植木鉢に植えられた“生首の女神”は、感情移入を突き詰めた末に自然と生まれた―25年越し復活の怪作ADV『TOMAK』当時の開発者にインタビュー! | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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植木鉢に植えられた“生首の女神”は、感情移入を突き詰めた末に自然と生まれた―25年越し復活の怪作ADV『TOMAK』当時の開発者にインタビュー!

無料配布は4月17日0時で終了!

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植木鉢に植えられた“生首の女神”は、感情移入を突き詰めた末に自然と生まれた―25年越し復活の怪作ADV『TOMAK』当時の開発者にインタビュー!
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植木鉢に植えられた“生首の女神”という、いま見ても強烈な設定で知られる『TOMAK : Save the Earth』が、25年の時を経て『TOMAK : Save the Earth Regeneration』として復活しました。

とにかくその奇妙さが語り草となる本作ですが、このアイデアは特別に異様さを狙って生み出されたものではなく、「最大限に感情移入できる物語」を考える中で自然に生まれたものだったといいます。

本記事では、当時のスタッフであるネットマーブルモンスター(Netmarble Monster)代表のキム・ゴン氏にインタビューを実施。インディー時代に生まれた異色作の発想の原点から、日本での反響、そして25周年で復活させた理由までをうかがいました。

キム・ゴン氏

インディー時代の試行錯誤から生まれた『TOMAK』

――自己紹介をお願いします。

キム・ゴン:こんにちは。私はネットマーブルモンスターの代表、キム・ゴンです。ネットマーブルモンスターは、かつて『TOMAK : Save the Earth』をリリースした当時、「Seed9(シードナイン)」という名前のインディーズスタジオでした。現在は、4月15日にリリースしたアクションRPG『モンギル:STAR DIVE』の開発およびサービスを行っています。

――『TOMAK : Save the Earth』についてあらためて教えてください。どのような発想から生まれたのでしょうか。

キム・ゴン:当時はインディーズスタジオで、十分な開発力があったわけではなかったため、自分たちに何が作れるのかを様々に考えました。その結果、「リソースを最小限に抑えられる育成シミュレーションを作ろう」という発想に至り、現在の『TOMAK』の形が生まれました。

実は最初は、3年間の育成シミュレーション部分のみを構成した無料ゲームとして公開していましたが、その後正式リリースの提案を受け、恋愛シミュレーション要素を追加することになりました。

――『TOMAK』というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。

キム・ゴン:実は特別な意味はありません。日本語にすると「切れ端」といったニュアンスに近いでしょうか。

――植木鉢に植えられた“愛の女神の生首”という強烈な設定は、どのように生まれたのでしょうか。

キム・ゴン:先ほども申し上げた通り、リソースを抑えた育成シミュレーションでありながら、最大限に感情移入できる物語を考える中で自然に思いついたものです。「愛の女神とともに地球を救う」という物語からスタートしたことで、他のキャラクターのストーリーも自然に広がっていきました。

もしかすると、恋愛シミュレーション部分のストーリーには、当時の開発者たち自身の体験が反映されているかもしれません。

――本作はジャンルが混ざり合った非常にユニークな作品ですが、どのような体験を届けたいと考えていましたか。

キム・ゴン:正直なところ、開発チームの全員にとってほぼ初めてのゲーム制作だったため、「せめて普通のゲームとして認めてもらえたらいい」という思いでした。

当時の韓国では「猟奇的」な要素が流行

――2001年当時のゲームシーンにおいて、本作はどのような存在だったと考えていますか。

キム・ゴン:当時の韓国では「猟奇的(エキセントリック)」な要素が流行していました。最初はそうした流れに乗ったマイナーな作品という印象だったと思いますが、予想外にも日本で好評を得たことで、より長く注目される作品になりました。

――今回、『TOMAK : Save the Earth Regeneration』として復活させた理由を教えてください。

キム・ゴン:本来は20周年のタイミングでリメイクしたいと考えていましたが、時間があっという間に過ぎてしまいました。昨年になって現行OSでは起動すらできないことが分かり、「せめて動く状態にしよう」と本格的に取り組み始めました。ちょうど25周年という節目でもあり、『Regeneration』版として完成させるに至りました。

――リリース後の反響はいかがでしょうか。

キム・ゴン:昔の知人たちから「青春が懐かしい」といった連絡を多くもらいました(笑)。Xなどでも「懐かしいゲームだ」という反応をよく見かけます。当時収録に参加してくださった声優の方とも再び連絡が取れ、まるで時間旅行をしているような気分になりました。

――なぜ無料配布という形でのリリースになったのでしょうか。

キム・ゴン:最新作『モンギル:STAR DIVE』の準備を進める中で、原点である『TOMAK』と同時に公開したら面白いのではないかと考えました。そこで、『モンギル:STAR DIVE』の配信プラットフォームであるEpic Gamesストアにて無料配布することに決めました。

――復刻版の制作にあたり、残した要素と見直した要素について教えてください。

キム・ゴン:『Regeneration』版は基本的にオリジナルとほぼ同じで、低解像度の画像をアップスケールする程度にとどめています。ただし、難易度が非常に高かったため、バランスは多少調整しました。

現代風にイラストを変更することも検討しましたが、原作の魅力を損なわないことを優先し、大きな変更は行っていません。

――育成や会話、マルチエンディングの設計についてはどのように考えていますか。

キム・ゴン:今回バランスを見直して感じたのは、エンディングまでの分岐設計が非常に未熟だったということです。当時は時間も技術も限られていましたからね。

混沌とした部分を見ながら、「これはこれで現実の恋愛っぽい」と自分たちを納得させていた気もします(笑)。

“未熟だったからこそ生まれた”―25年を経て見えた『TOMAK』の魅力

――プレイヤーにはどのような感情を抱いてほしいと考えていますか。

キム・ゴン:バランスは粗かったものの、私たち自身が感じていたように、プレイヤーの皆さんにもエビアンに対して何かしらの感情を抱いてもらえたらと思っていました。

――本作の“カルト的魅力”について、開発チームとしてはどのように捉えていますか。

キム・ゴン:今あらためて作ろうとしても、同じものは思いつかないと思います。むしろ、すべてが未熟だった時期だからこそ生まれた作品だと感じています。

――日本からの反応についてはどう感じていますか。

キム・ゴン:本当にありがたく思っています。当時も日本での反応があったからこそPS2版まで展開することができましたし、現在までゲーム開発を続けてこられた大きな原点でもあります。あらためて心から感謝しています。

――現代のプレイヤーにはどのように受け取ってほしいですか。

キム・ゴン:正直に言って、今の基準ではかなり物足りないゲームだと思います。ただ、当時の挑戦として、少し寛容な気持ちで見ていただけたら嬉しいです。

――今回の復活であらためて見えてきた魅力はありますか。

キム・ゴン:テキストを整理していて、想像以上に内容がしっかりしていることに驚きました。かなり幼い台詞が多いだろうと覚悟していたのですが、意外と筋の通った物語になっていました。エンディングでは当時の記憶も重なり、思わず涙ぐむほど感情移入してしまいました。

――どのようなユーザーに遊んでほしいと考えていますか。

キム・ゴン:期間限定で無料で公開しているので、文句を言うつもりでもいいので多くの方に遊んでいただけたら嬉しいです(笑)。

――最後に、本作を通じてどのような体験を届けたいですか。

キム・ゴン:『TOMAK : Save the Earth Regeneration』は、私たちの25年にわたるゲーム開発の原点となる作品です。未熟な部分も多いですが、復刻版を制作する過程で初心を見つめ直す機会になりました。

本作をきっかけに私たちを初めて知った方は、ぜひ『モンギル:STAR DIVE』のような新作にも注目していただけると嬉しいです。逆に、現在のネットマーブルモンスターしか知らなかった方は、ぜひ私たちの“黒歴史”も含めて楽しんでください(笑)。

――ありがとうございました!


『TOMAK: Save the Earth Regeneration』は、PC(Epic Gamesストア)向けに配信中。4月17日0時まで無料で入手できるため、当時プレイしていた人も、プレイはしていなくとも情報だけ見て「なんだこれ!?」と驚いていた人も、いま知って「なんだこれ!?」と驚いた方も、ぜひ一度この不思議な魅力を持つ世界に触れてみてはいかがでしょうか。


ライター:みお

ライター/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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