
2026年10月16日、「ストリートファイター/ザ・ムービー」の大ヒットを祈願して、ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいにて、イベントが開催されました。
とあるアメリカ人夫役の吹替声優であるなだぎ武さんや『ストリートファイター6』ディレクターの中山貴之さん、同じく『ストリートファイター6』キャラクターデザインリーダーの越智猛さんが、映画やゲームにまつわる想いを語りました。

◆ライブペインティングで感じた“迫力”…!「映画については、全部が見どころ」
イベントに先立ち、会場ではライブペインティングが実施されていました。リュウやケン、ベガに豪鬼、キャミィと春麗といったキャラが並び、彼らの輪郭が徐々にくっきりと際立っていきます。
緻密に線を重ねつつも、ときに大胆に塗り潰すこともあり、まじまじと見つめてみるのが楽しい催しでした。

そして、いよいよ大ヒット祈願イベントがスタート!
登壇したのは、なだぎ武さん(とあるアメリカ人 夫役日本語吹替声優)、中山貴之さん(製作/『ストリートファイター6』ゲームディレクター)、越智猛さん( 『ストリートファイター6』キャラクターデザインチーム リーダー)の3名。
まずはなだぎさんと中山さんが語り合いました。

MC:『ストリートファイター/ザ・ムービー』がいよいよ本日公開となりましたが、今のお気持ちを聞かせていただけますか?
なだぎ武:主役をやったみたいで偉そうですけど(笑)、ちょこっと参加させていただいただけです。
私は若い頃からずっとこのゲームをやらせていただいてました。これまでアニメになったり、実写化されたりすることもありましたが、改めて令和の時代に『ストリートファイター』が実写映画になるとは思っていなかったので、非常にびっくりしました。それに、自分がその作品に少しでも携わることができたのが本当にうれしかったです。
ゲームから入った人はもちろん、『ストリートファイター』を知らない人でも楽しめる作品になっていますので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
中山貴之:そうですね。ようやくという感じです。自分がお話をいただいて参加したのが、ちょうど3年くらい前なんです。そこから少しずつ製作に携わっていきました。3年も経つと、やっぱり感慨深いですね。アメリカと日本を行き来したり、毎週のようにビデオ打ち合わせをしたりしていました。

MC:映画の注目ポイントはありますか? できる限りネタバレを避けながらお願いします。
なだぎ武:先日ジャパンプレミアがあったんですけど、狩野英孝ちゃんが思いっきりネタバレしてましたよ!(笑)。僕も度肝を抜かれましたね。でも、映画については全部が見どころだと思います。
ゲームをやっていた人間からすると、ゲームで繰り出されていた技が実写でどのように再現されるのか、というところを楽しみにしていました。
もちろん、ストーリーがどのようになっているのかという点も気になっていましたが、思った以上に全体がポップに仕上がっていて、見やすかったです。コメディー要素も結構あって、それは意外でしたね。
それぞれのキャラクターについても、限られた時間のなかで一人ひとりがしっかり立つように描かれています。
中山貴之:なだぎさんの言う通り、いろいろなキャラクターが登場しますが、映画という限られた時間の都合上、ほんの少ししか出せないキャラクターもいます。
そのなかでも今回は、対戦格闘ゲームでありながら、キャラクター同士の関係性や友情といった部分も、さまざまな角度から見られるようになっています。そこはすごくいいなと思いました。

MC:私自身も『ストリートファイター6』からシリーズに入ったのですが、「こんな感じのキャラクターだったんだ!」とびっくりする箇所がたくさんありました。
今回はケンとリュウのストーリーが大きく描かれていて、二人に感情移入できるようになっていたのも印象的でした。
なだぎ武:そうなんですよ。ちゃんとしたバックボーンもあって、ケンはケンなりに苦労しているところもあるんです。たしかにゲームだけやってるとね、「でいや!でいや!」と、うるさいねん!と思ってしまうよね(笑)。
MC:そう、迅雷脚がとても辛くて……(笑)。映画ではキャミィにも注目したいですよね。
中山貴之:あれは実は『ストリートファイターII』よりも少し前の要素が入ってるんですよ。昔から知っている方は「そういうことか」と思うかなと。
MC:昔から『ストリートファイター』を遊んでいる方も、『ストリートファイター6』から入った方も楽しめる作品ですよね。
なだぎ武:特にダルシムがむちゃくちゃ男前なんですよ。一番びっくりしました。ゲームでは白目を剥いたおっさんなのに、映画ではええ体してるがな……って。

MC:お二方は好きなキャラクターはいますか?
なだぎ武:当時、ゲームをやり始めた頃は豪鬼が好きでしたね~。あとサガットね。
今回の作品では、サガットがどんな感じで登場するのか気になっていました。そもそも出てこないんじゃないかと思って、ちょっと諦めていたんです。でも、まさかあんな感じで出てくるとは思わなかったですね!
中山貴之:自分は『ストリートファイターII』の頃にガイルをずっと使っていたので、ガイルがすごく好きなんです。小学生の頃は、ガイルのソニックブームやサマーソルトキックの絵を真似してずっと描いていました。
今回も、コーディ・ローデスさんがいい感じに演じてくださっています。ゲームで見る必殺技が映画の中で再現されていて、とても興奮しました。

◆「見知らぬ人と対戦」するのが面白い、『スト2』の思い出
MC:『ストリートファイター』を好きになったきっかけについても教えてください。
なだぎ武:当時すごいと思ったのは、それまでの格闘ゲームは、コンピューターと戦うのが主流だったことです。
コンピューターのラスボスを倒して終わりだったんですが、『ストリートファイターII』のアーケード版では、見知らぬ人と対戦するという仕組みが広がっていきました。今では当たり前のことですが、それを先駆けてやり始めたんですよ。
誰か知らない人と対戦するのは、当時としては新鮮でした。みんなワクワクしながらゲームセンターに行って、100円玉を積んで、ガチガチとボタン押して対戦していました。
僕もやっていたんですが、あるとき相手をハメ技でボコボコにして勝ったんです。「よっしゃー!」と思って喜んでいたら、ゲーム機の横から対戦相手がぬっと顔を出してきて、ちょっと怖い人だったんですよ。「お前、なんや。そのハメ方は」と言われて、お金持ってすぐ逃げました(笑)。

MC:リアルファイトにならなくてよかったですね(笑)。
中山貴之:自分も本当に似たような体験をして育ってきました。今はゲームを作る側になりましたが、『ストリートファイターII』があったからゲームセンターに出かけて、友達に会って、一緒にゲームをして、そのあと自転車で遊びに行く、ということもありました。ゲームをきっかけにコミュニティーが広がっていく体験をしていたんです。

MC:お二人はどのように知り合ったのでしょうか?
なだぎ武:僕は『ストリートファイターII』を昔から遊んでいたんですけど、少し離れていた時期があって……。
でも、2025年に知り合いからEVO Japanに誘われたんですよ。とはいえ『ストリートファイター』からは離れていたので、ちょっとわからないなと思いながらも、せっかくなんで行ってみることにしました。
そこで初めて『ストリートファイター6』に触れて、「今の『ストリートファイター』はこんな感じになっているんだ!」と感動しました。
大会はMenaRD選手が優勝していて、すごいなと……ブランカが優勝するのかって。僕らの世代からすると、ブランカはユニークなキャラクターという印象が強かったんです。メインどころからは少し外れたキャラクターって感じで。

なだぎ武:それが大会で優勝するほどのキャラクターになっていることに、度肝を抜かれました。そこから『ストリートファイター6』の動画も観るようになりました。
そのときに中山さんを紹介していただいて、「今すごいですね」といったお話をさせていただいたのが、交流のきっかけです。
◆デザインチームリーダー・越智氏も登壇!お気に入りは、デザインした「ルーク」
越智猛:『ストリートファイター6』のデザインチームでリーダーを務めております、越智です。よろしくお願いします。

なだぎ武:関西出身で、筋トレが趣味なんですよね。
越智猛:本当にそうです(笑)。
MC:越智さんはどのようにして『ストリートファイター』のキャラクターを生み出されるのでしょうか?
越智猛:基本的には、ディレクターの中山さんから、キャラクターの出身国、ファイトスタイルとなる格闘技などのコンセプトを提案していただきます。
その2つをもとに、デザイナーがそれぞれデザインを描いてプレゼンし、コンペ形式で選んでもらうという形です。
中山:とんでもない枚数を描いてるよね。
越智猛:そうですね、新キャラなら2、300枚は描きますね。

MC:これまでデザインされてきたキャラクターのなかで、お気に入りのキャラクターはいますか?
越智猛:やはり『ストリートファイター6』の主人公であるルークですね。自分が初めてデザインしたキャラクターだったので、すごく思い入れがあります。
なだぎ武:確かに、ルークと越智さんは体つきも似ているような気がします。前腕が太くて、サンドブラストとか出せそうですもん。
中山貴之:参考資料が身近にあるわけだ(笑)。
MC:実は越智さん、まだ映画をご覧になっていないそうですが、映画でこんなことが起きていたら面白い、という期待はありますか?
越智猛:ええ、難しいですね、めちゃめちゃ大喜利じゃないですか(笑)。僕は豪鬼も好きなので、瞬獄殺が映画でどんな感じに描かれているのかは気になりますね。
なだぎ武:いいですね~。背中で「天」ってやってほしいですもんね。
MC:ちなみに、こちらのイラストはどのくらいの時間をかけて描かれたのでしょうか?
越智猛:元となるアイデアはデジタルで描いたんですが、それは10時間くらいですかね。
中山貴之:実は今回、映画に合わせたキャンペーン用のカラーをいろいろと作ったんです。そのカラーを使って、さまざまなキャンペーンを展開しようという話になりました。ケンの道着のワインレッドとかが印象的ですよね。

MC:今回のデザインで、特にこだわった部分はありますか?
越智猛:『ストリートファイターII』らしさを意識しました。ちょっとレトロな印象を出そうと思いまして。
『ストリートファイター6』だとケンは仕事を失った人という雰囲気がありますが、今回の絵では昔のケンらしい、元気な感じを出しています。
なだぎ武:首の太さもいいですよね~。
越智猛:耳の後ろから首が生えているような描き方ですね。
MC:当時の少年ジャンプのキャラクターも、みんなこんな感じでしたよね! バッキバキな感じで。『ストリートファイターII』を遊んでいた世代には、特にしっくりくるデザインだと思います。

MC:イベントは以上になりますが……実はこちらの作品、まだ完成ではないんですよね?
越智猛:はい。実はまだリュウの瞳を描き込んでいないんです。
なだぎ武:あっ!たしかに、目が輝いてないですね。バーンアウト状態だ。
MC:そこで、映画の大ヒットを祈願いたしまして、この場で越智さんに最後の筆入れを行っていただきたいと思います。

MC:最後の一筆、ドキドキしますね。
越智猛:そうですよね、チームで描きましたから失敗できませんよね……。
なだぎ武:ミスったら全員から瞬獄殺喰らいますよ。ズドドドドって(笑)。
(越智さんが最後の筆入れを実施)
MC:これで完成です。皆様、改めて大きな拍手をお願いいたします。では、最後にフォトセッションとして、力の入ったポーズを取っていただけますか。
なだぎ武:力の入ったポーズですか?
中山貴之:やっぱりアイガーじゃないですかね。
ゲームへの愛と映画の大ヒットへの願いが込められた、シリーズファンにとっても見どころの多いイベントとなりました。渾身の波動拳やタイガーショットもサマになっております!
映画「ストリートファイター/ザ・ムービー」は全国の映画館で公開中です。













