
505 GamesとLeenzeeが手掛ける、PC (Steam、Epic、GOG)/PS5/Xbox X|S向けアクションRPG『明末:ウツロノハネ』のメディア向け試遊会が開催されました。
2025年7月24日に発売が決まった『明末:ウツロノハネ』は、非常にダークな世界観で展開されるソウルライクアクション。美しい古代中国を舞台に、ハードなアクションと悲惨な世界での冒険が繰り広げられます。プレイヤーは女侠「無常」となって奇病「羽化病」が蔓延し、人々が狂気を失った世界を旅していきます。
先んじて軽くプレイフィールを述べると、本作はアグレッシブな攻勢が有利な展開を引き寄せる、難度高めな骨太アクションであると同時に、“ダークな世界”の描き方が秀逸なタイトルでした。
主人公「無常」の名の通りまさしく無常で悲痛な世界が展開され、魅力を感じます。本稿ではそんな『明末:ウツロノハネ』先行レポの様子をお届けします。
◆システムもストーリーもハードなソウルライク!ダークな世界観が良い味を出している

『明末:ウツロノハネ』は主人公「無常」がモンスターを生み出す奇病「羽化病」が蔓延した世界で冒険していくというもの。明代末期の古蜀が舞台とありますが、もちろん歴史に沿ってはおらず、歴史上の人物たちは登場しているものの架空であるということなので、基本的には「ファンタジー世界の中国」と思っていいでしょう。

つまり本作は疫病が蔓延した世界であり、しかも一般人たちすら感染者として襲い掛かってきます。感染者と言っても、ゾンビのような敵ではなく、しいていうなら「正気を失った人間」という印象。まさしく“末法の世”といったテイストのダークファンタジーですね。主人公も「羽化病」に関連した力を持っているようで、ゲームの端々に“散らばる羽”が描かれます。

ゲームを開始すると、一般人たちが広場にたむろしています。まるでNPCのような雰囲気で座っているので思わず話しかけようとしてしまいますが、彼らは敵!ソウルライクらしく相応の強さで襲い掛かってきました。

主人公「無常」は2本の武器を装備でき、戦局によっていつでも装備を入れ替える事ができます。試遊では全ての武器種を体験できなかったですが、長剣や斧など(武器スキルによっても変わりそうですが)、各々に役割がありスキルツリー(斗天星羽)で強化できます。片手剣は“攻撃を流す”という動きで意外に守りに向いていたりと、独特の取り回しがあるのが良いですね。これぞ中華!と感じるようなモーションでした。

法術という魔法的な要素や、体制を崩してからのバックスタブなどはソウルライクお馴染みのものですが、本作特有のシステムとして「須羽」というものがあります。これはMPのようなものですが、時間経過ではなくタイミングをあわせた回避や(スキルツリーでの解放が必要ですが)攻撃の中で特定の条件、たとえば「長刀の弱攻撃2発目を敵に当てる」といったアクションで入手できます。

「須羽」は魔法のみではなく、強いアクションをするためにも必要となってきますので、アグレッシブに攻めていかなければ行かないゲームシステムとなっているのです。これが上手くハマれば気持ちいい!
理想としては「ボスの攻撃を紙一重で避けつつ、強烈な一撃を叩きこんでいく」という流れになるので猛攻が実現できます。序盤では「須羽」システムを活かしきらなければ、とも感じなかったため「理想的な立ち回りをすれば劇的に強くなれる」タイプのシステムでしょう。

しかし羽化病という要素でむき出しになる野生は主人公にも牙をむきます。何度もやられると、幻影のように主人公に似たエネミー「心魔」が出現し、前の回で死んだ場所に登場するのです。本作では“死ぬと経験値が全て落ちる”というシステムではなく、一部がその場に落ちるという使用なので「一度の負けですべて失う」というわけではないのですが、回収に戻る先に「心魔」が待ち受けているというのは結構緊張感がありますね。

そしてソウルライクにお馴染みの“嫌な敵配置”は本作でもしっかりと存在しています。どれだけ自分の不意を突いてくるかと楽しみになってしまう、そして道中のアクションに彩りを与えてくれるこの要素ですが、結構いい感じにこちらを嫌がらせてくれます。
筆者はプレイ途中にいかにも毒や異形が蔓延していそうな地下に潜ったのですが、洗礼かの如く最大HPが減らされる毒と継続ダメージの毒を重ね掛けされたり、ふらりと現れた感染者の女性に包丁をつき立てられたりと殺意マックスな仕掛けを味わったりもしました!

しかしこのダークさが『明末:ウツロノハネ』の魅力だとも感じます。包丁を突き立ててくる女性や挟み撃ちをもくろむ山賊など「人間としての知性が残っている敵」が本作の敵なのです。
それを痛感したのは初めのボス戦にて。村が感染症による飢餓のため、そして理性を失ってしまっているため人肉食が横行しています。これだけならただのスプラッタですが、演出として「なぜこんなことになった」と思わせる悲哀があるわけです。


本作は寺院などの信仰的な面が推し出されている一方で、祭祀ですら羽化病に感染すれば狂気を発現してしまうという、主人公の名前通りの「無常」を感じさせてくれます。ダークな作品でグロテスクな描写があるのは確かですが、そのスプラッタに至る過程が人間臭く感じられました。
同時に美しい景色はプレイヤーの目を引き、「羽化病」による現実とのギャップを浮き彫りにしてくれます。フレーバーテキストも、たとえば「抗えぬ悲惨な運命を前に、狂気に染まるのも一種の救いと言えよう。」など、いい味を出していますね。

ちなみに、装備も充実しており「装備によるビジュアルの変化が楽しみなんだ!」というタイプのゲーマーも満足できるでしょう。

システム面は「須羽」システムをはじめとし、プレイスキルによって強さが変動するためリスポーンポイントまでの長さも相まって結構ハードな難度と感じます。しかし上手く立ち回れば流れるような攻撃を魅せられそうなので、やり込んでプレイスキルを向上させたいと思わせてくれますね。ちなみに“中華風の壺”に擬態している敵も現れて少し笑ったのですが、エグい見た目……!

『明末:ウツロノハネ』はダーク中華ファンタジーとしての世界観が秀逸な骨太ソウルライクでした。ハードな戦闘を求める方はもちろん、中華風の「無常」な世界に興味があるという方はぜひチェックしてみてはどうでしょうか。
PC (Steam、Epic、GOG)/PS5/Xbox X|S向けアクションRPG『明末:ウツロノハネ』は、2025年7月24日に発売予定です。
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