読者の皆様は、「ウォーハンマー 40,000」の世界を舞台としたアクションTPS『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン2』が海外ゲーマーからかなりの熱視線を浴びていることをご存知でしょうか。先日開催された「gamescom 2024」でも新たなトレイラーが披露され、注目を集めていましたね。
ところで「ウォーハンマー」という名前は最近よく目にしますが、実際に詳しく知っている方はいらっしゃるでしょうか。PC/家庭用ゲーム版は知っているが、本家本元は軽くしか知らない……という方も少なくないのでは。実は、筆者もよくわかっていないゲーマーのひとりです。
『ウォーハンマー40,000: スペースマリーン2』日本語公式サイト
本記事では、名前はよく聞くけど実は詳しく知らない人が多い「ウォーハンマー 40,000」への理解を深めて、『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン2』をより楽しもうという趣旨のもと、本作の魅力をたっぷりお届けします!
『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン2』ってどんなゲーム?

本作は、戦争の絶えないダークで残酷な世界を舞台としたSFアクションTPSゲームです。PC/PS3/Xbox 360で2011年に発売された『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン』のおよそ13年ぶりとなる続編で、前作の後に異端容疑で逮捕されたスペースマリーンの主人公・タイタス副官(前作では中隊長)が、強靭な身体に改造されてしまいます。
メインストーリーは帝国に侵攻してきた群巣艦隊・リヴァイアサンと戦うという物語になっており、新たな仲間であるガドリエル軍曹とチェアロンの2人と協力しながらティラニッドの大群を倒していきます。

早速「ウォーハンマー 40,000」についても知っておきましょう。「40k」とも呼ばれるこのゲームはイギリスのゲーム制作会社・Games Workshopが贈るSFウォーゲームで、2名のプレイヤーがミニチュアの軍隊を用意して戦うというもの。コアルールは用意されているもののある程度自由に遊ぶことが可能で、駆け引きがしっかりしたルールもあれば物語を自分で考えるプレイも可能だそうです。
ルールに則って戦う以外にも、ミニチュアを組み立て、塗装をして楽しんだり、好きな軍隊を集めてコレクションしたり……と、ゲームプレイではない楽しみ方をしている人も存在しており、懐の深いテーブルトップゲームとなっています。
“あれ?「ウォーハンマー」ってファンタジーっぽくなかったっけ……?”と思われた方もいるかもしれません。実は「ウォーハンマー」はさまざまな製品が発売されており、大きく分けてファンタジー世界である「エイジ・オヴ・シグマー」とハードなSF世界である「40,000」の2つの空想の世界が存在します。
ファンタジー世界の「ウォーハンマー」を基にしたビデオゲーム作品も多数存在しますが、今回紹介する『スペースマリーン2』は後者、つまり「ウォーハンマー40,000」の世界に属する作品であり、ハードで残酷なSF世界をたっぷり堪能できます。
「ウォーハンマー」って何? テーブルトップ版を世に送り出すGames WorkshopやIPの経緯について予習してみよう
「ウォーハンマー40,000」についてはなんとなくわかったけど、もっと詳しく『スペースマリーン2』につながる情報が知りたい!ということで、今回は「ウォーハンマー40,000」を手掛けるGames Workshopとテーブルトップ版を始めとする「ウォーハンマー」について、Games Workshopの協力を得ながら事前調査してみました。
テーブルトップ版「ウォーハンマー」の歴史は、1975年にイギリスで始まった小さな通信販売ビジネスから幕を開けます。

オリジナルのシタデルミニチュアは1979年に設計・発売されましたが、当初はこのミニチュアが使えるゲームはなく“TRPGのコマ”として使用するか、単なる収集目的で設計されていました。「ウォーハンマー」の最初のルールブックが生み出されたのは1983年のことです。
1987年にリリースされた「Rogue Trader」は「ウォーハンマー40,000」の舞台である“41千年紀”が初めて披露された作品。最初のエディションは小規模な戦闘にフィーチャーしており、部隊は5体から10体ほどで組むというものです。本作には広大な物語が用意されており、エイリアンの死の世界から巨大な宇宙船の中まで、ほとんどすべてのミニチュアを使用して戦闘を楽しめました。
ミニチュアの組み立てとペイントを通じて創造性を膨らませ、そうして作り上げたコレクションを使用して戦略的・戦術的なゲームを楽しむことができるのが「ウォーハンマー」であり、その世界は35年に渡って綴られる深く豊かな「伝承」に基づいて設定や物語が築かれています。
そして、「ウォーハンマー」の魅力は高品質で精巧なミニチュアだけに留まりません。「ミニチュアを組み立ててペイントする」「独自のコレクションを作ったり、軍隊を構築する」「勝利を目指して他プレイヤーとバトルする」「ナラティブプレイで自分だけの物語を築き上げる」など、様々な遊び方が用意されていて、TRPGやTCGのように“カード”が含まれるゲームも存在しています。
また、ゲームをプレイする以外にも「ウォーハンマー」の楽しみ方は様々で、先ほどのミニチュアの組み立て・ペイントはもちろん、物語を読んだりアニメを観たり、ビデオゲームで遊んで楽しむファンも多いのだとか。世界中の最高のミニチュアペインターが集う「ゴールデンデーモン」というペイントコンテストも開催されています。
このようにテーブルトップ版や読者ならご存知であろうビデオゲーム版以外にも様々なコンテンツを軸にファンを伸ばしてきた「ウォーハンマー」。もちろん日本語Webサイトも用意されているので、『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン2』から興味を持った方はミニチュア版などの「ウォーハンマー」の世界に触れてみてはどうでしょうか。
「ウォーハンマー」公式サイト「ウォーハンマー」に詳しくなったぞ!『スペースマリーン2』をプレイしてみよう
ここからは、事前学習で得た知識を基に『スペースマリーン2』をプレイしてみます。どのような体験が待っているのでしょうか……!

「ウォーハンマー40,000」についてちょっとでも知っている……という方であれば、やはりスペースマリーンの姿は印象的なのではないでしょうか。重厚な世界観で青色のアーマーというのはパッと見なんだか不釣り合いな印象を受けますが、屈強さの中にある鮮やかで統一感のあるカラーリングは見れば見るほど魅力的です。

本作はかなりリッチなシネマティックカットシーンが楽しめるので、そのカッコよさも倍増。ゲームを遊ぶと、ミニチュアが欲しくなってしまうかも……。
本作の部隊は41千年紀という遠未来であり、それを感じさせる細かな部分も要注目。鋼鉄に包まれた息苦しくなるような空間や狡猾で容赦のないティラニッドたちなど、どこか暗く絶望感のある世界はやはり「ウォーハンマー40,000」の醍醐味であるように感じます。


見てください、このティラニッドの大群。これは背景オブジェクトなんかではなく、正真正銘敵キャラであり、しっかり当たり判定があります。こちらは1人なのに、こんなに大量のティラニッドをどうやって処理すればいいんだよ……!というピンチ感をたっぷり味わえます。
とはいえもちろん、「ウォーハンマー40,000」を知らなくても楽しめる要素は満載です。本作は銃で戦うシューターと近接武器で戦うアクションが融合したゲームプレイになっており、パリーや避けを使いながらティラニッドの大群と戦えます。難易度ノーマルでも敵の攻撃は苛烈で、ちょっと気を抜くとすぐゲームオーバーになってしまいそうです。
カウンター的な攻撃も多く、飛びかかってくる敵をチェーンソーで受けて殺したり、ヘヴィ攻撃をすかした敵を銃でぶち抜いたり、よろめいた敵をフィニッシャーしたり……少人数vs大量の敵という常に不利なシチュエーションを覆すような気持ちよさが味わえます。


ティラニッドを倒したときの出血表現は本作の大きな魅力です。敵に攻撃がヒットするとかなりの量の血液が出てきて、身体もバラバラになります。フィニッシャーやカウンターの種類も豊富で、まるでティラニッドをおもちゃのようにズタズタにできます。

……この量、ヤバくないですか?どう考えても、1匹の小さいザコからこんなに血が出るわけ無いだろ……!(褒め言葉)

筆者はバイオレンスやゴアが大好物なので、ゲーム開始1匹目の出血量からもう大興奮。国内PS5版をプレイしましたが、規制による修正なしで表現されているため、“出血大サービス”が100%味わえます。

日本語版ならではの魅力として、主人公・タイタスの吹き替えが大塚明夫さんというところがあります。身体を改造されまくってもなお兵士として生きるタイタスのワイルドさや信念の強さが大塚明夫さんのダンディなボイスとマッチしており、シンプルにカッコよすぎます。セリフ数も多く、違和感のあるセリフもありません。
「ウォーハンマー40,000」のゲーム……というだけでなく、「2024年の最新海外ゲームの日本語版」として見てもさまざまな観点でハイクオリティで、TPSファンならとても満足できる作品です。
『ウォーハンマー 40,000:スペースマリーン2』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに9月9日発売。9月6日から先行で遊べる上位エディションが用意されており、シーズンパスが付いたゴールドエディションと、ゴールドの内容に加え特別なコスメティックアイテムがもらえるウルトラエディションが販売中です。
国内PS5向けパッケージ版も用意されており、通常版に加えシーズンパスやDLCに加え限定アートワーク付きのスチールブックが付属したゴールドエディションが販売されています。
『ウォーハンマー40,000: スペースマリーン2』日本語公式サイトUPDATE(2024/09/12 20:04): 本文に挿入している映像と固有名詞を一部差し替えました。
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