『Mouthwashing』や『No, I'm not a Human』など、ホラーゲームや一風変わったゲームを多く取り扱う「CRITICAL REFLEX」から、新たにリリース予定のサバイバルホラー『Drowned Lake』のデモ版が「東京ゲームショウ2026」にて展示されました。
本作は失踪した若きドキュメンタリー作家「ベント」を捜し、「溺死の湖」へと辿り着いた3人の男女が主人公となる「フィッシング・サバイバルホラー」です。
本記事では、本作の冒頭について、また開発者のAna Vitória Leão Machado氏へのインタビューをお届けします。

暗い湖にて「何か」をゆっくりと捉える緊張感が恐怖を煽る
試遊を開始すると、キャラクター選択画面が表示されます。選べるのは、記者の「カロリーナ」と救助員の「ハファエル」、漁師の「レオポルド」の3人。それぞれに背景が設定されており、3つのキーワードも添えられています。今回は、記者の「カロリーナ」を選択。

カロリーナはビデオカメラを手にしており、湖での様子を録画しているようです。どうやら、その映像を見ているところから物語が始まる、という設定のよう。ボートに乗り、暗い湖をまっすぐ進んだ先には教会が見え、ゆっくりと中へ入っていきます。
すると、中には砂嵐の映るテレビがぽつんと置かれているだけ。調べてみると、ナレーションとともに不気味な映像が流れ出します。その内容は意味深で、今はまだ全容が掴めないものの、進めていくうちに真相へたどり着く鍵を握っていそうです。



映像を見終えると、いつの間にか手に「湖の地図」を握りしめていました。さっそく湖へと出たいところですが、教会を少し見回してみると壁には奇妙な絵が。調べようとすると、左上にある目のアイコンのゲージが1つ消費される旨の表示が出ます。このように一部のものは調べる際にゲージを消費するようなので、残量を考えながら進める必要がありそうです。


また、アイテムなどを管理するインベントリの要素もあるようで、身体や理性、感情といったパラメーターもそちらで確認できます。パラメーターが0にならないよう、慎重なプレイが求められます。

教会を後にし、いざ湖へ。湖では上からの見下ろし視点となり、ボートを操縦します。操作はそれほど難しくありませんが、慣性を意識する必要があり、うっかりしていると家やバリケードなどにぶつかってしまいます。衝突すると左上の妨害ゲージがたまっていくため、注意して操縦したいところです。

湖には「何か」が落ちていることがあり、調べれば拾えるものもあれば、じっくりと“観察”しなければならないものもあります。その際には選択肢が2つ表示され、リスクの高低やステータスへの影響などを考えながら選ばなければなりません。アクションを起こすたびに「何か」に近づく緊張感と、リスクを取った行動が成功するか失敗するかのスリルで、思わず瞬きを忘れてしまいそうです。



しばらく探索していると、行方不明の「ベント」につながりそうなアイテムを発見。すると、近くの公衆電話がひとりでに鳴り出します。おそるおそるボートで近づいて受話器を取ると、どうやら電話の向こうの何者かは協力者のようでした。こちらから電話をかけると、ヒントを教えてくれたり、セーブをしてくれたりします。


湖は暗く迷ってしまいそうですが、マップには現在地が表示され、メモも残されているうえ、先ほどの公衆電話からのヒントもあるため、何をすればいいか分からず途方に暮れる……といった事態にはならなさそうです。

「何か」にズームして正体を捉えるときの緊張感、ライトを頼りに暗い湖を探索し進む心細さ、そしてゲージが削られていくにつれてこの地の得体の知れなさが少しずつ見えてくる雰囲気。この事件の真相や地に眠るものは一体どんなものなのか、また3人によるストーリーの違いも興味をそそられる試遊でした。



恐怖の源泉となるのは、不気味な雰囲気や空気感―開発者へインタビュー
――本日はよろしくお願いします。現在、開発はどれくらい進んでいるのでしょうか?
Ana Vitória Leão Machado(以下、Machado): 今は仕上げの段階に入っています。開発の大部分はすでに整っており、現在はゲームのブラッシュアップや大規模なプレイテストを行いながら、リリースに向けて準備を進めているところです。
――本作は、失踪した若きドキュメンタリー作家を探すところから始まりますが、トレイラーなどを見たところ前作である『TELEFORUM』との繋がりがあるのでしょうか?
Machado:はい、物語には複数の登場人物が登場します。湖や水没した町を舞台に、3人のキャラクターが「ベント」に何が起きたのかを突き止めようとします。そして湖を訪れる中で、そこで起きている出来事や、彼ら自身に関する事実も明らかになっていきます。
――3人それぞれ起きるイベントや会話なども違ったりするのでしょうか。
Machado:そうですね、登場するのは漁師、記者、そして救助隊員の3人です。それぞれ異なるゲームプレイの要素を持っていて、例えばインベントリやボートの操作性が異なったりします。
能力もそれぞれ違うので、移動速度も変わってきます。それに、彼らはそれぞれ異なる背景を持っています。例えば漁師なら、「かつて村に住んでいた」というようなストーリーがあり、彼が直面する何かは他の2人とは変わってきます。つまり、3通りの視点でゲームを楽しめるというわけです。どのキャラクターでプレイするかによって、ゲームの異なる側面を味わうことができるのです。

――3人プレイすると違う体験ができるので、3回とも楽しめることになってるんですね。
Machado:もちろん、それぞれのキャラクターを通して物語の異なる側面が見えてくるような感じですね。
――開発で苦労した点や、こだわった点はありますか?
Machado:釣りに関しては、単なるゲームプレイ上のシステムにとどまらせたくなかったため、完成させるまでに時間がかかりました。物語を伝える要素としても機能させたかったのです。入手できるアイテムがストーリーに関わるだけでなく、ゲームプレイにも影響を与えるようにしたかったため、そのバランス調整には苦労しました。
キャラクターごとに異なる能力値がアクションに影響を与える仕組みの中で、アイテムがそれらの能力値に作用しつつ、ストーリーも伝え、さらにリスクの要素も組み込む……。そうしたバランスを取るのは少々大変でしたが、最終的にうまく形にできたときは大きな達成感がありましたね。

――本作はブラジルの民間伝承からインスパイアされているそうですが、例えばどのようなものでしょうか?
Machado:ブラジルではよくあることなんですが、ダム建設などの環境に関わる事故がいくつか起きています。ブルマジーニョでの事故は特に悪名高いものでしたね。小さな漁村があって、そうした施設と関わりがあるという状況は珍しくありません。そうした背景からテーマを得て作っています。
――『TELEFORUM』でも実写を混ぜたりと「現実」を感じさせるようなビジュアルのゲームですが、今回もビジュアルだけでなくテーマも現実の社会的不満を扱っています。これらのテーマを追求することに、どのような想いを抱いていますか?
Machado:そうですね、『TELEFORUM』や『Drown Lake』の話になりますが、これらはダム建設と、それによって破壊された町を題材にしています。前作もそうでしたが、私たちは「ファウンド・フッテージ」形式の映画から大きな影響を受けています。単にビジュアル面だけでなく、テーマ性も重要視しており、ゲームという媒体を通じてそうしたテーマを追求しているのです。

――先ほど試遊させていただきましたが、お化けやモンスターは出ないにもかかわらず不気味で、何が出るか分からない恐怖感がありました。
Machado:そうですね、いわゆる「ジャンプスケア」のようなものは基本的には取り入れていません。私たちはそうした手法を好まないからです。恐怖の源泉となるのは、不気味な雰囲気や空気感といったものです。
そもそも社名の「Monumental Collab」も、「Monumental Horror」という言葉に由来しています。これは、例えば映画「シャイニング」の双子の少女のように、一度目にすると脳裏に深く焼き付いて離れないようなイメージを指しています。ただ、必ずしもあの映画のような恐怖というわけではなく、心に深く残るものでありながら、何かが突然飛び出してきて驚かせるのではなく、その場所や状況そのものが醸し出す恐怖、といった感じですね。

――今までホラーゲームを制作していますが、ゲーム以外含めどのようなホラー作品が好きなのでしょうか?
Machado:そうですね、チームのメンバーは皆根っからのホラーファンだと思います。先ほども触れましたが「ファウンド・フッテージ」形式の作品はよく観ていて、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や、日本の作品ですと「回路」「ノロイ」などは皆好きでしたね。個人的には、ジャンプスケアで怖がらせるのではなく、じわじわと迫りくるような恐怖が好きです。いつもホラーを楽しんでいます。
――ご自身がホラーに惹かれる理由はなんですか?
Machado:カタルシスが得られるからだと思います。何かを見て、ある種の「真実味のある感情」を味わうのが楽しいんです。特にストーリーの要素が絡んでいると、なおさらですね。ホラーといっても、必ずしも「そこに映っているもの」そのものが怖いわけではありません。多くの場合は、その背後にある隠された意味やメタファーといった要素が含まれていて、私はそういった部分がとても好きなんです。
――最後に、本作をウィッシュリストに入れて待っている日本のユーザーに向けてひとことお願いします!
Machado:『Drowned Lake』は、ホラーが苦手な方でも楽しめる作品に仕上がっています。いわゆるスラッシャー映画のような要素や、突然驚かせるようなジャンプスケアに頼ったホラーではなく、それらとは一味違った雰囲気や恐怖を味わえるからです。日本の映画などからも多くのインスピレーションを受けて制作しましたので、日本の皆さんにもきっと楽しんでいただけると思います。
――ありがとうございました!
『Drowned Lake』は、PC(Steam)向けに近日登場予定です。











