2026年9月17日から20日まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2026」では、1,500を超える応募の中から選ばれた80タイトルが集う「SELECTED INDIE 80」が出展しました。
今回は、そのなかから気になったタイトルを3つ試遊してきましたので、ゲームの内容や特徴などをお届けします。
ニュース画像を「マスク処理」し、人々の注目を惹くニュースへ。『MASK IT』
1つ目は「モザイク」で話題を生み出すブラックユーモア・アドベンチャー『MASK IT』。キービジュアルの疲れ切った男性の顔とブラックユーモアという言葉に惹かれましたが、その名の通り“ブラック”な内容となっていました。そのブラックさは、ゲームを開始した瞬間から早くも現れています。不同意の「不」を塗りつぶし「同意」しないと、ゲームを始めることができないのです。



主人公は「灯台社」に新人として入ってきたニュース編集者。ニュース画像を少しだけ「マスク処理」し、より注目を集める画像へと加工していくことが仕事です。どこを隠せばより良い画像になるのかを考えながら、マウスを動かしていきます。




あっという間に普通の画像が別の意味を持つ画像に変貌。こうして“刺激的”なニュースへと変え、初日の仕事は終了します。先輩からも仕事ぶりを褒められますが、主人公はどこか暗い面持ち。このような仕事に関わることに、複雑な思いを抱えているもよう。



このように本作はニュースだけでなく、他の部分にもカーソルを合わせ囲うことで詳しく調べられます。ニュース画像を加工したら家に帰り、朝起きて準備をし、また加工をし、帰宅してご飯を食べ就寝、そしてまた会社へ……。淡々と仕事をこなしながらも、主人公は疑念の心を抱いたまま。




しかし主人公だけでなく、先輩にも何か思惑がある様子。仕事をこなしていきながらも、いったい彼らがどこへ向かっていくのかが気になります。



「どこを隠せばより刺激的になるか」を考えながら画像を変えることの罪悪感や、自分たちが普段見ている画像からどのような情報を得ているのか、またその画像のどこが見えなくなってしまったら意味が変わってしまうのか、事実を確かめる術は一体どこにあるのか……。プレイしながら、情報や画像の加工・生成が手軽になった現代を、改めて考えさせられる内容となっていました。
他人の夢に入り込み、ホストを探せ。『INTERSCAPE』
2つ目は他人の夢に入り込むアクション・アドベンチャー『INTERSCAPE』。ドリームダイバーの主人公「K」は、任務中に昏睡状態に陥ったパートナー「エン」を救うため危険な夢へ飛び込みます。どこまでも続くように見える廊下や、天と地があやふやになった街、そしてモノクロの世界……。短い試遊の中でも様々なビジュアルを楽しめる作品となっていました。

プレイを開始すると、さっそく現実離れした構造の建物に迷い込みます。あえてブレさせた写真のように、残像が残る建物が広がった幻想的な景色に、ついつい見入ってしまいした。フォトモードがあればさらに楽しそうです。



途中、高さが足りず登れない場所が出てきますが、そんな時は手に持った大きな「鍵」を光っている箇所に当て、床を出現させます。鍵を手元に戻すと出現していた床は戻ってしまうため、鍵を使うタイミングには気をつける必要がありそうです。


そのまま道を作りながら進んでいくと、なにやらまた別の夢に吸い込まれてしまうK。めまぐるしく変化していく景色のダイナミックな見せ方が印象的で、この後さらにどんな光景に出会えるのかと期待が高まりました。



そうして辿り着いた夢はモノクロの世界。この夢から抜け出すため、夢の主である「ドリームホスト」を探さねばなりません。ホストはどうやら頭に動物の被り物をした、変わった見た目の人物だそう。時に隠れ、戦いながらホストを追いかけていきます。こちらのノワール風に描かれたモノクロの町並みやアートは、光の陰影までどこか懐かしい映画のようで、非常に洒落た雰囲気を醸し出していました。




この時点では、日本語のローカライズにやや硬さが感じられました。一方で、様々な夢に潜るたびに見せるビジュアルの豊かさは、短い試遊でも十分に伝わってきました。こうした幻想的な景色を楽しむユーザーには、たまらない一作となりそうです。
あたたかい気持ちにさせられるミニゲーム集。『さようならバックアップ』
3本目は、別れがテーマのミニゲーム集『さようならバックアップ』。現在日本語はサポートされていませんが、試遊では日本語で遊べたため、今後の日本語対応が期待できます。やさしい色合いのアートと画面が特徴的です。

本作は11個のミニゲーム集ですが、試遊では3つのゲームが遊べました。1つ目の「最初のさよなら」は飛行機で旅立つ瞬間を描いたミニゲーム。窓の外を眺めていると、小さい頃からの思い出が次々と流れていきます。


黄色く光る所をクリックすると絵が変わるので、流れに合わせてクリックしていきます。が、速度はどんどんと速まり、クリックする手が追いつかないほどに。過ぎ去っていく時間や旅立ちの悲しみがほぼ言葉を使わず表現されていることに、「別れがテーマのミニゲームとはこういうことか」と納得させられました。



2つ目の「手振りゲーム」は、マウスを動かして手を振るゲームです。今度は切り絵のビジュアルになっており、ミニゲームごとに絵のタッチが異なっているのも面白いところです。列車が進むなか、マウスを動かして手を振り続け、どんどんと姿が遠のいていっても手を振るのをやめません。


すると、「準備ができたら、手を振るのをやめましょう」という文字が画面に現れます。そこで、手を振るのをやめた時こそがこのゲームの終わりを意味していたのだ、と気付かされました。いつまでも手を振っていたくなる気持ちを、手を振る動作ひとつで表現しています。


3つ目の「分かれ道」は、別れる前に何を言おうか――と、とめどなく溢れ出す気持ちや想いが、次々と現れる台詞の数々で表されています。スペースキーを押すと歩調がゆっくりになるのも、別れが近付き、「まだ一緒にいたい」と願う時間を思い起こさせます。



このように「別れ」というテーマのもと、さまざまなアイデアが詰め込まれた本作。しんみりとした悲しい気持ちだけでなく、優しさとあたたかさも感じられるミニゲームで、疲れた心を癒すのにもぴったりかもしれません。
今回は3本のゲームを紹介しましたが、他にも期待のインディーゲームがたくさん並んでいます。ぜひ特設サイトを覗いて、気になったゲームをウィッシュリストに入れてみてください。











