
「TGS2026」にて、とあるシューティングゲームが存在していました。それがYoyoyollieが開発しTop Hat Studiosがパブリッシングを手掛ける新作『DELIVERY MUST COMPLETE』です。
本作は公式が掲げる惹句が実に分かりやすく、「『Devil May Cry』シリーズと『エースコンバット』シリーズが融合した作品」。セル画調のビジュアルで描かれる、スタイル評価付きの高速ドッグファイト・ローグライクです。
……そう、この作品を略すと「DMC」。というわけでそんな作品を試遊レポとインタビューをお届けします。DMC!
特殊武器で自分の特色を出す

ゲームはまず機体と武器の選択から始まります。
武器のうち、ロックオン可能な通常ミサイルと機銃はデフォルトで装備済み。プレイヤーが選ぶのは特殊武器2種類です。
筆者が今回使ったのは、敵に命中した後に近くの別の敵へ跳弾していくミサイル、射程は短いが範囲内にいればダメージを与えられる特殊銃のようなもの、そしてブレード状の光波を放つもの。この時点で「これはリアル系のフライトゲームではないな」と察しがつくラインナップです。
フルスロットル=「ブースト」

出撃すると、そこには戦闘機やらドローンやらが待ち構えています。味方は一切いないので、とにかく見えた物体は全て倒すだけ。シンプルなルールです。操作方法は『エースコンバット』シリーズに近く、シリーズを遊んでいる人ならすぐに馴染めるでしょう。筆者もほとんど戸惑いませんでした。
ただし決定的に違うのがスロットルです。本作ではスロットルが実質的に「ブースト」になっており、押した瞬間に一気に加速します。じわじわ速度を乗せていく、という感覚ではありません。
その代わり、長時間は使えません。ブーストゲージが0になると失速します。
そして面白いのが、この失速からの復帰。エンジンを再始動させるために、ブーストのボタンを押して、タイミング良く放すという操作が要求されます。3回タイミングを合わせることに成功すると失速状態から回復し、同時に一定時間、ブーストゲージを消費せずブーストが自動で使われる状態になります。
つまりブーストは「使い切ってはいけない資源」であると同時に、「使い切った後に上手くリカバリーすれば報われるもの」でもある。ピンチが一転してボーナスになるこの設計は、実に“それっぽい”と感じました。
武器の弾数は無限だが…

武器周りもアーケード寄りです。機銃・ミサイル・特殊武器の弾数はいずれも無限。残弾を気にして撃ち控える必要はありません。
ただし機銃以外は撃つとクールタイムが発生します。特に特殊武器はクールタイムが長めなので、連発はできません。何をどのタイミングで切るか、という判断が求められる形です。
スタイリシュに敵を撃墜せよ

そして本作の本領がここから。
敵を倒すとコンボが始まります。連続で敵を落としたり、スタイリッシュな戦い方をしたりすると、ランクがどんどん上がり、スコアも跳ね上がっていく。まさに『Devil May Cry』シリーズの文法が空に持ち込まれているわけです。
そして一定のスコアを稼ぐとレベルアップし、強化パーツが3つ提示されるので、そこから1つを選んで装備します。
これが悩ましい。体力を増やすもの、火力が跳ね上がる代わりに射程が短くなるもの、逆にロックオン性能は上がるが1発の火力は下がるものなど、素直な上位互換がほとんどありません。自分の戦い方をどちらへ寄せるかを、その場で決めていくことになります。
同じ空は二度とない

一定のステージ数をクリアするとエリアクリアとなり、次のエリアへ移動します。
ここで、進む先を2つのうちどちらか自分で選べます。そして移動先によって難易度も天候も変化する。
本作はマップがすべて手続き型生成で、天候の変化、雲量の変動、地形の異常、ランダムなマップイベントなどが発生するため、同じ戦闘は二度と起こりません。空に浮かぶ島を地形として使いながら敵を追い回す場面もあれば、まるで違う環境に放り込まれることもある。ルート選択とランダム生成が噛み合って、毎回違う空が広がる仕組みです。
決して空は甘くない

最終的に体力が0になれば終了。そして正直なところ、難易度は結構高めです。筆者はエリア2で撃墜されました。
ただ、これには後日談があります。実はステージ間にはアイテムを集める時間があり、ちゃんと飛んで回収すれば良かったらしいのです。
……そしてその存在に、筆者はインタビューをするまで気づいていませんでした。開発者に「難しいルートを選ぶ利点は?」と尋ねたところ「アイテムドロップが良くなる」という答えが返ってきて、そこで初めて知ったという次第です。もっとちゃんと飛び回っておくべきでした。
これまで組み合わされたことのない2つを融合させたい

試遊後、開発者のAndy氏にお話を伺うことができました。通訳を介したやり取りを整理してお届けします。
――プレイしてみて、とてもスピーディーにドッグファイトを楽しむタイトルだと感じました。本作はどういうコンセプトで、どういう層に向けて作られているのでしょうか。
Andy氏:『エースコンバット』や『Project Wingman』、そして『Devil May Cry』といったゲームの大ファンである方々に向けて作っています。
今回のデモは開発初期のビルドなのであまり表に出ていないのですが、『Devil May Cry』のようなコンボアクションシステムが搭載される予定です。あの、超スタイリッシュで格好いいコンボですね。
当然それがポイントの獲得にもつながります。というのも本作にはメタプログレッションがあり、稼いだポイントがクレジットになるんです。プレイとプレイの合間にはハブワールドがあって、そこで様々なキャラクターと出会い、彼らからアップグレードや新しい機体を購入できます。
大きなインスピレーションのひとつが、『エースコンバット』のような壮大なスケール感と高速移動の感覚を、『Devil May Cry』のスタイリッシュなコンボシステムと組み合わせることでした。加えてローグライクですので、『Slay the Spire』のようなゲームからも影響を受けています。
――タイトルを略すと「DMC」になりますが、これも『Devil May Cry』の影響なのでしょうか。
Andy氏:そうです(笑)。ちょっとしたジョークですね。
――ブーストを吹かすと一気に速度が上がるなど、リアルなフライトゲームというよりシューティング寄りに感じました。『Ace Combat』へのリスペクトはありつつ、ドッグファイトに特化して作られている印象ですが、いかがでしょうか。
Andy氏:フライトシミュレーターのようなリアリズムを目指すのではなく、アーケードゲームのような興奮とエネルギーの高まりをプレイヤーに感じてもらうことを優先しています。そこに『Devil May Cry』のような超スタイリッシュなアクションを乗せる。
『Devil May Cry』もまた、リアリティよりスタイルを優先しているゲームですから、本作も同じ方向性ということです。
――ステージクリア後に次のルートを選べますが、難易度が高い方を選ぶと何かプラスがあるのでしょうか。
Andy氏:ゾーンは手続き型生成で、いくつか異なるタイプがあります。空に島が浮かんでいて、それを地形として使いながら敵を狩らなければならないゾーンもあれば、宇宙へ伸びる柱が林立していて、ぶつからないように飛ばなければならないゾーンもある。出現する敵の種類も変わります。
そのうえで報酬の話をすると、まだ開発初期なので最終的なバランス調整次第ではありますが、現状では難しいゾーンを選ぶとアイテムドロップが良くなります。
各ゾーンの終わりで次のルートを選ぶ際に、倒した敵から拾ったアイテムを確認できるインベントリが表示されるのですが、難易度が高いほどレア度の高いものが手に入りやすくなるという仕組みです。
――最後に、本作を期待しているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
Andy氏:開発中の間、辛抱強く待ってくださっていることに感謝します。
私たちが届けたいのは、非常に滑らかで、それでいて爽快な飛行体験です。皆さんが『Ace Combat』に愛着を持っている部分の最良のものと、『Devil May Cry』のようなジャンル——これまで組み合わされたことのない2つを融合させたものを目指しています。

ブーストを吹かして雲を裂き、コンボを繋ぎ、失速したらタイミングを合わせてエンジンを叩き起こす。飛行機のゲームでありながら、求められている所作は完全にスタイリッシュアクションのそれでした。ただただ敵とのドッグファイトを楽しみたい戦闘狂の皆さんはぜひ楽しみにしてはいかがでしょうか。
基本情報
タイトル:DELIVERY MUST COMPLETE
開発:Yoyoyollie/パブリッシャー:Top Hat Studios, Inc.
対応プラットフォーム:PC(Steam)
発売日:未定











