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【今から遊ぶ不朽のRPG】第8回『ブレス オブ ファイアII 使命の子』(1994)

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【今から遊ぶ不朽のRPG】第8回『ブレス オブ ファイアII 使命の子』(1994)
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今回紹介するのはSFCのRPG『ブレス オブ ファイアII 使命の子』。1994年にカプコンから発売された本作は、前作『ブレス オブ ファイア 竜の戦士』の続編であり、現在も続く同シリーズ第2作にあたる本格RPGです。

前作から多くのゲームシステムを継承しているものの、今作から定番となるミニゲームイベントの追加や、シリーズを通しての同名キャラクター登場の確立など、後継タイトルの基盤を形作ったといえる内容で、『ブレス オブ ファイア』を語る上では外せない作品です。

* * * * *


今手に入れるなら

SFC後期タイトルであり、2001年にはゲームボーイアドバンスに移植された本作。カートリッジの実物を手に入れるのは決して困難ではありませんが、人気タイトルだけあって中古品でも比較的高値が付いています。箱の有無や状態にもよりますが、筆者が訪ねた都内のレトロゲームショップでは箱無しで概ね1000~2000円程度、箱有りで4000円程度での購入が可能です。なお、任天堂バーチャルコンソール配信タイトルの1つなので、対応プラットフォームを所持している人なら今すぐにでもプレイ可能です。




個性的な登場人物とユーモア溢れるシナリオ

シリーズを通して同名の主人公リュウとヒロインのニーナをはじめ、主人公の友人として描かれることが多いボッシュ、複数作品に登場する大魔法使いのキャラクターなど、本作の登場人物は一部の設定を作品間で常に継承しています。シリーズの全作品をプレイしているファンは彼らの存在にどこか懐かしい愛着心を感じていることでしょう。キャラクターデザインを手掛けるのは吉川達哉。士郎正宗に影響を受けたとされる肉感的な作風は、シリーズを通してパッケージや取扱説明書に如実に顕れています。



ストーリーは、ユーモアたっぷりの序盤とは対照的に終盤はシリアスな雰囲気を帯びた重厚なシナリオで、結末には当時普及しつつあったマルチエンディングを採用。物語中で特定の人物を救出するなど、重大な決断を迫られた際の返答如何によって3パターンに大別されたエンディングを迎えます。



ベストエンディングの達成条件は思いのほか複雑で、重要な人物を救出し忘れていたり、特定の人物と遭遇せずにフラグを立て忘れたりと、初見で全てをクリアするのは難しいかもしれません。真の結末を知らずに長年を過ごした筆者のようなファンも多いのではないでしょうか。

ゲームシステム



本作はターン制バトルを採用したオーソドックスなRPG。プレイヤーは主人公を除いた総勢8名のメンバーから3人を選んで同行させることができます。また、本作には共同体と呼ばれる主人公たちの本拠地があり、物語が進行するにつれて町が発展していく仕組みです。パーティーメンバーの入れ替えはもちろん、装備品や道具の売買やアイテムの合成、後述する合体を行うことができます。そのほか、時に重要なイベントフラグを発生させるために必要になるなど、作中で重要な役割を果たします。


魔のシャーマンと合体したリンプー


合体は共同体を発展させることで利用可能になる要素の1つ。火、水、風、土、聖、魔の属性を持った合計6人のシャーマンと主人公リュウを除く仲間を合体させることで、能力を飛躍的にアップさせることが可能です。また、特定の組み合わせで合体を行うとキャラクターの容貌が著しく変化する「究極合体」を遂げることも。合体を上手く活用することで戦闘やダンジョン攻略を有利に進めることができます。


カイザードラゴンに竜変身


さらに、主人公であるリュウは唯一、竜変身という特殊能力を所持。ドラゴンに姿を変えてのドラゴンブレスは敵全体を対象にした強力なダメージソース。物語中盤から行使可能になり、ボス戦はもちろん終盤に登場する強敵相手の撃破には欠かせない攻撃手段です。竜変身は『ブレス オブ ファイア』のシンボルとして、後にシリーズ歴代の主人公たちが用いる必殺技として定着していきますが、本作でその基盤が築かれたといっても過言ではないでしょう。

そのほか、主人公を含めた9人のプレイアブルキャラにはそれぞれ得意技があり、主にフィールドマップ上で真価を発揮します。後述する釣りや狩りといったミニゲーム内で活躍する特技や、フィールド上の移動を手助けするもの、さらにストーリーの進行に必要不可欠な能力まで、個性的なキャラクターが織り成す得意技は多種多様です。



ミニゲームの釣り(上)と狩り(下)


ミニゲームは後のシリーズでもファンを夢中にさせたコンテンツ。フィールドマップに隠された特定の場所で釣りや狩りが楽しめます。釣りが遊べるのは主人公のリュウだけですが、狩りが可能なのはボッシュをはじめとした仲間の3人。強力な装備品や便利なアイテムを入手することができるため、息抜きとしてだけでなくメインストーリーを攻略する鍵にもなり得ます。

シリーズとしてのテーマと当時の社会風刺

『ブレス オブ ファイア』がシリーズを通して掲げるテーマには、肉親や親しい人との死別や離別が挙げられます。本作には実に様々な別れが描かれており、後の作品へ繋がる流れを作ったといえるでしょう。平穏と安寧の日々を奪われた天涯孤独の主人公リュウと、同じく独り身の浮浪少年ボッシュ。2人の旅立ちは親類との離別に始まり、そして多くの仲間との出会いを通して、彼らの肉親との死別をも経験していきます。本作は、親しい人々との別れを経て成長を遂げていく主人公たちと、その心境の変化を密接に描いています。



また、本作のストーリーには開発当時の社会風刺が多分に含まれています。奇しくも発売当時の90年代初頭から中頃は、新興宗教の台頭や世紀末を目前に控えたオカルト思想など、社会に影響を与えた話題が多く立ち上った時代でした。それを象徴するかのように本作で描かれているのが宗教と信仰にまつわるエピソード。信仰心というテーマが物語の主軸に走っています。ネタバレになるので多くは語れませんが、終盤にはかなりショッキングな内容も含まれており、穿った見方をすれば実に社会派な作品といえるかもしれません。

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近年の『ブレス オブ ファイア』作品に見られる要素を多く含有した本作は、シリーズ第2作目にしてリュウの系譜を築き上げた原点のような作品。一見ユーモアあふれるポップな作品ですが、その中心には骨太なストーリーと強いメッセージが込められています。数多の名作RPGが世に送り出された90年代中頃はまさにSFCの黄金時代でした。『ブレス オブ ファイアII 使命の子』は、獅子奮迅の勢いで渦巻く時流の中で生まれたファンタジーの王道。正統派の名に恥じない不朽のRPGといえるでしょう。
《河合 律子》

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