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ペリーとチャンバラできる!?オープンワールド幕末アクション『Rise of the Ronin』先行プレイレポ!開発者へのインタビューもお届け

『Ghost of Tsushima』からの影響は?開発者に気になることをインタビュー!

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ソニー・インタラクティブエンタテインメントは3月22日、コーエーテクモゲームスのTeam NINJAが開発するオープンワールドアクションRPG『Rise of the Ronin』を発売します。

本記事では、発売前に行われた世界最速の先行試遊プレイレポートとあわせて、開発プロデューサー兼ゲームディレクターの安田文彦氏&プロデューサー早矢仕洋介氏へのインタビューの模様をお届けします。なお、試遊にはCEROレーティング「D」相当の表現となるバージョンを使用しています。

オープンワールドの幕末日本を冒険!

本作は、幕末時代の日本を舞台としたオープンワールドアクションRPGです。キャッチコピーは「運命を切り開け」。プレイヤーは名もなき浪人として江戸・横浜・京都の三都市を渡り歩き、混沌とした幕末の時代を体験します。主人公は、徳川幕府を討つべく2人1組で育てられた「隠し刀」と呼ばれる存在です。

幕末時代に実在した人物が多数登場するのが特徴で、坂本龍馬や吉田松陰、マシュー・ペリーなど日本に変革が起ころうとしていた時代の重要人物と「因縁」を結んでいくことになります。また、プレイヤーの選択によって、史実とは異なる自分だけの歴史を紡いでいくことができます。

Team NINJAメンバーの他には、シナリオと映像監督には映画「るろうに剣心」や大河ドラマ「龍馬伝」を手掛けた映画監督・大友啓史氏や、『Starfield』や『Fallout』シリーズで知られるコンポーザーのイノン・ツゥール(Inon Zur)氏と、本作にぴったりの豪華スタッフが参加しています。

アクションはTeam NINJAが得意としてきたパリィ(本作では石火と呼ばれる)やガードが重要なデザインとなっており、高難度でヒリついた近接戦闘が楽しめます。敵の攻撃をガードしたり、R1+△or□で繰り出せる武技という強力な技を繰り出したりすると、体幹を徐々に弱らせていくことが可能。ゲージをすべて削りきれば、△で大ダメージを与えるトドメ攻撃を行えます。

西洋の文化が流れ込んできた幕末らしく、鉤縄などの遠距離武器を副武器として活用することもできます。近接でのコンボに使うのはもちろん、見つかる前に遠距離から先行でダメージを与えたり、鉤縄で火炎樽を投げつけて炎ダメージを負わせたりといったアクセントを加える使い方もできるのがユニークでした。

とはいえ、今回は難しいアクションが苦手なプレイヤーをカバーできるよう、難易度を三段階から選ぶこともできるようになっています。リニアな作りだったこれまでのTeam NINJA作品とは異なり、オープンワールドの幕末は他にも魅力たっぷりなので、難しい戦闘はあまり得意じゃない……!という方も楽しめるのは本作ならではの魅力と言えます。

オープンワールドはなかなか広く、村人のお願いを叶えてあげたり、悪人に絡まれている人を助けたり、占領された村を解放してあげたりといったオープンワールド定番のサブ要素はもちろん、屋根の上などちょっとたどり着きにくい場所でくつろいでいる猫ちゃんに近寄って愛でる……という、最高に可愛い収集要素も用意されています!

自然にあふれた田舎道も、さまざまな文化が入り交じる横浜の都市も見ごたえがあるので、ただ探索しているだけでも満足感があります。探索が楽しいオープンワールドっていいですよね……!

試遊で最も印象的だったポイントは、史実キャラクターとの絡み方にさまざまなバリエーションがあることです。ゲーム序盤では、黒船に潜入してマシュー・ペリーと剣や銃で死闘を繰り広げるというシーンがあるほか、ゲーム序盤では同じく世界をさまよい歩く坂本龍馬と仲良くなり、横浜で同居するまでの仲に発展します。

本作には「因縁」という概念があり、プレイヤーがストーリー中で行った選択や行動によって、キャラクターたちとの関係性が変化していきます。

史実の人物が出てくると聞くと「歴史モノってよく分からないんだよな……」と身構えてしまう人もいるでしょう。しかし本作ではカットシーンや会話中に△ボタンで「関連項目」を開けば、そのシーンに関連する出来事や用語、人物のプロフィールなどを確認することができます。『ファイナルファンタジーXVI』に搭載されていた「アクティブタイムロア」に近いシステムです。

正直に言うと筆者は歴史に疎く“死にゲー”なアクションRPGもあまり得意ではありません。しかしながら難易度や装備によって難所も突破しやすくなっていたり、物語の背景を読み解く資料が充実していたりと、誰でも楽しめる作品に仕上がっていそうだと感じました。

『Ghost of Tsushima』からの影響は?安田文彦氏&早矢仕洋介氏に合同インタビュー!

ここからは、開発プロデューサー兼ゲームディレクターの安田文彦氏(写真右)、プロデューサー早矢仕洋介氏(写真左)のお二方への合同インタビューをお届けします。

――Team NINJAといえば、『仁王』を筆頭にリニアな作りの高難度作品が有名ですが、オープンワールドかつ日本を舞台にした作品にしようと考えたのでしょうか。

早矢仕洋介氏(以下、早矢仕)そもそも『仁王』のときから、『NINJA GAIDEN』のノウハウを生かした新たなチャレンジをしようというところから出発していました。そして『仁王』が多くの方に受け入れていただけたので、その遊びを広げた続編やコラボ作品『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』などを制作してきました。

今回の『Rise of the Ronin』では、そこも伸ばしつつ未来に向けて新たなチャレンジをしていこうという取り組みもしていまして、タイムスリップをしたかのような体験をしていただくためには「オープンワールドにチャレンジするべき」だと企画当初から想定していました。ゲームエンジン部分からしっかり作ってきているので、長い目で見れば自然といいますか、必然といえる挑戦だと考えています。

――開発にはどれほどの期間をかけていたのでしょうか。『仁王』より早く立ち上がったという話もお聞きしたのですが……。

安田文彦氏(以下、安田)企画書やコンセプトを早矢仕と考えていたのが、2015年末あたりでした。ただ実際に制作し始めたのは『仁王2』が終わってからなので、実制作期間は4年、トータルでは8年くらいですね。

――Team NINJAタイトルとして、過去にも“縦マルチ”展開の経験はあったと思いますが、現世代機専用かつPS5向けタイトルというのは今作が初かと思います。このプラットフォームに限定したことで実現できたことや、逆に苦労したことなどがあれば教えてください。

安田『仁王』シリーズなどでもいわゆる“縦マルチ”での展開はしてきましたが、今回はPS5独占ということで、オープンワールドという初めてのチャレンジにおいてハードウェアスペックに非常に助けられました。これまでのアクションの激しさを崩さずオープンワールドを表現するためには、ハードウェアのスペックが高くないと実現できないことも多かったと思います。今回は初期からソニー・インタラクティブエンタテインメントさんと協力して、ハードやコントローラー含めて良い形で開発を進められました。

――これまでとは違い、幕末という時代設定を選んだ理由はなんだったのでしょうか。

早矢仕一部DLCでは戦国以外の時代を描くこともありましたが、シブサワ・コウも含めた全社挙げてのチャレンジを目指していたので、次に挑むモノは幕末でいきたいと決めました。

自由に選択するオープンワールドに加えて「誰に味方するか」という自由度をつけるにあたって、浪人が主人公であることや幕末というテーマが、とてもうまくハマったんですよね。日本を良くしていきたいけど「誰についていくのが日本のためになるのか」という体験を描ききったゲームはこれまでも少なかったと思うので、挑戦してみようと考えました。

安田主人公の浪人は、主義や思想がない自由なキャラです。なので、本作での冒険の仕方はプレイヤーの好みで選んでいただいて大丈夫です。倒幕・佐幕それぞれのキャラの考え方を加味して選択してもいいですし、「このおじさんなんか好きだな~」「このおじさん、なんか嫌い」程度に考えて、カジュアルな気持ちでプレイしても大丈夫です。どうしても歴史モノは真面目になりがちなのですが、押し付けがましくならない、プレイが苦にならないところは意識して作っています。

――オープンワールドと言えば「移動」が面白さの構成要素のひとつとして挙げられます。今回は乗馬や鉤縄を使ったグラップリングフックのような移動、そして滑空がすでに公開されています。この要素を作った理由などを教えてください。

安田今回は三都市を舞台にすることは決めていたので「やはり馬には乗りたいよね」ということで制作しました。リアリティもありますしね。「鉤縄」は、ゲーム内で立体的なアクションをさせるにあたってジャンプ以外にもバリエーションが欲しかったため、取り入れました。「隠し刀」が忍者と侍のハイブリッドのような設定なので、鉤縄のような隠し道具を使わせたいという考えもありました。

滑空装置については皆さんも“ファンタジー的な要素”と考えているかと思うのですが、実際に幕末の発明家が設計図を残していて、そこから着想を得て制作しています。もちろん西洋の技術や知識を取り入れてちょっとアレンジは加えてはいますが「時代劇で空を飛ぶ!」という体験はあまりなかったかと思うので、やはりリアリティより体験を重視した部分です。

――「リアル」と「ファンタジー」の折り合いは、どのようにつけましたか。

安田検証や時代考証はコーエーテクモの得意な面なのでそこは大事にしつつ、やはり先ほど述べたように体験ベースでちゃんとケレン味があるのかという部分で、時代そのものではなく時代劇ファンタジーであることを意識して作りました。「アクションゲームとして気持ちいいものを見せる」「リアリティはあるけど、だらだら馬に乗るような気持ちよくないリアリティは捨てる」といった風に判断しています。

――本作の町並みは“日本の開発者ならでは”というようなリアルさを感じたのですが、世界設定を含めてどのような取材を行われてきたのでしょうか。

早矢仕幕末時代のことが記された資料は、もちろん調べました。また、舞台のひとつである横浜に残っている当時の資料をCGスタッフ達で実際に見学させていただいて、当時の写真などを参考にゲームとして見栄えするものを作りました。「日本の開発者だから」という意識があったと言うよりは、画面からにじみ出る納得感をしっかり表現することを目的として、ひとつひとつ丁寧にこなしていきました。

――西洋の文化が輸入されてきた幕末という時代を描くにあたって、ファンからの反響はどうだったのでしょうか。

安田横浜を最初に公開したこともあって、なかなか驚きの声があったと思います。「歴史モノ」と聞いて想像されるイメージのちょっと斜め上を行けたので、そこは非常に良かったですし、幕末の本質的な魅力でもあると思います。今のところはポジティブな反応をいただけているので、我々としても嬉しく思っています。

――江戸・幕末・京都と大きな都市が3つあるわけですが、長州や函館といったエリアはないのでしょうか。

安田長州や函館は登場しないのですが、ストーリーを進める上で、ミッション中に「オープンワールドではない特定の場所」に移動することはありますね。例えば、ペリーの乗った黒船とか。

――物語で描かれるタイムスパンとしてはどれくらいなのでしょうか。

安田はっきりとは言えませんが、戊辰戦争や黒船来航といった幕末時代の主要なイベントはある程度網羅できているかなと思います。ただ、先ほどのお話のように、函館などはカバーしていません。

キャラも含めてなのですが、全部出そうと思ったら本当にきりがなくて。私も祖父が長州出身だったりするので無限に幕末の志士は思いつくのですが、ある程度差し引いた上で「ここは押さえないとね」という部分はしっかりカバーできていると思います。

――戦闘において、敵の攻撃手段に応じた武器の採用や先述の構築が可能でした。また、難易度選択も用意されています。今作の難易度はどれくらいを想定されているのでしょうか。

安田基本の難易度設定としては、最も難しいものは「これまでTeam NINJAが作ってきた歯ごたえのあるアクションを楽しめる方」向け、中間は「オープンワールドの探索やキャラの成長を含めて全体的に攻略を楽しみたい方」向けです。最も簡単なものは「ストーリーを楽しみたかったり、幕末の世界を浪人として体験したい」という方に向けた難易度です。

――なぜ、難易度に幅を取ったのでしょうか。

安田これまで高難度アクションに特化してゲームを作ってきましたが、浪人として幕末を体験してもらうという本作のコンセプトにおいては、アクションゲームやRPGの要素をすべて理解して“フルに活用しないと敵に勝てない”という高いハードルを設けるのではなく、より幅広いユーザーに触ってもらえるようにしたいと企画当初から考えていました。

早矢仕様々なユーザーに戦闘以外の魅力もしっかりと楽しんでいただきたいというスタンスは、これまでのTeam NINJA作品と毛色が異なるところだと思います。

――戦闘では近接が主体でありながらも、銃や鉤縄を使った攻撃も取り入れられています。遠距離武器と近接武器の両方を戦闘にうまく馴染ませるにあたって意識したことはありますか。

安田オープンワールドやストーリーの選択だけでなく、アクションの自由度も大切にしたかったので、遠距離戦闘は当然選択肢に入ってくるものと考えていました。ほかにも今回はステルスでの攻略も基本的にはかなり受け入れる作りになっています。

ちょうど時代的にも西洋から銃が輸入されてきたという背景があるので、銃をコンボのなかに織り交ぜることもできる、遠くから敵を狙撃して先制攻撃するという遊びもできる、といった近接だけではできないアクションを入れました。

――プレイしてみると、近接主体ではあるものの、実はそれにこだわらなくても良いのかなと感じました。刀を捨てて銃だけで戦うようなこともできるのでしょうか。

安田銃には当然弾数制限などはありますし、ステルスなどさまざまなバリエーションの攻略ができます。ボス戦はどうしても近接をしっかり活用していただく必要はあるのですが、それも「徒党」と言って因縁を結んだ仲間を呼んで共闘することができますし、オンラインでの協力も可能なので、ストイックに近接ばかりを覚えなければいけないわけではありません。その一方で、しっかり戦い方をマスターしないと勝てないような手強いボスも用意はしてあります。

――ここ数年で、海外から日本をテーマにした作品が多数リリースされています。日本のメーカーがグローバルに展開していくタイトルとしての意気込みやアピールポイントがあれば、教えてください。

早矢仕「コーエーテクモでゲームクリエイターをやってるなら、こういうゲーム作りたいよね」という意志のもと、最初から安田と共に作ってきたので、途中からライバルのような作品が出ていたとしても、変にブレずに「コーエーテクモらしさ」「Team NINJAらしさ」をしっかり出していこうと考えていました。2020年の4Gamerさんの年末クリエイターインタビュー記事では、コーエーテクモの皆が『Ghost of Tsushima』を挙げていましたし、もちろんまったく意識していないわけではありません。

この意志は開発チームの皆にも共感いただいています。本当に多くのスタッフが魂を込めて作ってきたゲームなので、そういった思いが形になっているのです。ただ、やはりチームの“らしさ”を示すことが大事だと考えているので、手触りや日本らしさに関してはまた違う良さを感じていただけると思います。

安田『Ghost of Tsushima』のサッカーパンチさんが元々作っていた『inFAMOUS』が好きだったので、日本を舞台にした作品にチャレンジするということで、クリエイターとしてもプレイヤーとしてもすごく参考にしましたし、楽しませてもらいました。ここまで研究されて高い評価を得ているという話題は、やはりすごく刺激になりましたし、日本人として「なんでこのタイミングでできなかったんだろう」という悔しさもありました。ただその一方で、その刺激は本作を作る上での大きな後押しにもなっています。


Team NINJAが手掛ける新作『Rise of the Ronin』は、PS5向けに3月22日より発売予定です。


《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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