“海外ミリタリーアクション”が展開されるのが『Long Gone Days』でしょう。


時期は未定ですが『Long Gone Days』は日本語対応予定です。その際にはぜひ“チリ製JRPG”を楽しんでみてはどうでしょうか。

《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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