作成するのは意外と骨が折れる?エーテルをクラフト!
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MPを20回復させる効果を持ったエーテル。『FF』シリーズではポーション系アイテムよりも貴重なイメージがあり、『FF7 リバース』作中でもショップ在庫が少ないことから貴重な品であることが窺えます。必要な素材は以下の通り。
セージ×20
ケモノの爪×5
エーテルオニオン×3
星の実り×3
クラフトに必要なアイテムはポーションと比べて明らかに多く、セージに至っては4倍の開きがあります。
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ほとんどひと房と言っていいほどの量のセージ。用意したセージ苗の半分以上をエーテルで使用しました。
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エーテルを作成するためにエーテルを吸ったオニオンを用意するというのは、どうにもパラドックスめいているように思えます。おそらくは古代ギリシアに由来の、元素としてのエーテルで育ったタマネギがあり、そこから作られる薬もまたエーテルと言い慣わされているのでしょう。
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筆者が用意したのは、スーパーで買ってきた普通のタマネギ。ひと玉およそ70円。エーテルを含有していないため力不足かもしれませんが、古来から薬用として用いられてきた食材でもあります。
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さて、これまでの流れで察せられると思いますが、相変わらずクラフトの障壁として立ちはだかる「星の〇〇」シリーズ。今回は「星の実り」というアイテムが必要になりますが、いったい「実り」とはなんなのでしょうか。「星」、そして「実り」……。
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もしや「星の実り」とは「星型の実」のことを示しているのではないか?そう類推した筆者はスターアニス(八角)をセレクト。メニュー画面でこそ粉末状になっていますが、これはきっと粉状に加工されたものなのでしょう。スターアニスはトウシキミの果実で、中国料理をはじめ様々な料理のスパイスとして、また生薬としても用いられています。独特の甘い香りが特徴で、これを料理に入れることで本格的な中国料理の風味になります。
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さて、最後の材料はケモノの爪。筆者に狩りでもしてこいと言わんばかりのまごうことなきケモノの爪ですが、どうやって手に入れたらいいのでしょう。一瞬、「鷹の爪(トウガラシ)かな?」と思いましたが、アイテムアイコンはどうみても骨の形。ケモノの骨ならば比較的容易に入手できそうなのですが。いや、もしかすると……。
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筆者には心当たりがありました。安価で手に入る鶏の足、通称「モミジ」が、ラーメンスープの出汁に使われたり、海外あるいは日本でも地域によっては食されているらしい……と。
「中国系の食材を取り扱う店舗ならばきっとあるはず」――そう踏んで、すぐさま電話を掛ける筆者。お店の方に「モミジありますか?」と尋ねたところ「あるよ。」という回答が得られたため、現場に急行。こうして無事「ケモノの爪」を確保できたのでした。
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すべての素材がようやく揃いました。いよいよエーテルの作成です。
さて、せっかく手に入れた「ケモノの爪」ですが、爪の部分を粉末にするのは難しいと判断し、「モミジ」ごと使用することに。ただしかなり鋭く、調理には危険が伴います。
一般的なもみじの調理法としては水洗い、あるいは茹でた後に、指先から爪を落とす工程が入るようです。今回はエーテルの素材が爪そのものであることを鑑み、ケガをしない程度に爪を丸めた状態にして使用することにしました。
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加工後のモミジを下茹でし、浮いてきたアクをとります。
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ここでとれたスープはそのまま使用せず、茹でこぼします。今回このスープは使用しませんが、別の容器に保存して冷ますと煮凝りになります。
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あとはセージ、スターアニス、タマネギといった全ての素材を鍋に空け、水を加えて蓋をし、弱火で1時間ほど熱していきます。
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エーテル作成中は終始、スターアニスの甘い香りがキッチンを漂っていました。筆者は本記事の前篇を執筆しながら、加熱が終わるのを待ちます。
そして1時間後……。
エーテル、完成。
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エーテルの完成です! 素材の調達から作成に至るまで、これまでのアイテムで一番骨が折れました。
エーテルの薬効を試してみる
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さて、これだけ手間ひま掛けたエーテル……はたしてMPは回復されるのでしょうか。
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筆者は魔法が使えないのでわかりかねますが、確かにこれなら気力・精神ともに回復しそうな滋味あふれる味わいです。
まずはじめに感じるスターアニスの甘い香り、続いてモミジから染み出た鶏のうま味、溶け込んだタマネギのまろやかさ、そして最後にセージの爽やかな香りが抜けていく……全ての素材が完全に調和しています。
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言うなればこの自家製エーテルは、参鶏湯(サムゲタン)やチキンスープを思わせる体に効く薬膳的なもの。エーテルを作っていたら薬膳に行きつく、医食同源とはまさにこのことですね。
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ひたすらアイテムクラフトをしていたらすっかり日が暮れてしまいました。そろそろお腹も空いてきたので、今晩は夕食にエーテルを頂きたいと思います。
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クラフトを終えて――素材から幻想を具現化する
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こうして全てのアイテムクラフトを終えた筆者。『FF7 リバース』というゲームをきっかけに外に出向き、素材を知り、集め、考え、それを具現化するという行為はいささか突飛に思えたかもしれません。
しかし何をどうしたら『FF』のアイテムらしくなるのか、はたして効果は適切なのか、そのように頭を悩ませながら作っていく過程はとても得がたい経験でした。おかげでハーブの薬効が歴史的にどのように用いられてきたのか、なぜアイテムクラフトの素材になっているのか分かった気がします。
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セージ、マジョラム、オレガノ、月桂樹……こうした具体的な物が我々のすぐそばにあること、それが筆者の抱えた幻想(妄想?)を具現化させる入り口でした。
読者のみなさんも少なからずこうした経験があるのではないでしょうか。もしよければぜひコメントなどで聞かせてください!