ゲーム制作・仙台を拠点とするピクセルは、2025年5月18日に宮城県仙台市の太白区文化センターにて「インディゲームマーケット5」を開催しました。
イベントではインディーゲームを中心に、さまざまな作品の展示や試遊、物販のほかトークショーやミニライブなども行われていました。入場無料イベントということもあってか、非常に多彩な層のお客さんがイベントへと参加していて、閉会まで会場は大盛り上がりでした。
本稿では、東北開催のゲームイベント「インディゲームマーケット5」にて展示されていた注目ゲームを紹介します。今回は、Water Phoenixから2025年リリース予定のノベルアドベンチャー『ハッピールートを終わらせて』です。
メタ表現×学園もの×記憶引き継ぎ
『ハッピールートを終わらせて』は、正しいルートから外れておかしくなった世界を元に戻すことが目的のアドベンチャーゲームです。昔から運命が変わる瞬間“分岐点”で選択肢を見ることができた「主人公」の赤羽氷河は、何者かによって本来の選択肢(ルート)を封じられてしまいます。
封じられた選択肢の代わりに用意されたのは、本来ありえないような“最悪の選択肢”のみ。謎の汚染によって封じられ、おかしくなっていく世界を正すために、プレイヤーは氷河と協力して、本来の選択肢を取り戻さなければなりません。

試遊では、基本的なストーリーを体験できるバージョンと、システムの基本を学べるバージョンの2つをプレイ可能でした。今回はシステムを学べるバージョンを選択し、早速始めたらいきなりヒロインの1人(?)への告白シーン(?)が始まりました。
この告白シーンは2つの選択肢があり、1つは「愛してる」で、もうひとつは完全に封じられています。本来選びたい“真選択肢”を選べず、氷河はプレイヤーに選択を委ねることに。ここでは他にやれることもないので「愛してる」を選び、氷河は彼女の手を取り告白することに成功したようです。



と、ここで世界は一転。周囲には謎の赤いオーラが現れ、告白した彼女は白黒のシルエットとなって「NO IMAGE」になっています。これが偽選択肢を選んでしまった影響です。プレイヤーはこの間違った世界をいかに直していくか、ということが目的となるようです。




本来の選択肢を取り戻せ!
物語は告白した花咲来歌、通称クルルとの楽しい学園生活へ。氷河の家に朝迎えに来てくれるようなクルルと一緒に学校へと向かい、昇降口に付いたところで新しい選択肢が提示されます。クルルと付き合い始めたことで、氷河の靴箱に嫌がらせの手紙が入っていたのです。
ここで出てくる選択肢は「すべてどうでもいい」「そんな事より俺達の愛を深めよう」という偽選択肢、そして封じられている真選択肢の3つ。例によって真選択肢はこの時点で選べないので、偽選択肢を選んだところ、結果として氷河に生命の危機が訪れています。




しかし、バッドエンドを迎える代わりにプレイヤーには、真選択肢へ導くための「言霊」と「呪言」が与えられます。本作はこの「呪言」を入手して、チャート選択で“分岐点”へと戻ることで、本来選ぶはずだったルートへと世界を戻していかなければならないのです。
真選択肢を選んだことで諸々解決……と思いきや、何者からの警告文が表示され、世界も完全に戻っている様子はありません。今回の体験版は、学園内で人気の副会長との出会い(?)のような場面で、クルルとの新しい“分岐点”が出たところで終了しました。





偽選択肢を選んだ際の氷河のリアクションも面白く、汚染された世界のインパクトは抜群。ストーリーに関しては謎だらけなのですが、とても気になるような要素がたっぷりでした。


そして、最後にブース内でもらったチラシを見て、クルルの「存在しなかったルートの恋愛対象」という事実に驚愕。この世界がすごく気になってきた……!
いわゆるアドベンチャーゲームの「選んじゃいけない選択肢」「望まない選択肢」しか選べない世界を正すというコンセプトはユニーク。フルボイスで展開される、どこかおかしい世界観はBGMも含めてとても印象に残る作品でした。

『ハッピールートを終わらせて』はPC(Steam)向けに2025年リリース予定。他プラットフォーム向けの展開も検討しているようです。











