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カーネルおじさんと恋愛!?『I Love You, Colonel Sanders!』プレイレポート―学園生活に料理にバトル…ツッコミどころ満載&ツッコミ不在のカオスADV

カーネルおじさんと恋愛ができてしまうKFC公式のカオスなアドベンチャーゲーム『I Love You, Colonel Sanders! A Finger Lickin’ Good Dating Simulator』のプレイレポートをお届けします。

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!注意!本記事にはゲームのネタバレ表現が含まれています。



カーネルおじさんと恋愛ができてしまう、ケンタッキーフライドチキン公式のカオスなアドベンチャーゲーム『I Love You, Colonel Sanders! A Finger Lickin’ Good Dating Simulator』のプレイレポートをお届けします。

本作はPsyopが開発し、KFCによって9月24日にSteamで無料配信されました。Psyopは商業広告を中心とした企業で、コカコーラやハーゲンダッツなどの広告を担当し、様々な賞を受賞してきました。またVR占いゲーム『Kismet』などをSteamで配信し、その表現の幅を広げています。


本作の内容ですが、ビジュアルノベル形式の恋愛シミュレーションゲームです。やはり特筆すべきなのは、「カーネルおじさん」ことカーネル・サンダースとの恋愛ができること。「大丈夫かKFC」と思う方がいるかもしれませんが、これまでにもカーネルおじさんがプロレスに参戦したり裁判相手と殴り合いをしたり(ほぼ実話)、VRにも登場したりすでにやりたい放題なので、本作も登場すべくして登場した作品なのかもしれません。

そもそもカーネルおじさん自身が「事実は小説よりも奇なり」レベルの波乱万丈の生涯を送っています。14歳で学校をやめ、16歳で年齢をごまかして軍隊に入り、翌年除隊したのちに40以上もの仕事を渡り歩いては失業を繰り返し、「サンダースカフェ」で成功するも火事で焼失し、再建したあとも諸事情で売却せざるを得なくなって無一文になってしまったりと、これでもかというぐらいに困難に見舞われました。

店を失ったころにはすでに60代半ばでしたが、そこからフライドチキンの製法を教え、売れた分だけリターンを得るフランチャイズビジネスを本格化。自ら車を運転して各地を渡り歩き、あちこちで断られながらも(1,000回以上断られたとか)粘り強く営業をしていました。これが上手くいって、現在のKFCの基礎が出来上がります。

60代半ばでなおチャレンジしようとするカーネルおじさんの精神力と行動力には本当に頭の下がる思いです。このようにいろいろなことに果敢に挑戦してきたカーネルおじさんのスピリットを現KFCが受け継いだのであれば、恋愛ゲームができあがってもなんら不思議ではありません。さっそくプレイしていきましょう。

3日で学期が終わる料理学校



ゲーム開始時に主人公の名前を入力。いつものごとく「GAMESPA」にしておきましょう。ゲーム中ではカーネルおじさんが、ここで入力した名前であなたを呼んでくれます。


ゲムスパの部屋からゲームスタートです。右側の壁に「鶏」のポスターが貼っていますが、ゲムスパが何を思って貼ったのかは不明。ちなみに本作は英語のみですが、トレイラーでは「カーネル」「ライバル」「親友」など日本語が見られます。いずれ日本語サポートがあるかもしれません。

さて、この日は料理学校「UCS:AL(University of Cooking School:Academy for Learning)」の初日。初日といっても3日で学期が終わってしまうそうです。超短期集中型の学校ですね。しかしその大事な初日に、ゲムスパはまだベッドの中。ここで「起きる」か「目覚ましを投げ捨てて眠り続ける」の選択です。試しに「眠り続けてみる」と……。


学校へ行かなかったことにより、ゲムスパは「カーネルおじさんと出会う」という人生においてもっとも貴重な機会を失ってしまいました。そのままゲームオーバーです。本作は選択によってゲームオーバーになることが多いので注意。ちなみにセーブはチェックポイントで自動的に行われます。


やり直してベッドから出て、学校へ向かいます。途中、幼馴染の親友ミリアムと出会いました。明るい性格の子で、学期が始まるのを楽しみにしていたようです。


ミリアムの両親は名コックで彼女自身も料理好きなのですが、しかし自分の料理に自信が持てない様子。能力の高い人ほど「良い」の基準が高くて自分を過小評価してしまうというやつでしょうか。あと、そのポーズが何なのか気になります


ミリアムと話をしていると、アシュレイが現れました。高慢な性格で、ゲムスパたちに対してイヤミばかりを言う天敵のような存在。ちなみに本名は「Ashley」ですが、あえてスペルを足して「Aeshleigh」としているようで、ゲムスパをイラッとさせています。


さらにアシュレイの仲の良い友達、ヴァンヴァンの登場。ムキムキの筋肉に、先が星型になっているリーゼント。こいつもアシュレイ同様に高慢かつイヤミなやつで、この2人がいじめっ子的ポジションになっています。絡まれると面倒なので、ミリアムを連れて教室へ向かいましょう。

教授は犬



教室へ向かう途中に遭遇したのは子供……ではなく同級生のポップ。どこか抜けたところがあり、ゲムスパと会話が噛み合いません。とにかく遅刻しないよう教室に入りましょう。


教壇に可愛いコーギー犬が現れました。彼(?)がこの学校のヘッドインストラクター兼CEOのスプリンクルスです。「私は可愛くてモフモフですが、威厳を保ちたいのでどうかドッグ教授と呼んでください」と生徒たちに懇願。よりによって教師が犬です。しかしゲムスパは「これまでで一番良い学校だ。犬の嗅覚は優れている」と意に介さない様子。


そして教室の中に吹き込む桜吹雪とともに、ついにカーネルおじさんが登場。プレイ前はカーネルおじさんの授業を受けるのかと思っていたのですが、彼は生徒のようですね。「こんなハンサムな人は見たことがない」などと絶賛されまくります。


ドッグ教授はカーネルおじさんを「ハーランド」と呼ぼうとすると、「どうかカーネルと呼んでください」と言われました。ちなみにカーネルおじさんの本名は「ハーランド・デーヴィッド・サンダース」。「カーネル」はケンタッキー州に貢献した人に贈られる名誉称号です。


カーネルおじさんは汗をかいているあなたにハンカチを差し出しました。受け取るかどうかの選択肢です。しかしカーネルおじさんの描写に「彼は美しい天使だ」などといった言葉がちょくちょく入ってくるなど、ゲーム中彼の美しさを徹頭徹尾褒め称えています。


こちらはなかなか名前を言わせてもらえない存在感のない「生徒」。もうこの学校に3年通っているのに、誰にも覚えてもらっていないようです。


そして明らかにロボットな生徒のクランク。ロボットというか圧力フライヤーに手足が生えたような存在ですね。無口なので正直何を考えているのかよくわかりません。

フライドチキンは異次元の美味さ



授業が始まり、「ミリアムの隣の席に座るか、それともカーネルおじさんの隣か」という究極の選択を突きつけられます。ミリアムの隣も良いのですが、ここは本作のテーマ通りにカーネルおじさんを選びましょう。


カーネルおじさんの隣に座ったゲムスパ。ここでカーネルおじさんのあの名言、「私には2つのルールだけだった。できることをすべてやれ。そしてベストを尽くせ。それが何かを達成するための唯一の方法だ」が本人の口から語られます。人の何倍もの努力と失敗をしてきたカーネルおじさんの有名な言葉ですが、まさかこのゲームで聞くとは思いませんでした


授業が終わって昼食の時間になると、カーネルおじさんが食堂でフライドチキンを振る舞ってくれました。夜中プレイしていたことに加え、やたらと美味そうな描写をしてくるので、リアルで腹が減ってきました


フライドチキンの素晴らしさに、みんなはカーネルおじさんからレシピを聞こうとしました。しかしそこへアシュレイとヴァンヴァンの2人組が登場。ヴァンヴァンはカーネルおじさんにケチを付けてきますが、アシュレイはカーネルおじさんをその料理の腕ごと手に入れようと企んで媚びてきます。


一方、ゲムスパがフライドチキンを食べてみると、あまりの美味さに意識が異次元へと飛ばされてしまいました。ここで選択肢ですが、選択を間違えると……。


午後からはクッキングアリーナでの、2人1組になっての料理授業。ミリアムはゲムスパを誘いましたが、ゲムスパはカーネルおじさんを選びました(本当に申し訳ない)。代わりにミリアムのパートナーとして、ポップかクランクのどちらかを選んであげましょう。どっちがましかというような選択ですが。授業中もヴァンヴァンはカーネルおじさんへの敵対心をあらわにしていました。


その日の夜、カーネルおじさんと外で話をしているときにモンスターが来襲。そしてコマンドバトル発生です。果たしてゲムスパは勝てるのか。カーネルおじさんとの関係はどうなるのか。そもそもこれは恋愛ゲームなのか。この続きはぜひとも自身の目で確かめてみてください。

プレイヤーを巻き込むカオスなインタラクティブADV



本作はKFC公認のもと、フリーダムに開発が続けられた結果(たぶん)、「恋愛ゲームのような何か」が完成しました。ただカオスといってもストーリーは引き込まれるものであり、登場人物たちも魅力的です。「本作に近いゲームを挙げろ」と言われれば、絵柄はだいぶ違いますが「学園ハンサム」がノリとして近いのではないかと思います。


本作では犬が教授だったり、カーネルおじさんが馬で登校してきたりなど、すべての出来事がさも当然のように行われ、主人公も当然のようにそれを受け入れています。突っ込み不在の状況の中、プレイヤーがひたすら画面に向かって突っ込み続けるというインタラクティブな体験をすることができました。

できることをすべてやれ。そしてベストを尽くせ」というカーネルおじさんの精神を受け継いだ(?)本作。クリアまでだいたい2~3時間ぐらいでしたが、やたらと濃い体験ができました。次はいったいどんな作品が生まれるのか。今後のKFCの展開を注視したいと思います。

製品情報




■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国の歴史ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごす。中国の国立大学で9年間講師を勤め、現在台湾在住。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。人生の理念は「あまり知られていないけど、知っていると人生が面白くなるもの」を発掘・提供すること。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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